風になれたら

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山を歩いて風になる

大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 5日目

2020-01-26 | 徒歩の旅
7/4 (木) 曇り
今日は最後の宿泊地である上ホロ避難小屋を目指す。もうすぐ旅も終わりだなと思う。
明るくなったのでテントの外へ出ると東の空が明るくなっていた。あとで確認してみればカメラのレンズが曇って朝焼けの写真はボケボケであった。
 
何はともあれご飯を食べて身体を温める。そしてまた濡れて冷たい行動着に袖を通し、歩くとズブズブ言う靴を履いた。今回の旅は本当にびしょ濡れの旅でもあった。
ご飯を食べると便意をもよおす。自然の摂理である。前日は雨だったのでテントの中で携帯トイレに用をたしたが、今日はキリリとした外気に包まれて携帯トイレに用をたした。誰もいない山の中だからできる解放の時間。
持って行った乾燥食料に水を加えて食べるのだけれど、それが外に出ると食料よりも重くなってしまう。携帯トイレの袋に納められたそれを担いで山を歩くときトイレの有り難さを感じるのだ。
 
昨日霧の中だったピークをオプタテシケ山だと思ったのだが、今日ピークに立って確認してみればオプタテシケの頂はその先にあった。
これがオプタテシケ山頂、自撮りの顔を見ると山に入って5日目となり髭が伸びてきた。
オプタテシケ山の頂を後にすると反対から登ってくる人が。おおっ、2日ぶりに人とすれ違う。話をすると美瑛富士の登山口から登ってきたとのこと。
そこから少し降って振り返るとオプタテシケ山はピラミダルな山容でかっこいい。
この辺りに花は少なく、お馴染みのヨツバシオガマがチラホラするぐらいであった。
美瑛富士キャンプ地への分岐で休憩してズブズブの靴を脱いて靴下を絞った。ふやけた足の爪に細菌が入り化膿していたが、消毒してテーピングして歩けば問題はなさそうだ。行動食を口に入れて霧の中を再び歩き出す。
 
美瑛岳方面に少し行くと雪渓が現れた。数歩歩いてみたらシャーベット状になっており足が取られる、かなり危険な香りがする。バックパックを下ろしてチェーンスパイクを着けて歩いてみても足を出すたびにスリップしてしまう。とてもバックパックを背負って歩けるような状態ではない。下を覗くと滑ったら200メートルは滑落しそうだ。少しの間どうしようか考える、ここを通らない場合は一度近くの登山口まで降りて20kmぐらい迂回する必要があるのだ。霧と地形の関係でで先が見えないが美瑛富士分岐までまだ数百メートル、その間ずっと雪渓かもしれない。ここは一旦山を降りると言う選択が最善だろう。そうと決まれば下山だ、直近の国設白金野営場を目指すことにする。
登山口に向かう途中の美瑛富士避難小屋は霧の中だった、そこから人が出てきたら朝オプタテシケ山で会った方であった。
ここからが悪路の連続で登山道が時々川になったり、藪となったり、ヌルヌルした道を滑らないよう気をつけて進んだが厳しい道だった。
かなり疲労したが無事登山口に到着した。そこから久しぶりにアスファルトの道を歩いて白金温泉に向かった。
登山口から2時間ほど歩いて白金野営場に着いた。ここは5年前の秋のツーリングで富良野岳に登った時に宿泊した場所だ。その時の日記はコチラ。その時キャンプ場で転んで顎を打ち、持っていたヘルメットのスタビライザーが割れてしまったことを思い出した。
気持ちの良い芝生の上にテントを張ったら温泉へ向かう。久し振りのお風呂は気持ちよかった。町営の温泉施設で200円ととても安いのだが、失敗したのはシャンプーもソープもないことだった(泣)。バイク旅だとシャンプーもソープも持っているのでいいのだけれど、今回はそれらを持っていなかったのだ。お風呂でさっぱりしたらビールだろう、少し歩いたところにある林間食堂でビールと大盛りの親子丼をオーダーした、久しぶりだとビールも親子丼もとにかく美味い。
ほろ酔い加減でキャンプ場に戻って天気予報を確認すると明日は雨のち雷雨の予報だった。最後は晴れた山で過ごしたいので明日は休養日にしようと決めた。そして平らな土地で眠れる幸せを噛み締めながら意識を失っていった。
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