コクサギ(ミカン科) 雌雄異株の落葉低木、写真は落葉後の果実。
全体に強いにおいがあり、葉が展開した春には、森はコクサギの臭いで埋め尽くされるほどです。
繁殖力が旺盛で、幹を切っても残った根から萌芽更新し、繁殖を広げ、長年放置された大小迫山の沢沿い、林道沿いはコクサギが藪を作っています。
視点を変えて、コクサギの実の一つ一つをじっくり観察すると、コクサギの外皮は、腎臓形で曲線模様があり、4個に分かれた果実が何とも愛らしい。
上のほうから果実をのぞくと、黒い種とそれを囲む二重の果皮が梅の花のようにも見える。
コクサギの外果皮(上)とよじれた内果皮。
内果皮は実が熟し、乾燥するとよじれて種を遠くに飛ばす働きがあるそうです。
果実の中をみると思いがけない表情でした。
コクサギの種。
「師走花」と称してもいいほど、コクサギの実の美しさに魅せられました。
森の整備を怠ると旺盛な繁殖力で藪をつくり、厄介な樹木ですが、果実が熟す冬枯れ時期の楽しみを見つけました。