12月の6日から始めました里山整備第2弾の、年内作業を昨日(27日)終えました。大槌から3人の山仕事のプロが片道約2時間の道のりを毎日(日曜、祭日は休み)通ってきてくれました。
今回の里山整備のコンセプトは、生き物で賑わう水辺環境の整備と子どもたちの遊び環境を整えることを主眼に取り組みました。
約50年前に棚田であった斜面を減反政策で栗林に転換し、約30本の栗の木が植えられていた約30アールの場所です。長い間放置され、栗の実は鹿の餌になり、田んぼは遷移が進み斜面上のほうの田は雑木林やススキ、チカラシバ、アズマネザサのジャングルで、下の方は水田の名残が残り湿地にショウブが生えていました。
アズマネザサに囲まれた栗の木(10月)
栗の木の回りのササを刈り払い、子どもたちの木登り用の木として残しておきました。
棚田跡の上方には、ハンノキやイヌシデなどの雑木が生い茂っていました。
雑木の間伐をして、明るくすっきりとした雑木林になりました。
栗の木の多くは立ち枯れしており、生きている木も下の枝が枯れていたりして、栗の実は鹿の餌になっていたので、その中で威勢がよく、木登りに適している樹形の栗の木2本を残して、すべて伐採しました。
栗の木の年輪を数えてみると、棚田を栗林に転換してから推定42年の歳月が流れていました。
棚田のそばを流れる川辺。水量はそれほど多くはありませんが、切れることなく流れている沢の水です。その川べりはコクサギやつる性植物でおおわれていました。
川べりの雑木を切り、すっきりと明るい川になりました。
子どもたちが川に下りて、水遊びできる環境になり、ユウト君は竹筒で沢の水を汲んで飲もうとしています。
棚田の土手を転がって遊ぶソウキ君、ササの切り株が痛いだろうにとの心配をよそにコロコロ回転。
一緒に歩いていたユウト君が突然走りだし、枝下ろしをした杉の木をすいすい上ってVサイン。
棚田の上のほうから里地の方向を見た里山整備後の景色。
棚田中段から山奥を見た里山整備後の景色。
整備された里地・里山で、今後、子どもたちはどんな遊びを創作・演出してくれるでしょうか?
昨年は、林野庁の森林づくり国民運動に応募し、採択された助成金で母屋周辺の約2haの里地・里山整備を行いました。今年は、あの東日本大震災で綾里地区も大きな被害に遭いました。その中で、多くの方々から「つむぎの家」にもお見舞金をいただきました。この見舞金を、「生き物で賑わう里山づくりと、次代を担う子供たちが、自然に触れ合いながら冒険遊びができる環境」の場を整えるための活動資金として活用させていただきました。
本来ならばご支援いただいた皆様一人ひとりに、お礼とご報告を差し上げなければなりませんが、本ブログ上でその一部を報告させていただきました。
震災後10か月が経過しようとしています。地域では復興に向けて、ゆっくりではありますが歩んでいます。「つむぎの家」でも、次世代を担う子どもたちのために、ささやかですが自然と触れ合う環境づくりに努めてきています。ブログ上でのご報告で失礼しますが、多くの方々のご支援に心より御礼申し上げますとともに、来年は良い年になりますようお祈り申し上げます。