8日間あった我が家のバイラム休暇もあっという間に最終日となりました。3泊4日のバイラム旅行、お天気にも恵まれて気持ちのいい旅ができました。
バイラム1日目ははっきりしない天気でしたが、翌17日の朝イズミル湾に大きな虹がくっきりとかかりました。
アリアノイがある村から眺める別の村。
今回の旅はマルマラ地方のチャナッカレ方面。まずベルガマ遺跡の近くにあり、近くダムの底に沈んでしまうと言われているALLIANOI(アリアノイ)と言う遺跡を夫が見たいというので寄り道をしました。まだイズミル県ですがとんでもない山の中。見当をつけて進んだ道は通行禁止になっていました。村人に聞くと「かまわないで行け行け」と言うのでふさがれた道の横から入ってみました。
それらしき村に既に住む人はいず、何の為か重機が何台かありました。古い石橋や遺構の様なものがわずかに確認できましたが、その辺一帯立ち入り禁止の標識。アリアノイの歴史は青銅器時代までさかのぼるようですがヘレニズム時代には既に温泉センターとしての役割を担っていたようです。ローマ時代の橋や道路など様々な公共事業の跡が見られるそうです。
上のすばらしいニンフ像もアリアノイから発見されました。現在はベルガマ博物館で見ることができるそうです。
アリアノイの遺跡は現代の公共事業という名の下に、砂がかけられダムの底に沈もうとしています。現在また埋没を差し止める為の何度目かの訴訟が起されているようですが、周辺の村もまったく空っぽになっておりまだ望みはあるのでしょうか。
村を後にして一路トロイへ。通り道の北エーゲ地方はオリーブ産業が盛んで、この時期オリーブの木にはたわわにオリーブの実がなり収穫作業、そしてオリーブオイル搾油のシーズン真最中です。途中KUCUKKUYU(クチュククユ)と言う町を通ったのですが、そこにある先日の「オリーブ・オリーブオイル商談会」で同席したあるメーカーさんが持っている「オリーブ博物館」に寄ってみました。
オリーブについて勉強した後だったので、昔使われていた圧搾機や濾過機などとても興味深く拝見。石鹸を作る窯や昔の商標など古い道具は温かみがあってどれも素敵でした。
そしてこの日の最終目的地TRUVA(トゥルワ=トロイ)。「トゥルワ(トロイ) は、プリアム王、ヘクトル、パリス、そして美しいヘレンの登場するホメロスの物語で有名です。考古学者らにより、9つの異なる時代の集落と、城壁や家屋の基礎、寺院や劇場が発掘されました。伝説のトロイ戦争を記念して、トロイの木馬が立てられています。」(トルコ共和国観光ガイドより)
20年前に初めて訪れた時はあまりにも漠然とした遺跡に「兵どもの夢のあと」と言う言葉がイメージされただけでした。今回は当時に比べてずいぶん整備されていたり、その後多少なりともトルコを巡る歴史を知ったせいもあってか9層からなる壮大な歴史の変遷を少し感じることができたような気がしました。
エフェスやパムッカレの様に観光客が殺到する場所ではないせいもあって来る人々が静かに歴史を楽しんでいます。でもやっぱり一番人気はトロイの木馬。昔は何もないところにぽつんと馬が立っていましたが、今はすっかり観光地の顔に。そういった意味では20年前のトロイの遺跡の方がシュリーマンの夢をかきたてたように、自由に歴史を旅するにはふさわしかったのかもしれません。
トロイの遺跡にいたリス。
☆現在のイズミル☆