イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

YouTube

2007-03-08 08:59:41 | Weblog
YouTubeご存知ですよね。Wikipediaによると「YouTube(ユーチューブ)はアメリカ合衆国にある企業で、インターネットで動画共用サービスをおこなっている。」とあります。世界中の人が個人で写したビデオなどを公開しそれを世界中の人が共有できる使いようによっては素晴らしいサービスです。私も日本のCMや気に入った歌、そしてかわいい動物のビデオ、コミカルな映像等を暇な時に楽しむことがあります。昨日たまたまYouTubeを見ていた時にメインページに「今日最もアクセスの多かった映像」の一つとしてアタトュルク(トルコ共和国の初代大統領、トルコを亡国の危機から救ったとして今でもトルコ人のヒーローとして尊敬されています)の写真が掲載されていたのですが、私は特に開くこともせず他の映像を楽しんでいました。

今日YouTubeのアドレスwww.youtube.comを開こうとするとこのような表示が現れました。



「このサイトへのアクセスは裁判所の決定により禁止されました。」とあります。

トルコは国としてトルコからYouTubeへアクセスすることを禁じたのです。今の時代、どこの国でこんなことがなされるのでしょう。インターネットのニュース等を見る限りことの事実を報道するのみで、国がインターネットを規制するということに対しての反発や反論は見られません。

昨日のアタトュルクは3月3日にギリシャの狂信者の名前と見られるユーザーネームを使った何者かがアタトュルクが恥ずべき何事かを言っている33秒間の映像を公開したものだったそうです。これに対し24時間で12,000件のアクセスがありトルコ国民を侮辱したとしてYouTubeへ大変な数の抗議があったそう。事の発端はギリシャのパイロットがトルコの戦闘機が墜落すると言うビデオを公開、それに対して今度はトルコからギリシャをホモセクシャル、バイセクシュアルなどと表現しているビデオを公開と、元から仲が決していいとは言えない、トルコ・ギリシャ間のインターネット上での罵り合いがエスカレートした末のことだったようです。

もちろんトルコで生活する者として、トルコが好きな一人としてアタトュルクやトルコを侮辱されることは面白くありません。でも所詮は他愛ない原因の子供の喧嘩、そこへ国が出てきてアクセスを禁止することは普通のことでしょうか?それにアクセスがいくら禁止されても夫の様のPCオタク(古い?)はさっさと抜け道を見つけてアクセスしているのです。いくら隠したって見たい人は見るだろうし、根本的な問題の解決には少しもなっていないのではないでしょうか。トルコとギリシャ、どっちもどっち、でももちろんアタトュルクを侮辱されたことに対して国として正式に抗議をし、YouTubeにそのビデオの公開を差し止めることを請求すれば済むことだったのではないでしょうか。

この「裁判所決定により」という文字を見た時は目を疑いました。何だか情けなくなりました。皆さんはどうお思いですか。

アナドルアジャンスによる夕方のニュースによるとこのアクセス禁止決定はアタトュルクへの侮辱が含まれる映像がYouTubeから削除された場合に廃止されるとなっており、既に映像は削除されているようですが今この文章を書いている時点では普通の方法ではYouTubeへはアクセスができない状態です。






今日の夕方、イズミル港から出航していく豪華客船の明かり。ギリシャの島巡りかなあ。
トルコとギリシャの間にはこんなに美しい海があります。