イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

ANNEANNE(アナアンネ=おばあちゃん)

2006-05-22 06:15:58 | イズミル暮らし・イズミル案内
 今年初めて今日食べた桑の実とスイカ

アンネ(義母)のお母さん、アナアンネは96歳。アルツハイマーで寝たきりではあるけれど、とっても元気。若い頃から美容や食べ物には特に気を使っていたそうで今でも肌は雪のように白くてシミもありません。今はアンネが一緒に住んで面倒を見ています。でもアナアンネはアンネの妹=テイゼ(叔母さん)のビルテン(姪っ子のビルテンと同じ名前)が大好き。24時間「ビルテン(テイゼの名前)はどこ?」「ビルテンは来るのか?」と言い続けています。面倒を見ているのはアンネなのに「サーデット、サーデット(アンネの名前)」と呼びつけておいて「ビルテンはどこ?」と言われるのでちょっと悲しい。「今2階で寝ているから起きたら来るよ」「ちょっとそこまで買物に行ってるからすぐに来るよ」と答えています。

 夫に悩みを打ち明けるアナアンネ

先日は「ビルテンもサーデットも行ってしまった、私は1人っきりだ、もうずっとお昼ご飯も食べていない」と夫に悩みを打ち明けているので夫が「じゃあアナアンネのこと誰が面倒見てるの?」と聞くと「台所にいる女だよ」。台所にいたのはアンネ。アンネも浮かばれません。24時間体制でビルテンのことと「髪を洗って」だけを言い続けています。でもたまに調子がいいと、夫のこと及びその嫁の私のこともわかる時があって、そんな時はキス攻め。そしてアンネに「子供たちにお金をやってくれ」と言います。


誰かが横に寝てくれることが大好き。眠ってしまった小さいビルテン、子供を起こすまいと固まっているアナアンネ。

私がアナアンネに初めて会ったのは既にアルツハイマーの症状が出てからなので名前をどうしても覚えてもらえませんでした。でもその当時はまだ調子のいい時が今よりは多かったので二人だけでいると「結婚してもたくさん旅行するんだよ」「ハジ(メッカ巡礼)へ行きなさい」「子供なんか作るんじゃない。どんどん出歩きなさい。」と言ってくれることもありました。最近はそんな会話はなく「ビルテン」オンリー。
私ももう名前を覚えてもらうことは諦めて「あんたは誰?」と聞かれると「隣人だよ」とか「アイシェだよ」とか「サーデットの息子の嫁だよ」とか言っていたのですが、今日は少し調子がよくて珍しく夫のことを「メフメエエエット」と呼んでいました。でも聞くことは「ビルテンはどこ?」。そして「お前はここにいるんだね」(一人になることをものすごく恐れています)。そこで夫が「ここにいるよ」「彼女も(私のこと)ここにいるよ」と言うと、「名前はなんだ?」と聞くので「yukacanだよ」と答えました。すると「yukacanー、yukacanー、メレイムー(私の天使)」と3年間で初めて名前を繰り返してくれたのです。感動して「名前覚えてくれたのー?」とほっぺたにぶちゅぶちゅキスをするとアナアンネもぶっちゅぶちゅにキスしてくれて「名前知ってたんだけど今まで思い出せなかったんだよ」と言うのです。そしてなぜか笑いのつぼにはまったらしく歯のない口を開けてけらけら笑っていました。その後で「お前のアンネはどこにいるんだ?」と聞くので「サーデットと一緒にパザルへ行ったよ」と言うと安心したように「そうか」と言っていました。
その後は再びビルテンコールが始りましたが、今日は私にとってものすごく嬉しい記念すべき一日になりました。



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