HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

お洒落さん。

2019年07月13日 | 結婚生活
長女が生まれて、ワタシの実祖母も大変喜んでくれた。
実祖母は、家業で忙しい両親に代わって、日々世話をしてくれた人だ。
人を悪く言うこともせず、ただただ穏やかに過ごす人だった。
謙虚で、賢く、人も自分も貶めることをしなかった。
ワタシが今までの人生の中で、最も尊敬する人だ。

実祖母は、何かにつけて長女に贈り物をしてくれた。
洗い替えが必要だろうと、下着や洋服を送ってくれた。

ワタシの育った地域は、片田舎で、今ほど情報がなかった時代だから
ワタシ以上に実祖母は、ブランドというものには疎く、
ただただ、ワタシが不便な思いをせずに済むように
長女が窮屈な思いをしないようにと、心配りをしてくれたのだった。

そんな荷物を見て、夫が言った。

「ねぇ、こんな服、うちの子に着せられないんだけど!
 おばあさんに、もう送ってくるなって言ってくれる?」


この言葉には、怒りを通り越して傷ついた。

『なぜ、そんなこと言うの?』
そういうのが精いっぱいのワタシに

「え?こんなどこのものかわからないような服。
 うちの子に着せる服はね、ファミリアとか百貨店ブランドとかだよ(苦笑)」


理解できなかった。
平気で、人の気持ちを踏みにじるのか。

正直、ワタシもずっと部活動だけをやってきて、都会に出てきた田舎者だ。
ブランドなどには疎く、知った場合であっても、買う資金すらなかったような人間だ。
だから、その頃はブランドがどんなものであるかすら、理解していなかった。

余計に、夫の言っていることが理解不能だった。

実祖母にどう伝えようかと、悩んだ。
でも、どういう言い方をしても、うまく伝わらない気がした。
だから、正直に言った。
「本当に、申し訳ない。気持ちは有難いから、ワタシは受け取りたい。
 でも、夫がもうしなくていいと言ってるから、もう送ってこなくていいよ」

案の定、実祖母は理由を聞きたがった。
「言いにくいんだけど、ワタシも理解に苦しむんだけど
 センスのいいブランドじゃないと着せられない、って言うの・・・」

今思えば、受け取って着せなければ、双方とも角が立たなかったかな、と思う。
でも、無駄なお金を遣わせるようで、ワタシは嫌だった。

電話の向こうで実祖母は
「そうか。Youにつらい思いをさせるね。わかったよ。でも、私もしてやりたいからさせてね」
涙声でそう言った。
それからは、「ブランド」と名の付く洋服を送ってきてくれた。

この時ほど、夫が非情な人間であると感じたことはなかった。
ひとつ、融けないしこりができた。


後に帰省した時、夫の好む服を着た長女を見て、実祖母が言った。

「やっぱり、●●(夫)さんやね。似合う服を着せてるわ。」
その言葉に、改めて実祖母の大きさを感じたのだった。
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