HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

過去回想。

2013年11月07日 |  身近なひと
嫁ぎ先の祖母は97歳になった。
私が嫁いだ20年あまり前、まだ祖母はパリッと元気で
仕事をこなしていた。
当時でも歳は取っていたけれど、微塵も感じさせないくらいの、パワーがあった。

祖母は怖かった。

そんな人だったから、甘えることも出来ず、
実祖母とのあまりのギャップに、世界の広さを知った(苦笑)

甘えることが出来なかったのは、頑なに忙しさを表し続けることと、
甘えたあとに必ず言われる嫌味の数々だった。
人との関わりかたが下手なのかな、と思っていた。
しかし、夫からはもっと頼るように言われたりしたため、ワタシは戸惑った。
嫌味が嫌で、頼れなかった。

そんな祖母がおかしな事を言い始めたのが、約8年前。
祖母の言うことは絶対なので、従っていた。
しかし、親戚を巻き込んで、親戚との関係が悪化した。
認知症に気付いたのは、その時だった。

その頃、ワタシが祖母のお世話や話し相手をしていたのだが
ある日言われた。

「あんたになに一つ教えてやらんかったやろ。
何でかって言うと〇〇(夫)があんたと結婚するとき
"僕の嫁さんやからおばあちゃんは口出ししないで"
って言いよったんや。だから腹いせになに一つ教えてやらなんだ(笑)」

………………そうだったのか。
だから、教えてと言っても、流されたんだ。
どんなにお願いしても下手に出ても、してくれなかったのか。

夫は祖母の性格を心得ているから、絶対同居は駄目だと言っていた。
前もっての伏線が、悪く作用した、というわけか。

しかし、年がいき、物忘れが激しくなっていく祖母を見ていると
不思議と腹立たしさは消えていった。
あと残り少ない人生に、悪いことなど考えたくないし、したくない。

ただワタシは今、淡々と話に付き合っている。
例えそれが、ずっとおなじ話だったとしても。
一生懸命に生きてきた人生を、気持ちよく終わらせるのが家族の務めだと思っているから。
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