夜行観覧車 | |
クリエーター情報なし | |
双葉社 |
向かいの家で起こった殺人事件から、ほんの2~3日間の、
隣近所の人たちの心を、本人の視点から綴ったお話。
キーワードは”(高級住宅街)ひばりが丘”
その場に昔から住み続けて、ネームブランドを重視する住人。
なんの不自由もなく素敵なおうちに住む’下界と関係を断っているような’主婦。
”ひばりが丘に住むこと”に憧れ、夢を果たした主婦。
そんな3つの家庭のそれぞれの家族一人一人が、殺人事件を通して気持ちを吐露し
最終的にはぶつかり合い、それぞれの結末を探すお話。
最初は、淡々とした描写に近い心情だけだった。
後半からは読み進めるのが楽しくなるほど、人物同士が近付いてくる。
湊かなえの独特の描き方。
憧れだけを叶えてしまうことの危うさ、トータルバランスで考えることの大切さを感じた。
面白かった。
☆☆☆☆