使命と魂のリミット | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
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主人公の夕紀は、心臓外科の研修医。
彼女が中学生のころ、父親の心臓に不具合が見つかり、今の指導医が執刀した。
父親は術中死。
その手術の直前、ある喫茶店で自分の母親とその執刀医(現指導医)が話しているのを見てしまう。
その後、母親と執刀医が交際を始める。
夕紀が医師を目指した本当の理由は、術中死した父親の死の真相を知るためだった。
その夕紀の勤務する病院に、一通の脅迫状が届く。
犯人の目的がつかめないまま、嫌がらせが続く。
内部とつながりのある人間なのか。
それとも内部だけの問題なのか。
刑事が捜査を進めるうち、夕紀の父親と指導医との関係が見えてくる。
果たして、犯人の目的は何なのか。
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東野圭吾の話とあって、テンポがよく、読み進めたくなる物語だ。
【使命】というのは、人の命に関係する職業なら、絶対についてくるものだろう。
互いの使命を忠実に守ったことが、どれだけ相対する立場の人間に理解してもらえるか。
そういった事件を絡めつつ、今、起きている事件と人間関係を解いていく。
面白かった!
医療の物語というより、人間関係のほうが濃い。
自分の身をもって【使命】を果たした指導医がカッコいい!
そして、その指導医が倒れたときの、夕紀の台詞がカッコいい!!
すべてを受け入れ、すべてを認めたからこそ出る、台詞だ。
星:☆☆☆☆☆