HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

認知症の実害。

2011年06月23日 |  思いのまま
今朝、ごみ出しの後、長期で留守にしているお隣の植木鉢に水遣りをしていたときのこと。
近所のおばちゃんが、すっと寄って来た。

「みずやりしてるのん?ここの人、今いないからね」
と言って、うちのはす向かいのお宅を指差した。(長期留守のお隣とは別)
はす向かいには、1年ほど前にご主人を亡くされたおばさんが一人で住んでいる。
ワタシが嫁いできてから、ずっと顔見知りの人だ。
ワタシ同様、お隣の植木に水をあげていたのだ。

次の言葉は

「グループホームに入ったんよ。もぅ、ボケてボケて!」

その近所のおばちゃんと、おばさんは仲良しだった。

それから、堰を切ったように、近所のおばちゃんははす向かいのおばさんのボケ具合を
こんこんと話し始めた。

・亡くなる前のご主人が「ちょっとボケてきてるけどよろしく」と言った
・ご主人が亡くなったとき、夜中の1時に連絡してきた
・よその人に「(近所のおばちゃんに)蹴られて、怪我をした」とサロンパスを貼った自分の足を見せた。
・気づいたら、泥棒が入っていたと言う。
・一日に7回も、その近所のおばちゃんちに来ては「これちょうだい」と言ってものをほしがった
・近所のおばちゃんが通りかかったら、家から出てきて「おい!お前のせいで夜寝れんのじゃ!」って怒鳴った
などなど。

聞いていて、うちのば~ちゃんと同じだ、と思った。
ワタシもうすうすは、気付いていた。
ちょっとだけ遅れる反応。
少し外れる目線。
でも、疑うには会話が少なく、はっきりとしなかった。

近所のおばちゃんは、よほどしんどかったのだろう。
ノートに日付と時間、言動を、事細かくメモしていたということだ。
そして、あまりの精神的苦痛に、病院までかかったらしい。
そういったことでちょくちょく娘さんと連絡を取るようになり、
娘さんが、グループホームへ入れたということらしかった。

もちろん、うちのば~ちゃん同様、自分では認知症だと認めてはおらず
入所するときは、すったもんだしたそうだ。

こういうまだらボケが一番、ややこしいのだ。

うちのば~ちゃんも、おかしいと確信するまで時間がかかった。
そのせいで、辛うじて細く繋がっていた親戚関係さえ、切ってしまう羽目になった。
自分自身の欲に勝つことが出来ず、周りのことが見えなくなって
まともな時にそれが見えたときにはどうすることも出来ず、ただ自分と周りに言い訳をするといった事が増えていった。
そういった自分自身を受け入れるまで、周りは振り回され、疲れていったのだ。

はす向かいのおばさんは、近くに娘や身内がいなかった。
認知症は、一番身近な人に対しての攻撃が強く出る。
だから、近所のおばちゃんに対しての攻撃が強く出たようだった。
以前、ワタシも、ば~ちゃんにそうとう悪口を言われていたそうだが、
ワタシにも、娘その他の悪口を言っていたので、おおよその予想は付いていたし(苦笑)
そんなこと、いちいち人に報告する身内もどうかと思ったけど。
勉強すれば、ちゃんと理解できるのに(笑)

しかし、身内ならまだしも、赤の他人だからわだかまりは残るだろう。
だから、近所のおばちゃんの口調も、あんなに激しいものだったのだろう。

【遠くの親戚より近くの他人】とはいうけれど、こればっかりは当てはまらない。
亡くなる前にご主人が頼んだということだったけど、どういう言い方だったかはわからないが
それは違うと思う。

要介護認定に関して、腑に落ちないことが前にあった。
その、人に対する攻撃に関して、どう査定するか、ということ。
それは基準が【実害があるか、ないか】だそうだ。
他人に言い回って、特定の人が不利益をこうむれば、実害となり査定される。
けれど、他人との接触がなく、身内内で留まっているようならば、査定されない。
うちのば~ちゃんは、実害がないということで、されなかった。

ふふ、夫の身内は、平気でワタシのこと「他人だから」って言うのにね(笑)
コメント
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