オグリキャップ記念シリーズと称された28日までの開催となった笠松競馬場には大勢の競馬ライター、関係者ばかりか、「なでしこ」や「大黒社」を取材するべく、いろいろなマスコミ関係者が訪れた。
その週だけでもTBS、朝日放送ら数社が取材に来るといった様相。
毎年「廃止」の話がうわさされる競馬場である一方、「田舎の競馬場」でありながらも名馬・名手を輩出し続けてきた名門競馬場であり、しかもあのオグリキャップの冠が入ったレースが開催されることに加え、唯一の女性予想屋がいる競馬場だからな。確かにマスコミにとってみれば、ネタだらけの競馬場といえるんだろうね。
昨日、浦和のレースを予想し終わった大黒社と名古屋まで名鉄で一緒に帰ることになり、その後も名鉄百貨店で食事したりしていろいろと話していたんだが、笠松という競馬場は、こと予想屋に関しては、大黒社の他、若いにいちゃんがやっているところもあるし、おまけになでしこがいたりして、珍しく「若返り」が進んでいる競馬場でもある。したがって大黒社も、自分らがいる限り、笠松の予想屋については「安泰」というように言ってたな。
さらにいえば、客の寄り付きに関して言えば、大黒社がおそらく一番多く、ついで若いにいちゃんのところだと思う。なでしこはまだまだ寄り付きが少ない。
これが他の場ならば、かなり年配の予想屋ばかり。
もっとも、私が予想屋を利用するのは笠松の2つと園田の「元祖」大黒社ぐらい。あと予想屋ではないが、一宮競輪の寺澤さんや吉田さんの話も結構面白い。しかも一宮は「タダ」だしね。
その他は「寄り付きがたい」んでめったに利用しない。
なぜ寄り付きがたいかというと、やり方が「昔のまんま」だから。
たとえば大黒社が大井のとある有名予想屋の話をよくするんだが、わずか残り3レースぐらいしかないというのに、「通し予想」で1000円きっちり「取る」という話を持ち出してきて、
「あれでよく売れるなぁ。」
といつも言っていた。もちろん、私だってたった3レースのために1000円出そうとは思わないね。
ところがその大井の予想屋というのは、「独自の指数」なるものを通し予想に組み込んでいるんでそれだけでも価値があるからという理由から「下げない」んだという。
一方、「両」大黒社やなでしこはレース数が少なくなるときっちり値段を下げているよ。
園田の大黒社の通し予想でも、
「はい、このレースからは300円です(通常は600円)。」
といって利用していたことが結構あった。
指数といえば、昔は「高本式」とかいうようなものがあったし、今でも競馬予想会社が、
「独自の取材をもとに独自の指数」
とかいってン万円取るところもあるけど、結局、指数なんてものは、やろうと思えば誰だって「できる」んだって。
私が発行している「公営競技はどこへ行く 年間王者決定戦」(まぐまぐ、メルマ)なるものも一種の「指数」みたいなもの。競馬だったらJRAの全重賞と地方競馬の統一グレードレースを対象にポイント化させているけど、こちらは「タダ」で情報提供している。ま、宣伝ではないけど。
結局予想屋をなぜ利用するのか?私は大黒社にこういったんだが。
「ま、予想なんて外れることのほうが多いのは当たり前だし、最終的には買う客が決めて買うわけだが、なぜ利用するかというと、私ら「素人」ではわからないねらい目をきっちり押さえているから。
「両」大黒社を買うのはそのため。なでしこもそこそこできている。それに予想紙をうまく組み合わせていって、最後は自分で決断すれば案外損する度合いは低いから。」
それは案外、他の客も同じ事を考えているんではないだろうか。必ずしも指数とかどうとかで客は判断しているんではないと思う。
これが競輪だったら、私は「ダービー」の予想をほとんど頼りにしてしまうが、こちらは本線だけでなく、しっかりと「裏線」まで押さえた予想をしているから。こうした予想のやり方は「研究」も同じ。だから近畿(福井は除く)の競輪場では大方7割方の客は研究かダービーを持っているんだと思う。これが関東の「赤競」とか「おなじみ」コンドルの場合だと、本線「しか」予想がないため不安で仕方ないんだよな。
また、大黒社は、
「当たりもしてないのに
「大当たり!」
とかいう同業の連中がいまだいる。」
といつも言っているけど、常連の客ならば、それは誰だかわかるというもの。
ま、予想屋もちゃんと客の動向、考え方を把握できているところはちゃんと客が来るものなんだって。私はまずできないね。そうした「見方」ってのはできないから。
ま、熊本のあのお方が、
「私が印をつけた選手が不可解にも吹っ飛ぶのは許せません!」
といつも決まって吼えているように感じているけど、客は案外そう思っていない。ギャンブルだから、そういうケースは往々にして起こりうるもの。本線ばっかり来たんでは、ギャンブルとして成り立たないだろ。