公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

皐月賞回顧

2006-04-16 18:51:26 | 大レース回顧集

昨年のディープインパクトのような抜きん出ているような馬がいない反面、有力馬が多く混戦ムードが予想された今年の皐月賞

重賞3勝と実績では文句なしの15・アドマイヤムーンが1番人気。重賞初挑戦ながらも4戦全勝でこの皐月賞に挑んできた6・フサイチジャンクが2番人気であったが、ともにこの皐月賞前までは武豊が主戦で、武豊は実績のあるアドマイヤムーンを選択。フサイチジャンクは岩田康誠に乗り替わった。3番人気は昨年の2歳王者、1・フサイチリシャール。以下、4・サクラメガワンダー、16・ジャリスコライト、5・メイショウサムソンの人気順。

3・ナイアガラがまず前に出るが、11・ステキシンスケクンがナイアガラを交わして思い切ってハナを奪い、フサイチリシャールが2番手。メイショウサムソンが5番手ぐらいの位置。その後ろの集団にジャリスコライト、中団の位置に2・ドリームパスポート。ジャンクとムーンは後方から4~5番手の競馬。さらにその後ろにサクラ。

3~4角にかけて逃げいたステキシンスケクンをリシャールが交わして早くも先頭。これをメイショウサムソンが追う形で直線へ。一方、アドマイヤムーンはその3~4角あたりで武豊の手が動き、少々ピンチの様相。

坂の手前でやや一杯になり加減のリシャールを、サムソンが交わして先頭。しかしインを突いてドリームパスポートが伸びてきて、さらに漸く人気どころのムーン、ジャンクが追いすがってくるも、メイショウサムソンが押し切って優勝。石橋守騎手はデビュー22年目で涙のG1初制覇。2着にドリームパスポート。

人気となったフサイチジャンクは3着、アドマイヤムーンは4着、フサイチリシャールは5着となった。

前走のスプリングステークスでは、一旦はドリームパスポートに交わされながらも執念の差し返しを見せてほとんど「奇跡的な」逆転勝利を収めたメイショウサムソン。

その勝負根性に加え、4勝の実績があることから穴人気にはなっていたが、どちらかというと弥生賞出走組のほうが高い評価をされ、さらに「黄金の馬」と形容されていたフサイチジャンクの話題性が強く、地味な印象しか与えていなかった。

今回は、前が思い切って行ってくれたことも幸いした格好だが、逆にそうなった場合にはスプリングステークスで見せたような勝負根性が発揮しやすい馬なのかもしれない。フサイチリシャールが先頭に立ったときに、そのリシャールを目標に競馬を進め、そのまま押し切った。ジョッキーの好判断も光った。

鞍上の石橋守騎手は関西ではすっかりベテランの域に達しているジョッキーだが、これまでG1では90年・エリザベス女王杯でトウショウアイに騎乗して1番人気になった以外はほとんど人気馬に乗って騎乗することがなく、そのエリザベス女王杯でも直線半ばで先頭に立ちながらもキョウエイタップの末脚に屈して2着に終わっていた。その他にG1では、97年のオークスでナナヨーウイングに騎乗して2着がある程度だった。

一方でダート統一グレード制実施前にダートの王者として君臨したライブリマウントの主戦騎手でもあり、そのライブリマウントでダート交流重賞6連勝を果たした他、96年の第一回ドバイワールドカップにそのライブリマウントで騎乗している(6着)。

レースが終わった後、石橋騎手は感涙にむせび、涙をこらえるのがやっとという思いでインタビューを受けていた。馬の勝利も立派だが、今回は「守コール」がファンの口から出るなど騎手への賞賛の声も高かった一戦となった。

また、瀬戸口勉調教師は来年定年を迎え、これが最後の皐月賞チャレンジとなったが、2003年のネオユニヴァース以来2度目の同レース制覇を見事「最後の皐月賞」で射止めた。

メイショウサムソンについては、父・オペラハウスの血統からいっても距離が伸びても十分対応できる馬であり、とりわけ、追い較べになった際にはかなりの勝負根性を発揮するものと思われる。十分、日本ダービーでも期待できよう。

ドリームパスポートも鋭い伸び脚を見せたが、惜しくも届かず2着だった。

きさらぎ賞ではメイショウサムソンを一蹴し、スプリングステークスでも一旦はサムソンに勝ちかけていたが、逆にスプリングステークスでは勝てるレースを落としたという評価がされて人気を落としていた。しかしながら、ここ3戦ほどは常にサムソンと1・2着を争う競馬を行っており、いい意味でのライバル心が宿っているんであろう。

さて人気となったアドマイヤムーン、フサイチジャンクだが、初手からお互い同じようなポジション関係であり、やや意識しすぎたのかもしれない。そしてフサイチリシャールが早めに先頭に立ったことも結果としては誤算が生じたのかもしれない。

とりわけムーンは3~4角でやや手一杯となり、直線は流れ込むのが精一杯といった感じ。今後もちょっと気になるところ。またジャンクは重賞、しかもG1初挑戦となったキャリアの浅さが露呈した感じで力をほとんど出し切れていない印象がした。

コメント (6)
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中山グランドジャンプ2006回顧

2006-04-16 11:20:17 | 大レース回顧集

今年で8回目を迎えた国際障害競走、中山グランドジャンプ


1番人気は障害重賞3連覇中のテイエムドラゴン、2番人気は昨年の同レース覇者、オーストラリアのカラジ。この2頭が他を大きく人気を引き離した。


レースはまず15・バルトフォンテンが先頭、これに9・フォンテラが続き、1・ローレルデフィーが3番手。テイエムドラゴンは5番手あたり。カラジは初手は後方からの競馬。


最初の難関、大竹柵障害を前にバルトフォンテンが競走を中止。フォンテラが替わって先頭に立つ。また、カラジが一気に大竹柵前に上昇。4番手あたりに順位を上げる。大竹柵障害はバルトフォンテンを除いて全馬無事飛越。逆回りコースに入った時点で13・メジロオーモンドが交わして先頭に立つ。カラジは4番手、テイエムドラゴンがその後ろ5番手。7・テレジェニックは中団。11・メルシーエイタイムは後方から4番手ぐらいだった。


続く難関、大いけ垣障害もここで落馬する馬おらず無事飛越。順位もほとんど変わらない状態が続いたが、2周目の向正面で馬順が替わり、外からカラジが一気脚を伸ばし、持ったままで4角で早くも先頭。一方、テイエムドラゴンは手が入る状況となって一瞬苦しい競馬となった。


直線に入ってからはこの2頭のマッチレースの様相。最終置き障害を通過してテイエムが一気にカラジを追いつめ、最後はきわどい勝負となったが、わずかにカラジが抑えて連覇。クビ差でテイエムドラゴンだった。


終始落ち着いたレース運びで中山グランドジャンプ連覇を果たしたカラジ。


昨年の中山グランドジャンプを制し、オーストラリアに帰国した後は平地レースばかり走り、いわば今年のこのレースを照準に障害レースを封印してきた様相も見受けられる。


オーストラリアの「AAP and Racing and Sports 」にカラジ勝利の話が掲載されている。


http://www.aapracingandsports.com.au/cms/cmspopnews.asp?NID=83178


その中に、「また来年も同レースを目指す。」と記している記述がある。


中山の大障害コースも実に馬に合っているというし、ほとんど完璧なレース運びで勝った。テイエムドラゴンの動きを終始見ながら、勝負どころとなった3~4角で一気に勝負をかけたが、この動きが大きくモノを言ってテイエムは最後クビ差とどかなかった。


恐らく今後も来年の同レースを照準にムリをしないローテーションで進めていくと思われる。


テイエムドラゴンは3~4角でカラジに置かれそうになって一時はこのまま後退していくのではないかとさえ思われたが、直線に入って猛追し、最後はクビ差まで追いつめた。


しかし、カラジのほうが一枚上手だった。最後はレースキャリアの差がわずかに出たということだろう。但しまだ4歳馬の身であるし、恐らく今後も国内では無敵のジャンプホースとして君臨していくことだろうし、来年こそはこのレースをモノにしたいという意欲が今から沸いてきているのではないだろうか。


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♪さくら~、さくら~♪

2006-04-16 04:56:29 | その他

14日にびわこ競輪場、15日に阪神競馬場へと行ったけど、今年は関西地方はこの時期でも桜健在。

7日、東京の千鳥が淵に行った際にはほとんど散り初めの状態だったけど、逆に関西では「見ごろ」。しかもその状態がほとんど今も続いている。

確かに4月ももう中ごろを過ぎようかというのに、温度もそんなに上がっていない日が続いているせいか、雨が降りつづいてもなかなか完全には散らない今年。

ということは関西ではあと数日は桜が拝めるかも。


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やる意味あるのか?

2006-04-16 03:53:35 | 競輪

競輪。

今行われているボルドーの世界選手権だけど、競輪選手が出場した種目は目を覆わんばかりの体たらくぶり。ま、1KmTTに急遽出場が決まった井上昌己が8位に入ったことがせめてもの救いという程度。

「何を考えているんでしょう!」

「一体何のために競輪を年中やっているんでしょう!」

「競輪をやってる人間にしか興味が持たれないようでは、競輪に未来はないでしょう!」

とT社長風に?言ってみたけど、別に選手やマスコミ、はたまた「ファン」が、

「競輪とケイリンは違うんです!」

って言ってもいいんだぜ。

しかし、それはこういった国際大会できっちり成績を残しての話。

競輪とケイリンは違う、外人に「競輪」をやってもらわねば本当の強さなんて分からない、なんていう声が「戯言」にしか聞こえないが。

それにしても、今や「競輪」やってたら国際大会ではどうしようもなく「ダメ」なのかね?だったらやめたほうがマシかもしれないぞ。

ほとんど日本でしか行われていないものを除き、今やどのスポーツを見ても、

「世界と伍して戦う」

というのがその「業界」の合言葉みたいになっている。いやスポーツだけではなくて、碁の世界なんかもそうだろ。

ところが競輪だけはその流れに「逆行」しているという他ない。 

とりわけ短距離のメイン種目であるスプリント、ケイリンはここ十年来「歯が立たない」状況に陥っている。

まず、基礎からして、競輪選手は「できていない」と言わざるを得ない。

いや、基礎は競輪学校で学んでいるはずだが、学校を出るとすっかり「忘れている」のかもしれないね。もっともその競輪学校でも問題がありそう。

この間、91期卒業記念レースを見てきたが、主導権を握った選手というのはことごとく潰れていき、道中流れを見ていた選手ばかり勝っていた。これでは「逃げて勝とう」という考えの生徒はまず出て来ないだろうね。

それ以前に、卒業記念レースっていまだ400Mトラックで行われている。どうして333があるのにそこでしないんだろう?

ま、競輪選手の連中がいつもやっている、一番スピードの乗りが悪い直線部分でスパートするというレースはほとんどしていないにせよ、1・2センターで踏み込むという走りが往々にしてできていない。

さらに、卒業記念レースで大半の生徒が使用していたギアは大体3.50。中には3.36とかいう非常に軽いギアを使っている生徒もいた。ところが。

なぜか競輪選手になると3.57程度に「上がる」のはともかく、3.6とか3.7とかだんだん大きくなっていくのはなぜなのか?

ギアというのは、軽いところから少しずつ大きく(重く)していくことは可能であっても、その逆というのはかなり「難しい」。

個人追い抜きのように一定のスピードで走り抜けるというんであれば3.6とか3.7あたりのギアは有効に働こう。

しかし競輪って一瞬の踏み出しが勝負になるときのほうがはるかに多いわけで、自転車キャリアが「若い」うちはとにかく軽いギアで回転力を身につけておかねば選手寿命だって縮めかねないように感じるけど。

また、こうしたあたりに、毎日のように頻発している「大量落車」を誘発している要因にも繋がっているのではないのかね?

回転力というのは、ポイントやスクラッチなどといった長距離系種目でも大事。ということは、変速ギアが使えない、固定ギアでレースに挑まねばならないトラックの選手にとって、基本中の基本であろう。

国際大会に出てくる海外の選手は例外なく、回転力という点では桁違い。また、一度巻き返されても、「踏みなおせる」脚を持っているから案外地脚ってのか、それも強い。

対して競輪選手というのは、一回「踏めば」あとが続かない。つまり一回踏みこんで得たスピードをただ維持していくだけの走り。

ま、使用する自転車にも問題があるという見方もできるわけなんだが、最近、いわゆる「バンクレコード」ってのを更新した選手というのはほとんどいないし、悪い意味で昭和30年代あたりの競輪に戻っているかのよう。ただレース形態はその当時とは違うけどね。

「昔の競輪に戻してください!」

ってあの大社長がよく言っているけど、少なくとも今の競輪のスタイルっていうのは形は違えど内容的にはT社長「好み」の「昔の競輪」だろ。先行の番手が絶対有利で、しかも2車はおろか、3車併走なんて「当たり前」のようなレース形態。

少なくとも私が競輪のキャリアをスタートさせた20年ぐらい前のレースとはまるっきり違うといってもいい。だから私から言わせて貰えば、

「20年前に初めて見たような「昔の競輪」に戻してください!」

といいたいね。

ところで国際大会の「ケイリン」って逃げる選手の番手に入った選手はまず勝てないね。逆に外併走していた選手がゴール前突き抜けるっていうケースが少なくない。

ところが「競輪」だと外併走する選手ってのは「競り」だろ。逃げる選手の「番手」を巡っての。

ま、やっているレーススタイルが違うから結果も違うってことなんだろうけど、いつまでたっても昭和30・40年台のようなレース感覚ではダメだろうね。

しかしそれがしみつきすぎて変えられないってことならば一旦、「スクラップ」したほうがいいのではないのかね?

競輪はいよいよ危険水域へ。つまり、

「競輪はもう終わりです!」


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