大量落車Weeklyの「増刊号」といってもいい出来事が23日にあった。
まず高知記念2日目5レース。
7名落車。内1名失格。
http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.KKa1?KCD=74&KBI=20060423&RNO=05
動画はこちら。
mms://wm6.digi-c.com/kishiwada/h060423_05.wmv
このレースは一宮の「寺澤部屋」で見ていたんだが、インで粘った2・岩本和也が7・加藤剛の番手をめぐって1・飯尾主税と競りとなったことが大量落車の複線となった。
最終バックで激しい競りとなるも、飯尾が外から岩本を決め込んで加藤の番手を死守。脚がなくなりながらもなおも抵抗した岩本だが、2センター手前で力尽きて後退しかけたときに、3・北村哲が岩本がなおも抵抗しかけたと思ったんだろうか?なんと岩本に頭突きを食らわせ、岩本を落車させたばかりか自らも落車。しかも後続までも「全て」落車させてしまい、結局まともに「完走」したのはたったの2名だけ。
力尽きた岩本がなかなか下がらないことについて寺澤さんが、
「早く岩本は決着がついたんだから下がらないとダメだ。」
と言われており、私もそう思っておそらくこの大量落車の原因は岩本にあったのではないか?と思ったんだが、岩本が、「残念ながら後退中」の途中にもかかわらず、北村が「なぜか」頭突きを食らわせたことが大量落車の原因となったということについては、岸和田BBのダイジェストを見て初めてわかった。
あそこは頭突きなど食らわせる必要は一切ない。もちろん、北村の失格判定は「妥当」。下手をすると、「悪質失格」ものの許しがたいプレーだ。
そして小田原でも7名大量落車が・・・
小田原4レース。
1名失格、7名落車。
http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=36&KBI=20060423&RNO=04
動画はこちら。
http://www.odawara-live.com/cgi-bin/live/left.cgi?view=today&movie=512k/060423_4r.wmv
このレースは2センター手前付近までは「穏やかな」展開だったのに、3・織茂和彦が1・石橋伸和を「牽制」しに行ったことから「悲劇の始まり」が・・・
織茂が牽制プレーを行って一瞬内が開いたときに2・佐野多喜男と9・能代谷譲に外帯線内に「入られてしまった」わけだが、佐野にもたれかかった能代谷がバランスを崩して最初に落車し、それにつられて佐野も転倒。さらに後続が乗り上げ、合計7名の大量落車を誘発した。結果的に2着になる4・富山健一は「避けきれずに」なんとフェンスにぶつかって落車滑入。大丈夫か?
結局、このレースは織茂が「失格13条の2」
『選手は、内圏線と外帯線の間を走行する選手と並走する場合は、外帯線の内側に入り、又は他の選手を外帯線の内側に入らせてはならない。』
に抵触するとして失格を取られた。ま、織茂が内を開けさえしなければ佐野も能代谷も織茂の内側には入り込めなかったはずだ、というわけだな。
しかしながら、当ブログで毎週大量落車のシーンを紹介しているが、「諸悪の根源」は毎回ほとんど同じである。
現在のルールについては、イエローライン(UCI表記ではブルーバンド)の設置など一部UCIルールの適用を行いつつも、従来競輪で行われている、「競り」「牽制行為」もある程度は認めている。
ルールの形としては私は「いい」とは思うんだが(大半のファン、選手にはいまだ不評)、現行ルールを念頭においていない選手があまりにも多すぎ、また、レースの状況をつかめていない選手もこれまたあまりにも多すぎる。
よく、
「落車したやつが悪い」
という見方がされる場合がある。確かに、急激にバランスを崩して大量落車を誘発しているケースも中にはある。
しかし、大半のものは、レース状況が把握できていないことや、ルールの理解力不足が原因となって大量落車を招いているという他ない。
落車事故が原因で引退を余儀なくされた選手も少なくない。そうなってからではもう「取り返しがつかない」だろ。
当然、客とて後味が悪いプレーに他ならず、加えて落車が原因となってせっかくあたったかもしれない車券が途中で「紙くず」となったら、下手をしたらとんでもない事態を引き起こす遠因にもつながりかねない。
現行のルールではこれ以上大量落車を防ぎようがないというのならば、何度か言っているが、「UCIルール」を導入せざるを得ない。もうそこまで来ている状況であることは間違いないようだ。
ただそうなると競り、牽制行為は完全に「ご法度」となるから、「追い込み専門選手」はいらなくなる。勝つためには自分の力でもぎ取らねばならない。となると、競輪は完全に「変わる」。
しかしそういった「危機」を特に「追い込み専門選手」が感じていないようにしか思えない。
もう何度も同じことを言っているけど、落車・失格は選手として「恥」。その恥すべき意識がないなら、競輪選手をやっていく意味もないのではないか。