葉月ついたち。遠いお江戸は川開きで賑わったという。
江戸っ子がこよなく愛した隅田の川開き、三味線の粋な音色が聞こえてきそう。
現実にもどって、こちらはいよいよ夏休みも中盤突入。じいちゃん学校も少し飽きられてきそうである。マンネリというやつか。
宿題は結構進んでいると思うが、自由研究や作文ネタとなるとまだまだこれからだ。
そんな今日も、朝からガンガンお天気の中、スズメの親子が賑やかに遊びに舞い降りる。
目ざとく見つけた兄ちゃんが「お米をちょうだい」という。庭の叩きにお米を順々に撒いて、最後はつっかい棒で支えられたカゴの下に入るように誘いを掛ける。
カゴの下にスズメが入ったら、ヒモを引っ張りカゴを落として生け捕りにしよう・・・という魂胆。昔のように群がるほどいれば、中には警戒心の散漫なのがいて、時々引っかかっていた。この頃はスズメもそれほどノンビリ生きてはいない。
お米を撒いてしばらくすると、案の定、親子がやってきた。子はまだ幼く、自分でついばんで食べるわけではない。親が一粒くわえては子に口移しで食べさせている。こんな姿を見せただけでも効果があったようだ。締め切ったカーテンの裾から覗いては、ヒモを引っ張るタイミングを計る兄弟。「声を出すな!」と兄の叱声が飛ぶ。が、スズメは間違ってもカゴの下にまでは入らない。
兄ちゃんがカゴを探し、つっかい棒にひもをつけ、座敷からいつでも引っ張れるように見張る。時々弟に見張らせる。こんなことが課外授業とはとても言えないのだろうが、本人達は至って大真面目。こんなこともさせなければ時間を持て余すこともある。
私自身、子供頃には本気で焼き鳥目指して、これと同じ仕掛けに挑戦したものだ。
海釣り・川釣り・ダム見学・図書館・科学センター・・・色々予定はしているが、一番本気になって工夫を凝らすのは、こんな素朴な遊びのようだ。仕方がない。吾輩の孫だ。
真っ黒に日焼けした二人の背中は汗で光る。ナマッ白いよりは逞しくていいか。