「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「欲と二人連れ」

2014年09月29日 | 晴耕雨読

 
    うっそうと茂る草むら、伸びきった梅の木                  黙々と草刈り機を駆使して 

やらなきゃ、早いとこ一度刈り込まなきゃ・・・と思いつつ、暑いだの雨が多くて・・・だのと理由を付けて延び延びにしていた梅林。
この時期を逃したら、徒長枝が大きくなって梅の木の剪定は難しくなる、という切羽詰まった昨日。伸び伸びになった足元の草刈、そして徒長枝の剪定に行ってきた。 暑かった。いい汗かいた。体重が少し減った。

生い茂る草の下には、川向うからやってきて土を掘り起こしたイノシシの食糧探しの大きな穴がぽっかりポッカリ!!
今を盛りの真っ赤な彼岸花が咲き乱れているが、これを残しては草は刈りきれない。
しゃーない、惜しいなと思いつつも草刈り機の餌食にせざるを得ない。きれいな彼岸花、ごめんね。

ひとしきり草刈に汗を流したら、今度は背伸びしながら太陽に向かって剪定ばさみを伸ばし、花芽が付くことはない新しく伸びた枝を切り落とす。これが大変な作業である。
昼飯前に済まそうと、ろくに休憩もせず、お茶で喉を潤しながら意気込んではみたが、やはり12時の有線放送のチャイムまでには終えられなかった。

               

その甲斐あってか、ビフォー・アフターではないが、仕上げをごろうじろ。
それはそれは足元スッキリ、梅の木サッパリ。来年6月が楽しみなる。

なんだかんだ言いながら、こうして足腰の痛みをこらえ、伸び上がり、上を向いての長時間作業に顎が痛くなる思いをしながら、
それでもやはり毎年のことながら、やりきってしまう。な~~んでか。
早い話が、うまくいけば50kgも60kgもの青梅の収穫が見込まれるからである。
文字通り、欲との二人連れ。だから出来る。言ってみれば当たり前の話であるが、こんな小さな梅林でも、手を入れ、可愛がってやれば結果を残してくれる。

頭に描くのは、夏を前にした我が家の角から隅までが、あの甘酸っぱい青梅の香りで満たされる心地よさ。
可愛がれば結果を残す梅の木と、欲心が絡み合ううちはまだまだこの闘いは続く。
そして何より、元気でいなければ、欲も梅の木もしぼんでしまう。まだもう少しがんばってみたい。 

 

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「キノコの花」

2014年09月26日 | 季節の移ろい・出来事

                

3月の何日だったか、市保健センターというところから、若い女性の声で「健康診断結果に異常がみられますので、今後の健康管理についてご一緒に考えたいと思いますので、一度お越しください」という旨の電話があった。
「自分のことは自分が承知していますから・・・」と大方の場合お断りをするのだが、その時は少しだけ気になる部分もあって、言われるまま出向いてあれこれ話してきた。

お腹周り3cm減。体重3kg減。昼食の内容と量の見直し。などいくつかの計画目標を定めた。というか、誘導尋問に乗せられ目標値を定めさせられた。
目標達成に向けての行動計画も述べさせられた。お城山登りを週に〇回。伸張腹式呼吸を毎晩5分・・・などと立派げなことを宣言した、のかな、させられたのかな。 あれから半年。

そんな努力をしたという実感がないまま過ぎた。たま~~にお城山に登る程度の運動量。ウオーキングも、なんだかんだと忙しさを理由にサボりがち。
体重が一気に増えたわけではないが、お腹周りの出具合は、我が人生始まって以来のダブつき感にさいなまれている。
同時に、何かしら胃の周辺に違和感をおぼえるので、何はともあれ健康診断に行ってきた。
さしあたっての健診結果は「特に異常はないね、まあこんなもんでしょう」と主治医の言葉。「こんなもん・・・」とは、年相応ということなんじゃろうか。
思い切って胃癌検診を申し込んだら、1ヶ月先に胃カメラ検査をしましょうということになった。

そんなこんなで、久しぶりにお城山に登ってみたくなった。さほど暑い日でもなかったが、途中から汗がしたたり始める。
お城に着いてひとやすみ。汗を拭うとタオルは重くなるほどの濡れよう。普段の運動不足を絵に描いたように見せつけられる。
爽やかである。頂上でひと休みする時の快感は自分にしかわからない。「これからはもっと登ろう」と誓わせる。なのに、降りてくるとコロッと忘れて、何かの理由を付けては足が遠のく。

汗を流すのも最高に心地いいが、途中の山道には色んな模様が見えるのがまたいい。
8月初めのゲリラ豪雨は、お城山を直撃したわけではないが、あっちこち山肌が崩れかけた生々しさも見せつける。
そして時季は秋。キノコも活発である。ただ、マッタケはこういった雑木林には生えないのが残念ではある。
マッタケは見えないが、大きなクヌギの根っこに真白い花を咲かせたようなキノコを発見。

♪♪ ドブに落ちても根のあるやつは、いつかハチスの華と咲く~ ・・・ ・・・♪
ご存知『フーテンの寅さん』主題歌の一節が、何の抵抗もなしに頭に浮かんだ。
キノコも地面ではなく、天に伸びるクヌギの根っこを我が家として見事に花開いている。
純白である。周囲に不釣り合いの色合で見る人を楽しませていた。こんな生命力を持ち続けたい、ふとそう思う。キノコには勝てないのかもしれないが。

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「お墓参り」

2014年09月24日 | 季節の移ろい・出来事

 

久しぶりに、カミサンの里のお墓参りに出かけた。それもお彼岸の中日に。
こういった祝祭日には、誰かの訪問があって、我が家を留守にできないことが長く続いた。両親の眠るお墓を守るのはもとより、お仏壇も守っているので、姉妹や親せきの来訪が多かった。

母が亡くなって6年が過ぎようとしており、間もなく七回忌法要を予定している。
そんな雰囲気の中で、今年は特にお客が見えそうにないと分かったので、田舎道の彼岸花を観賞かたがた、およそ1時間をクルマで走る山奥で、お墓参りを済ませて来た。

当然ながらそこには小さいながら梅林があって、当たり年には青梅外交が出来るほどの収穫をくれる。
その梅林の状況調査も目的の一つではあった。
「こりゃ~大変じゃ」という現実をしっかり見てきた。入口あたりには、彼岸花が咲き乱れるのはいいが、雑草や木が茂りに茂って、足の踏込場もないほどに。

梅の木はというと、こちらも伸びたい放題の徒長枝が伸びて、刈込に随分な労力が要りそう。
しばらくの間放っておいたツケが見事にまわってきた。
草刈り機の使用時間は普段の倍は要りそう。剪定もこれまでより数倍の労力を要しそう。やれ困ったもんだ。

とはいっても、このままほったらかしたらそれこそ二度と梅もぎなどできなくなる。季節を彩る青梅外交もおしまい。
それでは、お墓に眠る義父母に申し訳ない。跡取りの義兄夫婦が年老いた今、まだ手が出せるおいら達がやらなきゃ誰がやる。
などと思い直して、改めて近日中に出直すことを梅林に約束して帰った。

真っ赤な彼岸花が咲き乱れ、生い茂る梅の木の向こうには、アユやハヤを育むそれはそれはきれいな川が水音を立てている。
眺めるだけのロケーションには心癒される田舎風景が広がっているが、そこに潜り込んで、草刈り機を駆使し、剪定ばさみを打ちふるって梅林の手入れをすることには、やはり少なからぬ抵抗はある。

でもね~。誰かがやらなきゃね~。一気に大藪となってしまうしね~。しゃーない、近いうちに行こう・・・と気を取り直して・・・・・・。

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「野球観戦後日談」

2014年09月21日 | スポーツ・観戦

               

じいちゃんの誘いに飛びつくように、ノリに乗った孫次男坊のカー君と、広島マツダスタジアムへ。
彼にとっては初めてのプロ野球観戦。どんなドキドキワクワクがあったのだろうか。
普段は何をやってもゆっくり目の彼が、この日ばかりは学校から走るようにして帰ってきて「じいちゃん何時に出るの」と電話してくる張り切りよう。

予定通り迎えに行って岡山行きの電車に乗った。ガラガラに空いた電車の一番前に走る。運転手さんのすぐ後ろに立ったまま、広島駅まで座りもしない。わき目もふらず、運転手さんに合わせて指差し呼称。それほどに、電車に乗るのも見るのも、時間の経過も眼中にないほどののぼせよう。

そういえば6年前に、東京タワー見学をせがまれて連れて行ったとき、何に一番興味を示したか。
それは東京駅新幹線ホームで、東海道・上越・東北など各新幹線の顔とお尻を見ること。電車の模様、連結の仕方をつぶさに観察することであった。
それ以来、日本各地の電車にはまって、彼なりに色々学習したのかな。パソコン開けば電車のことばかり調べていたと、母親が言う。

さて、カープの応援に喉を枯らした帰り道。広島駅で行列の後ろに並び、22時3分発の電車を待っていた。カー君はホームギリギリのところで入ってくる電車を覗きこんでいる。「この電車は4両編成なのに、連結して8両になったので、連結した車両に乗りたい」と言い出した。ごった返す中でやっと確保した座席がもったいないから、「一人で行っておいで」と、しばし別行動することにした。あの興奮状態の野球応援から、一気に鉄道マニアにヘンシーン、本来の姿剥き出し。じいちゃんも付いていけない世界を持っている。

岩国駅まであと一駅、和木駅に着いたところで「ただ今、上りの貨物電車が岩国・和木間で小動物と衝突し、安全点検のためしばらく運転を見合わせます」というアナウンス。ナヌッ?いい加減遅くなったのに、家に着くのがもっと遅れるのか、こりゃ困ったなと、6年生の就寝時間が心配になる。それにしてもいつまで待ってもカー君が戻ってこない。仕方なし、停車中の車両を探すと、話の通り連結した5両目にいた。それも、ちょっとやんちゃそうないかついお兄さん4人を相手に、得意満面におしゃべりしているではないか。時々兄ちゃん達の代表が、なにか質問している。

「この電車はね、モハなんとかのなんという車両」。「動物とぶつかったのは貨物電車だから、機関車は桃太郎だったかもしれん。桃太郎でなかったら、なんとなんとかよ」と、小難しいカタカナ名前をスラスラっと並べる。「貨物電車には直流と交流があって、引っ張る重量によって、直流車と交流車を使い分ける」。「この電車の連結の仕方は〇〇という方法なんよ」。
まるで鉄道博士にでもなったように、とうとうとしゃべり倒す。お兄さんたちが「ホ~~すごいね君は」などと言えばまだまだ続けてしゃべっている。間には「じいちゃんが孫新聞を作ってくれる。今日の野球観戦も新聞になるんよ」などと、ジジを持ちあげる世辞も忘れてはいない。

6年生が大人4人を煙に巻きながら、思いもかけない緊急停車の待ち時間を、退屈させずに独演会を開いている。
どう考えても普段は見せない彼の別な姿である。腹の中で大笑いしながらジジも聞き入ってしまった。
あれこれおねだりもあって大きな散在にはなったが、久しぶりに心底楽しめる一日になった。
翌々日の新聞に「イノシシと電車衝突」の見出しで「後続の普通電車上下9本が最大35分遅れた」と報じていた。

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「興奮のるつぼの中で」

2014年09月20日 | スポーツ・観戦

 

プロ野球は終盤を迎えて、リーグ優勝の行方もほぼ決まった。
我が愛するカープは、出来れば2位でクライマックスシリーズへ臨んでほしいと願う熱い応援は続いている。
そんな中、思わぬチケットが手に入り、今年4回目の球場観戦が叶うことになった。

金曜日の夜だし帰りが遅くなってもいいや、ということで孫のカー君に声をかけた。
彼の趣味や普段の動向から考えると、果たしてジジに付き合ってくれるかどうか、多少の不安もあった。
ところがどっこい、「行く行く、オレ一度行きたかったんよ、じいちゃん連れてって」と一気にハイテンションに。

まるで好奇心のカタマリのような彼のことだから、プロ野球の勝負の世界より、球場全体の施設や構造などに興味を示すに違いない。今日はジジの野球観戦は置いといて、彼の思うところを見学させるつもりで出かけた。
先ずはバックネット裏の球筋が見える指定席に陣取り腹ごしらえ。
そのころはすでに3回の裏カープの攻撃中。3万近い観衆が、選手の一挙手一投足に大歓声、大声の激励、そして大きなため息・・・。まさに球場ならでは興奮のるつぼに徐々にはまって行く。

相手に8点取られて、敗戦が見えかかった頃に、「休場を一周してみようか」と声を掛けたら、少し重い返事ながら腰を上げた。
色んな売店や施設、観客席の造りなど説明しながら半周したところで、「じいちゃん席に戻って応援しよう」と、ジジの思惑とは異なる意外なことを言う。
「よし帰ろう」元の指定席に戻ると、人が変わったように大きな声を張り上げて応援を始めた。
カンフーバットを打ち鳴らし、一人立ったり座ったりのスクワット応援。まるで何かにとり付かれたような大声援。
残念ながら8対5という敗戦ではあったが、8回1点、9回に2点返したのは、彼の声援にカープの選手が応えてくれたのかもしれない。

最後まで応援して帰り際、後ろの年輩ご夫婦から「カープは負けたけど、お兄ちゃんのお蔭で楽しい試合でしたよ、またここで応援しましょうね」とお褒めの言葉を頂くほどの熱狂ぶりであった。
マツダスタジアムの観客席には、そんな熱気と大きな期待と興奮が潜んでいるようである。 

 

ラッキーセブンには、大観衆の中の一人としてジェット風船を両手に掲げ、まだうろ覚えの「それいけカープ」を大声で口ずさんでいた。そして一斉にジェット風船を夜空に放つ。いい思い出にしてくれたことだろう。
帰りの電車もさぞかし興奮気味な野球談議になるのかと思いきや、広島駅のホームに出た途端に、人が変わったように今度は電車マニア早変わり。
しかも電車のトラブル発生で、途中何度も急停止。それをまたいい方向に話を変えて、見も知らぬいかついお兄さんたちと大いにしゃべって楽しんだ帰り電車の「カー君物語」は後日に回すとしよう。こちらも乞うご期待の話になりそう。

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「9月なかば」

2014年09月16日 | 季節の移ろい・出来事

 
     ひょっとこ踊りの集団                       本格的な名取さんの舞踊も

9月なかばといえば、15日敬老の日が全国的に祝われる。
我が住む町でも、あっちの自治会、こっちの自治会連合会など、数多くの敬老会が開かれる。
中には、隣接する自治会同士が会場の競合を避けて、14日に会を催したところもある。

一応、地区社協の執行部としては、各会場からの招待を受けてお祝いかたがた来賓として出向くことになる。
どこの会場も世話役の多くは、同世代であったり後輩であったりする。
少しばかり先輩面出来るのも、実は自分も敬老される歳に近づいているとも考えられるわけで、ちょっと複雑。

もっとも、敬老会のステージに上がって、歌や踊りで会場を盛り上げる役者さんは、ついさっきまで敬老会の海上に座っていた老んぽ仲間が、あっぱいお着物着せられて、ピンクの帯を締めてステージで踊っていらっしゃる。
お互いがやんやの拍手で、「上手じゃったよ」「よー覚えたねー」などとねぎらいの言葉が飛び交う。

中には、藤間流の名取という、本格的な見応えのある舞踊がステージをキュッと引き締める。
プログラムが進むと、段々会場の雰囲気が柔らかくなる。カラオケの飛び入りの募集が始まる。
先ずは来賓席に「是非お願いしますよ」と申込用紙と鉛筆を持ってくる。
「いやぁ、わたしなんぞが歌っちゃ他の人に悪いでしょう・・・」とお断りする。というか、ちょっと遠慮してみる。
「そんなことはないですよ、曲目は何にしましょうか?」昔を知っている仲間が迫ってくる。

ま、いいか、やがて行く道だ!ここらで一つ度胸試しと、やがて来るその日のために練習をしておくか・・・などと言い訳をして。
よせばいいのに、その気になって、マイク握ってステージに上がると、やはり気持ちよくなるんだねーこれが。
半分開き直って「おふくろに謝る歌を歌います」と一言。「吾亦紅」を久々に絶唱。気持ちよかった~ 

これぞ自らの敬老の予行演習をさせてもらった。次は踊りでも習って、ヤンヤやんやの喝采でも浴びるか?
いやいやそうもいくまい、盆踊りなら昔取った杵柄だけどねー。 

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「朝の匂いが」

2014年09月14日 | つれづれ噺

            

夜中の割安電気代を活用するだけが目的かと思ったら、おっとどっこい、そればかりではないという。
夜寝る前に仕込み、タイマーをセットしておいたら、朝の起き掛けには、ふっくら美味しいホッカホカの食パンが出来上がっている!!『美味しく食べたいなら、いっときも早く熱いカマから出しておくれ・・・』と、パンが叫んでいるのだそうな。
こうして出来上がりと同時にパンをカマから取り出し、いち早く冷やすのが、美味しく頂くコツなのだという。

そこまでこだわっても味がそんなに変わるわけでもなかろうに・・・と、長年、おかゆに味噌汁派の吾輩はせせら笑う。
これが大きな間違い。普段「食べる人しか演じない」人間が、こういった調理人の細やかな気配りをあざけるなどとんでもない話、なのだそうな。いつまでも熱いカマに置きっぱなしにすると、表面が硬くなってふっくら感が損なわれる。生地のふんわり感も失われる・・・などなど、もっともらしい理由がいくつも並ぶ。

このパン焼き器がそれほど繊細なのか? と疑問を呈するが、「うまいものはうまい・まずいものはまずい」という結論に達するだけで、折り合いはつきそうにない。
但し、目覚めの時間に、ホワ~~ンとした、何ともいえない甘~い香りに香ばしさの混じったいい匂いが、階下から上がってくる。やがて家じゅうに広がっていき、思わず食欲が湧くのが分かる。それは、母が作る味噌汁の香りを、寝床の中で味わった遠い昔の記憶に重なっていく。

我が家のベーカリーもまんざら捨てたものではない。と、せがれ夫婦がプレゼントしてくれたパン焼き器に、敬意と感謝を贈っている。
仕込みは、粉・水・砂糖・塩・バター・スキンミルク、そして少量のイースト菌を、ほどよく調合して、スイッチONするだけで、器械が勝手にこねて、蒸して焼いて、朝には出来上がっている。
そんなお手製食パンを確かに美味しいと思うのは、あながち「食欲の秋」のせいだけではなさそうだ。ただ、これ以上食欲が出ることは厳に慎まないと、秋の健康診断を受けにくくなりそう。

たとえ美味しいお手製食パンであろうと、吾輩の朝ごはんは、おかゆに味噌汁の習慣は変えられそうにない。
どっちにしても、朝ごはんをきちんと食べて、元気に暮らすことが一番、かな。

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「あ~きよ来い」

2014年09月12日 | 家族・孫話

    
                       自分の二本足で・・・ 

  ♪ ♪  はーるよ来い  やーやく来い  
          あるきはじめたみいちゃんが 赤い鼻緒のじょじょはいて おんもへ出たいと待っている  ♪

これが、生まれて初めて自分の足で立ち、歩き始めたおさな子を応援する定番の歌「春よ来い」である。

わが家の初姫孫「のんさん」も、このところようやく自分で立ち上がり、短い距離を歩き始めた。
「這えば立て、立てば歩めの・・・ ・・・」ではないが、早く歩けるようになったら面白くなるだろうな、と思ってはいた。
一方で、「一旦歩き始めたら生涯歩き続けなければならないのだから、あまり早くから歩かせることはないよ」と、どなたかが言った言葉が耳に残っていて、「慌てなくていいよ、焦らなくいていいよ」と見守るジジであった。

ところが、満1歳と3カ月を目前にして、母親の誘導に乗せられて、自ら歩くことを楽しんでいる様子を見ると、「こりゃ応援せにゃいけん」となる。
家の中では、ヨタヨタのこけそうな身体をなんとかバランスとって、少し離れた板の間を何度も何度も往復する。

自分が外に出たい思った時には、ちゃんとジジの右手人差し指を固く握って、玄関まで引っ張っていき、ちっちゃな靴に乗せてあるピンクの靴下を指さし、履かせてくれと催促するようにちっちゃな足を出す。
思い通りにしてやると、にっこり笑顔のおまけをくれる。

外に出たらそれこそ大変。ジリジリ照る秋の日差しも構わず、思いのままあっちこっち歩き回る。ジジの人差し指は片時も離しはしない。こちらも小腰をかがめて、躓かないように見守ってやる。
腰は痛くなる、汗は流れる、小さな半径で歩き回るので目が回りそうになる。それでもがまんで20分は付き合ってやる。

そして思うのは、♪ ♪ あーきよ来い はーやく来い あるきはじめたのんさんが
                    ちっちゃいちっちゃいクツはいて おんもへ出たいと待っている~  ♪ 

春を待つのではなく、一日も早い涼しい秋の訪れを待って、「春よ来い」ならぬ「秋よ来い」と歌いたくなる。
画像がぶれていて見にくいいでしょうが、動きの速い1歳児を追いかける腕を持ち合わせていないので悪しからず。 

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「名月を仰いで・・・」

2014年09月08日 | 季節の移ろい・出来事

  
         東の小高い山から顔を出した、仲秋の名月。煌々と冴え、だんだん高く昇っていく。

毎年訪れる仲秋の名月。今さら珍しくもないというご意見もあろうが、やはり年に一度、美しいものをゆったり観賞する心持を忘れずにいたい。
今年は例年より2~3週間速い名月の訪れ。
色々あった夏を早く終わらせたい、そんな思いもあって、早く訪れた秋の風物詩を歓迎したい思いが強いのも確か。

いまだ暮れ切らぬ午後6時45分、我が家の海側にある小高い山から、まん丸いお月様が顔を出した。
やはり年に一度のシャッターチャンス。兎に角カメラを持ち出して構える。
 ♪♪ 出た出た月が ま~るいま~るいまん丸い 盆のような 月が~ ♪

ホンのいっとき間をおいて見上げると、もう中天に昇っている。あたりに雲を従えて・・・。
              

こうして満月、十五夜を迎えたお月様は、日一日とその姿を表す時間は遅くなり、同時にだんだん身を細めて行く。
そんな様子を見事に捉えたお月様の呼び名がある。今一度なぞっておきたい。

先ずは新月から段々太って行く様子から入らないと分かりにくいかな。
そこで、月の出ない、というか月がこの目に見えない日を新月と呼ぶ。朔(さく)ともいう。
次の日を、既朔(きさく)。そしてあの三日月(みかづき) となって、徐々に月の形が厚くなっていく。
7日目・八日目あたりを上弦(じょうげん) の月と呼ぶ。

しばらく間をおいて、十三夜(じゅうさんや)が訪れる。 ♪ 河岸の柳の行きずりに・・・ ・・・♪ と歌われるあの十三夜。
そして十四日の月を小望月(こもちづき)。いよいよ十五夜の満月(まんげつ)となる。望月(もちづき)ともいう。
その満月を境に細って行く月にも風情ある呼び名が付けられている。

十六日目の月を十六夜(いざよい)。 十七日目が立待月(たちまちづき)。次いで居待月(いまちづき)
十九日目が寝待月(ねまちづき)。臥待月(ふしまちづき) ともいうらしい。
さらに続いて更待月(ふけまちづき)。二十二・二十三日目あたりを下弦(かげん) そして月の終わりのつごもりへと流れていく。 というように、日本古来から、お月様に対する格別な感情を持ち合わせていたようだ。

それにしても、月の出が段々遅くなるのを承知で、立って待ったり寝て待ったりして、お月様を愛でたのだろうか。
それとも、月の出に何かを掛けた願い事でもあったのだろうか。
お月様のあの優しい明かりには、そんなロマンがお似合いではある。

 

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「キャッチコピー」

2014年09月07日 | 家族・孫話

             
                          2学期早々の中学校運動会

9月、2学期が始まったとたんに、孫兄ちゃんの通う中学校の運動会が行われた。
昨年は他用に追われたジジは、中学生初めての運動会の応援が出来なかった。してやれなかった。
2年生となった今年は、何が何でも応援に行きたかった。全てをキャンセルしてでもこの日を待つような心境であった。
心配されたお天気も絶好の?というか、暑さに閉口するほどの好天に恵まれて、中学生の躍動に目を離せない一日となった。

小学校の、稚拙ながらも一生懸命やっている児童の演技には、自然に笑いがこぼれる楽しさがある。
それが中学校になると、それこそ真剣味が増して、あふれんばかりの体力と気力がぶつかり合う迫力が肌に伝わって面白い。
プログラムにも色んな工夫が凝らされていて、見事なキャッチコピーに引き込まれる魅力がある。

「台風くるけん 落とさんけん」「そっち行っちゃ ダメよ!ダメダメ!!」「アイ・アム・ハングリー」などなど。
いったいなんのこっちゃ?どんな競技や・・・?
「台風くるけん・・・」は、3人が1本の棒を持って定点をいち早く回転して次の3人に渡す。2人がその棒を担ぐ、1人は棒にしがみついて次のグループにバトンを渡す、という団体競技。
                        
「そっちいっちゃダメ・・・」は、三人がキャタピラーの歯車になって、目的地にいち早く着いてバトンを渡す団体競技。

そして今一つ「・・・ ・・・ハングリー」は、来年中学校に入学する児童を対象の、早い話が「パン食い競争」のことである。
ちなみに、弟のカー君が対象の6年生で、張り切って出場。メロンパンをゲットして大喜び。

騎馬戦も棒上旗奪いも、教師が周りを取り囲んで警戒するほどの緊迫した競技は迫力満点だが、こうしてプログラムのキャッチコピーに騙されながら、笑い転げて観られる競技も実に楽しいものである。
それにしても、人の気持ちを惹きつける「タイトル」「キャッチコピー」「キャッチフレーズ」というものの大切さを改めて教わった気分になる。

そしてやはり運動会の呼び物は、フィナーレを飾る選手リレーである。
先ずは各色別の選手入場、名前を呼ばれながらグラウンドを一周する顔見世がある。晴れやかな笑顔がある。
        
そのあとは、歯を食いしばった鬼の形相でバトンをつなぐ。
抜かれるな! 追い越せ!! ついついこちらのテンションも上がる。
周回の直線コースで、兄ちゃんが一人抜いた。3位に浮上。ヨシよし、カメラで追った甲斐があった。

あれやこれやで73枚のシャッターを押したことになる。暑さも足のだるさも我慢のできる孫の運動会。
あと何年続くことやら・・・。

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