「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「早ゃ 往っちゃった!」

2023年01月31日 | 季節の移ろい・出来事

                  

まさに夢見心地の時の流れ。早~~くも1月が往ってしまった。
誕生月、来る日も来る日も、パソコンにスマホに「誕生月お祝い」といったたぐいのメールが送られて来た。手持ちのパソコンメーカーからはご丁寧なお祝いメッセージも送られて来た。誕生月の割引きであろうが誕生月特価であろうが、残念ながら欲しいもの以外に手を出すほどの余裕もないし気持ちもわいてこない。ただただ「なんであんたまでおいらの誕生月を知ってるの?」と驚くばかり。私などのちっちゃなアドレスでさえ、目の届かぬところでその道の情報交換はされているのだろうねー。不気味!!

新たな1年が始まる月という気合をもってスタートはしたが、やはりこの1ヵ月も色んなことがあり過ぎて、頭の整理がつかないまま1月大晦日を迎えた気がする。つまり、非日常的なことが多くあったと言うことなのだろう。マイナポイント獲得の欲が働いて、カード申請手続きに市役所・出張所に何度も通ったのも1月の大きな仕事だった。

そんな中でも日々の体重測定だけは欠かさなかった。昨年半ばから意識して体重をチェックする「体重計ダイエット」を初めて以来、62㎏代をキープすることに挑戦。約半年間出3日間だけ63.1 63.3 63.4 と62kgをオーバーした。自慢にもならないかも知れないが、まあ健康志向を標榜するからにはこの程度はやらないとね。お陰で身体は割と軽い。無呼吸症候群以外は健康優良爺を保っている。

1年中で最も寒いと言われる如月を迎え撃つためにも、コロナ・インフル・風邪対策に万全を期すとしよう。

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「分かち合い!」

2023年01月30日 | 季節の移ろい・出来事

                   
                          捨てた白菜をついばむヒヨ

冬枯れた寒さの中で必死にエサを探す小鳥たち。隣の空き地を縄張りとする種類の異なる小鳥たちが朝に夕にやってくる。
キジバトのつがい(番)。ジョービタキ、モズ、ツグミ、ヒヨの群れ、時々スズメ。どこにでもいる定番小鳥ばかりで、珍しや奇抜さには欠けるが、安心して見ていられる心やすさはある。どれか一種類でも姿を見せないと「何事かあったのか?」などと勝手な憶測をしたりする。

ただ可愛いばかりではないこともある。畑の野菜を我が物顔に食い荒らすヒヨの集団には要注意。なんとも旺盛すぎる食欲は、そろそろ花を付け始めたスナップエンドウやグリンピースの新芽を食い荒らす。豆の茎を2・3本枯れさせてしまうくらいの勢いである。野生に狙いを付けられた野菜は哀れな結末を。こればかりは対策を講じなければ一巻の終わり。防鳥ネットで完全な囲いをする。心癒してくれる存在に感謝はするが、それとこれとは話が違うんよね~。

豆がダメならその隣の白菜の葉っぱはかっこうの餌食となり、放っておくと間もなく坊主にされる。これも白いネットで覆い自己防衛を。
ヒヨが言う。何を食ってビタミン補給すればいいのかと。それもよく理解できる。そこまで強欲ではないから安心おし。
白菜の根っこの数枚の葉っぱをそいで、いつものごみ置き場に投げておいてやる。ご覧の通り「ごっつぁんです!!」と言っているように美味しそうについばむ。それもお行儀よく、一羽が食べに来るともう一羽が近くの木の枝で外敵の襲来を警戒している。そして間もなく交代すると、お腹を満たした方が見張り役をする。いたずらヒヨではあるが、健気な心根を持っている。餓えさせるわけにはいかない、生き物だもの。

今日の今ひとつの発見は、あの平和のシンボルと言われるキジバトでさえ、つがい以外の一羽が空き地に降りてきたら、つがいのオスと思われるキジバトがひどい勢いで追い払ってどこまでも追いかけていく。しばらくすると何事もなかったようにまたつがいでエサを探している。ハトとは言えやはり野生。食い物の独占欲は強いようだ。腹満たしたものは空腹のものと分かち合うことが出来ないのは、人間も動物も生き物の世界では共通なのだろうか。

 

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「訃報」

2023年01月29日 | 地域活動

                     

まさに寝耳に水。全く思いもかけない突然の訃報にやり切れない思いでいる。
つい10日前の木曜日夜、地域活動の会議で顔を合わせ「今年もよろしく」の挨拶のほか「今日はえらい気合がはいとったね~」と冷やかされ、今年もいい方向に向けて力を出しましょうや、と闊達な笑いで分かれた彼の人。

年齢は先方が若干年下だがなかなかの論客で、「事務局長にもの申す」と、何度かぶつかったこともあるやり手さんであった。横を言われるのは困るが、ちゃんと自分の意見と信念を持って正面からやってくる人は絶対に避けない。じっくり話し込んだことも何度かある。「私の言いたいことは全部言ったので、後はアンタの立場でいい結果を出しておくれ」というタイプ。評論家みたいな口調で立派げな意見はおっしゃるが自分の手を汚そうとはしないタイプが多い中にあって、信頼がおける人。つまり意見も言うが手も汚す。執行部の要望をわきまえて協力してくれる、そんな貴重な人材だった。

急逝の理由は事故である。この寒さにもひるまず山に入って作業していたところ、倒れて来た木に当たったのか、倒木に押されて転落したのか、詳細は不明だが山の作業中であったことだけは確かである。そういえば10日前の別れ際に「お互いそう若くはないんじゃけ―無理はせんようにボチボチやりましょう」と注意とも励ましともとれる言葉を交わしたのを思い出す。惜しい!本当に惜しい人を失った。

そして今改めて思うのは、自分自身も決して若くはないということ。多少の危険を冒しても気持ち的にはすぐに手を出したがるタイプ。つい過信してしまうタイプの典型のような気がする。改めよう。臆病なくらいがちょうどいい。気を付けるべく教訓を頂いた友よ、安らかにご冥福を! 合掌!!

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「新たな1年へ・・・」

2023年01月28日 | つれづれ噺

       

少しだけ気がかりだった80代への入り口。健康優良爺が自慢で来たのに、80才を目前にして故障が見つかったり、それに付随するあれこれで病院通いの回数が増えていった。そっか~、やはり80代は健康の曲がり角なのかもね、などと自分で勝手に決めてすこし落ち込むこともあった。

年改まって徐行運転の期間を終え、今日また一つの節目となる日を迎えた。
今さら誕生日を慶ぶ年かい?ではあるが、少なくとも昨年の1月28日から今日までを、どうにか無事に元気に過ごせた証であることに違いない。ひとまず褒めてやって、また新たな一年に向かって「今日出発 万年初歩」を。

そうそう毎日意識して暮らしているわけではないが、何かの区切り・節目・契機を迎えることで、気持ちを新たにしてスタートラインを引き直して歩き始めることはある。
あの大地に根を張る大木が、その胴体に一年一年の成長を刻む年輪が、大木の生涯の値打ちを左右することを思えば、やはりその長さも大切だが、年輪の濃さ深さもまた大切になろうというもの。

おふくろの生きた100才から考えればまだまだひよっこ。19年も残されている。
但し、そこまでの長さが問題ではなくその時々の中味こそが問題であろう。ま、肩肘張らずに明日からもボチボチやって、一つの年輪を刻み込むとしよう。

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「太陽がいっぱい」

2023年01月27日 | 思い出話

          

懐かしい映画を観た。NHKBS3の再放送をじっくり見入った。
かつて、男が男に憧れたあのアランドロン主演の「太陽がいっぱい」。高校時代の恩師がこんな顔つきだったな~と思った遠い遠い昔の映画である。あの優しいメロディーが耳にこびりついているBGMとともに強く印象に残っているご同輩も多いことであろう。

1960年に製作された、フランス・イタリアの犯罪映画というから、なんとまあいにしえの名画ではある。
あのいい男アランドロンを、完全犯罪の悪役に仕立て上げるところも、日本人感覚では痛快に思えたのを思い出している。
貧富の差への反発や嫉妬、怒り、友から受けた屈辱への反発。如何にも若々しい青年時代の葛藤が「さもありなん」などと妙に納得した遠い昔を思い出しながらの2時間であった。

洋の東西を問わず、映画文化絶頂の時代は我々も映画館を選び、タイトルを選び、内容を吟みたものだった。
いつしか映画全盛期が遠のきテレビ時代の今は、映画館など近辺にありはしない。よほど評判の映画があれば、1日掛かりで出かけ疲れて帰る。それでも映画の内容が評判通りであったり、納得のいくものであれば大儲け(笑)

たまにこうしていい物に当たることもある。コロナ対策、寒さ対策のお家タイムのよき友ではあった。

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「断て!特殊詐欺」

2023年01月26日 | ニュース・世相

「中国地方5県で2022年に確認された特殊詐欺の被害額は14億6104万円(暫定値)に上り、前年から2億2215万円(17.9%)増えたことが5県警への取材で分かった。36億円を超えた15年をピークに減少傾向にあったが、前年を上回るのは3年連続。認知件数(未遂を含む)も607件で前年比68件増だった。手口が巧妙化し、地方の高齢者たちの被害に歯止めがかからない現状が浮き彫りになった。」(特殊詐欺取材班)
                     2023年1月26日(木)中国新聞 1面トップ引用  

このような空恐ろしい記事が1面トップを飾っている。しかもこれは中国5県のことであって、日本全国を集計したらいったい如何ほどの大金が、詐欺グループの手に入っているのだろうか。同時に、如何ほどの人が大粒の涙を流しているのだろうか。どうにかならないものかと嘆いてみるが、新型コロナ感染対策の防御と似たところがって、自己防衛、自分が自分を守ることが先ず優先されるのかなと思う。

私のパソコンメールにもこのような、全く身に覚えがないというかPayPayカードなるものを申請したこともない、持ったこともない人間にこうして送り付けてくる。「おやっオレが何かしたのかな?」などと迂闊にクリックすると相手の思うつぼ。間違いなく訳のわからぬ方向に誘導されて、肝心な個人情報が筒抜けになり、本当に知らぬところで自分のカードで大量の買い物されたり、現金が引き出されたりの憂き目にあう。

画像削除しました。       
                  

入れ替わり立ち代わり同様のメールがいっぱい入ってくる。兎に角一切無視。同時に確かなセキュリティシステムの導入は欠かせない。
自分とかかわりない相手、知らない相手からのメールや甘いお誘いには一切クリックしない。取り合わない。無視を続ける。
今ひとつ、パソコン画面がいきなり侵されて、「ウイルスに感染しました、至急下記に連絡を」というアドレスも電話番号も、見ない・掛けない・かかわらない。近くの信頼できるパソコンの詳しい人に相談する。これが肝要!! 一億総ぐるみで『断て!特殊詐欺』に取り組みませんか。

 

 

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「10年ぶりの大寒波!」

2023年01月25日 | ビッグニュース

10年に1度の大寒波襲来。しつこいくらいに警戒を促されて、水道管の保温や停電に備えて必需品の買い足しなど、それなりの防御態勢を整えてはいた。もちろん、ファンヒーター用灯油の補充も怠りなし。真剣に備えをしたのも、やはり年齢を考えて「いざという時に間に合うように」という防衛本能の表れかも。備えあれば憂いをなしを地でいく備えをしたおかげで、豪雪にもならずに助かった。ただ、厳しい冷え込みは間違いなくこの冬イチバン!!

  
        薄化粧を施した我が家               二階の窓から眺めた周辺の雪化粧
  
       クルマはだけはやや厚化粧?               寒さに耐えるタマネギとグリーンピース
  
    G・ゴルフを楽しむ公園も白一色に    雪の中、いつも通りホールポスト置く位置が整備されている                             
    木陰にデンと座る石臼の水も厚い氷が、その上に粉雪が、その脇に寒アヤメが。

雪が積もろうが北風が吹こうが、鳥たちは確実にエサを求めて飛び交う。木陰に陣取る昔ながらの餅つき用石臼の水も厚い氷が張り、その上にウッスラ粉雪が降りて、つい手を出してみたくなる。そのすぐ横では、今朝も寒アヤメの新たな花びらが健気に花開いている。世の中に何が起ころうと、季節を違えず花を咲かせ、ヒナの子育てに精を出す小鳥たち。人間も寒さに震えてばかりはいられない。

いつもG・ゴルフを楽しむ公園を覗いてみた。まっこと、これじゃゴルフは出来ない。それでも、ゴルフ練習日には必ずコース内を掃き清め、ホールポストを置く位置はほうき目が丸く描かれている。この雪の上でもほうき目が立てられているのには驚かされる。御年85才、最高齢の有難いメンバーのお一人である。

瀬戸内沿岸のここら辺はこの程度の雪化粧で被害らしい被害もないが、新名神高速道の立ち往生した車列には、兎に角早い復旧を祈るばかりである。
それでなくても滞り気味な地域経済に追い打ちをかけるダメージは避けたいと願っている。お天道様に願を掛けたい。
雪国の皆さん、北国の皆さん、心からお見舞い申し上げます。どうぞご自愛なさって、この大寒波を無事に乗り切って頂きたいものです。お大事に!!

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「面接の練習」

2023年01月24日 | 地域活動

                                                               
                         あっという間に雪化粧の植木

『記録的な寒波襲来、大雪と寒さに最大級の警戒を!!』 気象庁はもとより、どのニュース番組でも、寒さに対する慎重な警戒を呼び掛けている。
それでも、厳しい北風に吹かれながらもなんとか午前中のG・ゴルフは予定通り頑張った。今日に限っては、終わってからの追加のおしゃべりも少なく、早々に家に戻ったのはお昼前である。少し間をおいて昼ご飯の頃から風に舞う粉雪が目に見えるようになった。

本当に降るんだねーなどと思っていたら、あれよあれよという間にあたり一面真っ白に。庭の植木もたちまち雪化粧。ここらでは昼間の雪が積もるのは珍しいこと。それほどに今回の寒波は警戒に値するスケールなのであろう。

そんな粉雪をものともせず、約束の午後3時40分地元の中学校に住民20人が参集。間もなく始まる高校受験の面接練習の相手を務める臨時面接官に任命された。というか半分は自分で手を挙げたことではあっても、孫の高校受験を体験したジジが、たとえよその子ではあっても、高校受験の志望校突破に力を貸せるものなら貸してあげたいという思いやりと理解頂けると有難い。

現代っ子の一番の特徴は、やたら早口である。自らの長所短所の口述も、自己PRの口調も、抑揚もなく早口でしゃべる。相手に告げるとか面接官に説明するという感覚に欠けるのか、兎に角ジコチューでおしゃべりになる。先ずは名前から二度三度聞き返すほど、姓と名の区切りもなく「〇〇○○○」超早口で終わる。私の耳が遠くなっているのかもしれない。マスク越しで生の声ではないからかもしれない。兎に角聞き取れない小声と早口。

初対面の面接官の質問に、答える・自分を解らせる大切な儀式である。先ずはそこんところを、本人にも、学校の先生にも丁寧にお願いした。これは、孫君や孫姫たちがそんな状態であったら、声を大にして直させたいと思うから。
何かの縁があって面談した彼や彼女である。成功して欲しいと心から願う。そんな地域住民の一人であり続けたいから。

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「いなかのコラボ!」

2023年01月22日 | いわくによいとこ

      
          地元の神楽団の大先輩から手ほどきを受けた地元中学生が、精一杯の獅子舞を披露

  
             これぞいなか町の「とんど祭り」を彩る「お神楽」のコラボレーション

1月22日は旧暦の1月1日、旧正月の元旦である。中国では春節と呼んで、賑わい華やかなあのお正月である。
その日にちなんで、我が住む町のお隣でとんど祭りが催された。孫君が通った小学校の校庭に、竹のやぐらを組み昔ながらのとんど焼きである。ただこの地区には古くから嬉野神楽団という伝統芸能があって、獅子舞の部やお神楽の部がそれぞれ活動している。

地域のお祭りやイベントには、コラボレーションと称して何度もお目にかかる催しである。
住民の減少や高齢化でこういった伝統芸能の後継者探しに必死である。そんな事情もあって、地元の中学生に獅子舞を伝授していると聞いた。まだ練習中ではあるが、今日は獅子舞愛好女子6人の初舞台ということで、何はともあれ大きな拍手を送った。

豪華な4頭の獅子に頭と尻尾で2人が入る。その2頭を子獅子と呼んで中学生が演技。カバーするように親獅子としてベテラン組が勇気づける。太鼓のお囃子も女子二人が受け持つ。そうなると、出演する子の親や親せきが集まる。女の子の友達も応援に来るという客寄せ効果もあって、これまでにない賑わいであった。これまでにないとはいってもそれは3年前の話になる。あいにくのコロナ禍で2年間中止、今年は3年ぶりの実行に踏み切った。

良くも悪くも、世の中の行動全体が少しずつコロナ以前に戻りつつある。こういった伝統行事は続けることでやっと守り通せるという脆さも併せ持っている。だから出来るだけ人目に触れる必要がある。見物はもちろん自由、振舞の餅入り汁粉を頂くも個人の判断。せっかくの地域の肝いり行事、お言葉に甘えておいしく頂いた。そしてすぐにマスクを。三密とは縁遠いアウトドアではあるが、風も吹き抜ける寒さの中、自己防衛のマスクは必須。

そんなこんな中で、とんど祭りにお神楽という「いなかのコラボレーション」。やはり郷愁をそそられる。

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「終活!」

2023年01月21日 | つれづれ噺

                                                              
                         終活 イメージイラスト

90才を迎える義兄が手掛ける終活。そのほんの一部分を手助けした今日、作業を終えた後で色んな思いが胸の中を頭の中を駆け巡る。
生まれてこの方90年、雪深い山間の小さな集落で、貧のどん底も繁栄の絶頂もあじわい、山も谷も川のせせらぎも全てを受け入れつつ、集落の中心人物として村人と共に生きて来た義兄。
同郷の素敵なお嬢さんと夫婦になり、照る日曇る日人生山河をものともせず、故郷を護る役場勤めのかたわらで、両親を助ける田舎の雑貨屋さんを、絵に描いたような働き者の嫁さんと繁盛させて来た。授かった二人の男の子も、親となり孫の顔を見せて喜ばせてはいるが、それぞれ親元を遠く離れた都会暮らしである。

そんな夫婦も家庭も、世の移ろい時の流れと共に大きく様変わりした。少子高齢化は急ピッチに進み、住民の田舎から街中への移動も重なって、繁華だった集落も一気に過疎化してしまった。誰の手でも止めることの出来ない「世の流れ」である。気が付けば、あれほどの働き者だった嫁さんは病気が襲い施設でお世話になっている。限界集落に近い過疎の田舎で、高齢の義兄一人が暮らすにはあまりにもきつい条件ばかり。ついに生まれ育った故郷を置いて、街中の介護施設にお世話になって数年になる。止むを得ず、涙を飲んで終活に励んでいる。残される子供たちに負の遺産を残さないという信念が見える。

子どもたちとの話し合いの中で、家財や年代物の大半は処分してきた。「取り敢えずこれは残しておこう」「処分するのはちょっと考えてみたい」などと、第一段階での処分に踏み切れなかった、押し入れの奥の物、書庫に重ねてあった物、などなどを時間の経過と共にやはり不必要だと思うようになった物の搬出、処分のお手伝いであった。
いよいよこれで、自分たちが生きてきた分身がこの家から無くなっていく。つまり家という形骸だけが残される。その空しさ、やりきれなさは如何ばかりか。自分がまだ終活に対して本気になれないだけに、義兄の複雑な思いが胸に染み込む。

「今日はあんた達が送り迎えしてくれたので、昼ご飯にイッパイ呑める」と、作業を終えて帰りのレストランでビールを美味しそうに呑んでいた。もっともっとお手伝い出来ればいいが、残された時間もそう長くはない。何もかもやりきった義兄夫婦の終活を最後まで温かく見守っていくのが、私たち義弟夫婦に残された使命と心得よう。明日は我が身だもの。

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