兄ちゃん・カー君 竹細工実習で工作を クリックしてね
怖い物知らずの悠雅くん。 川遊び、気分はいっぱしの太公望
『毎朝8時半、近くに住む小学5年と3年の孫兄弟がやって来る。
夏休みの宿題を中心に、日記や自由研究、作文のヒントなどを考えながら、午前中を私と過ごす。いわゆる「じいちゃん学校」への登校である。
机に向かうのはせいぜい40分程度。それでも集中力は途切れがちで、学習態度も決していいとは言えない。
無理もない。学校から解放され、この世で2番目に甘えられる私が先生なのだから。
そうは言っても、私としては共働きの娘夫婦から預かった責任もある。
「もう少ししゃんとせー」と大声を出そうと思うが、7割方は2人の言いなりになる。
お昼には一番甘えられるばあちゃんがパートから帰ってくる。昼ご飯を食べさせ、プールへ送り出す。そうして娘の家で夕飯の支度をしながら、彼らの帰りを待つ。
夕方には保育所から帰った2歳の三男坊が、ばあちゃんから離れない。
孫に振り回される毎日である。
それでも私たちは今、彼らが大きく成長していく過程の水先案内人をさせてもらっている。それは一つの贅沢であり、喜びである。そして何より、生きる活力、スタミナ源になっている。』
2011.8.11 朝日新聞 声欄テーマ 「スタミナ源」 掲載