高校球児となって初の公式試合、スタメンに名を連ねて
試合開始前の両チーム挨拶
記念すべき初打席(2025.5.31)
皐月つごもり。1年前の2024、5、31日は、生まれて初めてのがん宣告を受けて、いささか落ち込んだ「前立腺がん」除去手術のため、国立病院機構岩国医療センターの手術台に横たわった日である。
あれから1カ月目、2カ月目、その後3か月毎の経過観察を受けながら、少し神妙に過ごした。
血液検査の数値が安定し、体調も順調な回復を見せた。ただ検診のたんびに「ちゃんと骨盤運動してますか?」と問われる看護師さんに、「真面目にやってます」と答えられるようになったのは、手術からおよそ半年を過ぎてからであった。それまでは、こんなことで本当に効果があるの?という勝手な気持ちが強かった。
あれこれあって丸1年経過。つい先日の1年目検診で「おおむね無罪放免、次は半年後に血液検査を」ということで、落ち込んだ時に発症した帯状疱疹による、皮下神経のピリピリ痛みは、後遺症という形で残ったままではあるが、兎に角、身体のどの部分にも転移という二文字の形跡がないことを喜んでいる。そして大きな心配のタネであった「尿意のコントロール」もほぼ元通りになった。やっと人間らしさを取り戻せたと実感できることは有難い。気持ちの深い底から、本当の意味の元気が取り戻せた皐月つごもりである。
そんな記念すべき今日という日に、もう一つの記念が重なった。
我が一族初めての高校球児となった孫君の公式戦デビューの大会が行われた。第81回岩国市高等学校野球大会が、市の中心部にある「絆スタジアム」で行われた。
「じいちゃん、今回はオレ出ないと思うからそのつもりでね」と釘を刺されていたので「OK」と軽く返事をしたものの、ジジとしては半分期待をかけて球場に出向いた。
もらった全5校のメンバー登録票を見て一瞬目を疑った。孫君が背番号6をもらって、スタメンに名を連ねていた。成長途上の身体は、決して大きいとは言えないが、俊敏さと体のキレは先ず先ずとジジが勝手に思っている。「スタメンか~」先輩もいる中で1年生がね~ 少なからぬ不安もあった。
結果的には大差で敗戦、明日の準決勝には進めなかった。が、スタメン抜擢の1年生は目を見張る活躍を見せた。使ってもらった監督への感謝を込めた、ライト線3塁打打点1・二遊間シングルヒット・左中間2塁打の固め打ちは、出来過ぎのまぐれ。
これから始まる長い選手生活の中で、こんなまぐれやスランプを体験しながら、落ち込みと浮上の中で自分磨きをしていくのだろう。活躍してもしなくてもジジのワクワク感の妙薬として、健康保持の常備薬として、もうしばらく応援させてもらおう。健康イチバン、今日も元気をもらった。