丸々太ったヒグマ(ネット拝借)
これまでも何度か取り上げて来た野生と人間の共存問題。ただこれまでは、クマという対象にはあまり思いが至らなかった。おサルさんはこの団地でも山から下りてきて、民家の屋根を駆け回る。大声であちこちから追い払った効果もあり、最近は姿を見なくなった。野生動物とは少し異なるが、人命にも危険を及ぼすマムシはしょっちゅう出てくる。グラウンドゴルフを楽しむ団地公園周辺にいっぱいいる。みんないることを前提に慎重な行動をしている。
イノシシも深い山からは距離があるせいか、出て来ないだろうと思う。が、山のふもとにはレンコンも植わっているし。サツマイモなどもあるので、食糧に窮すると危険を冒してでも人里に出てくる可能性はある。
問題は、おなかをすかせたクマである。学習能力が高いと言われるクマは木登りも上手。ちょっとした壁や塀は軽々超える。今年の猛暑はクマのエサのドングリなども不作のようなので、人間が油断せず、食い物の管理を確実にしないと、出没は免れない。
クマをターゲットに狩りをする専門職の「マタギ」と呼ばれる漁師と、クマとの命がけのを闘いを描いた「邂逅の森」という小説を興味深く読んだ記憶がある。マタギが活躍する頃は、クマの胃や肝臓が高値で取引されていた。そのころはクマも臆病で、人里に下りてはこない。だからマタギがグループを組んで山中を駆け巡り、クマを追い込んで仕留めていた。今は逆にクマの方が堂々と人里に現れたり、人の命を襲ったり民家を襲う。猟銃許可を得た人たちでさえ、人里に現れたクマを撃つには厳しい条件が課せられる。
ウ~~ン、やはり、野生と人間の共存は飽くまでも理想であって、空腹を抱えた野生、子どもを抱えた母クマとは共存など考えられない。鳥獣保護も大事だが、人間を守ること、人間の恐怖を取り除くことは、最優先事項に思えるのだが。