我が国の備蓄米とは、いったいどのくらいの量が倉庫に眠っているのだろうか。
そんな3年4年も前から貯め込まれた、古米と呼ばれるお米が、流通に乗ってやっと、米価高騰に喘ぐ国民の前に姿を現した。しかもそのお値段たるや、5kg2000円前後。4500円を下らないブランド米の半額以下で、飛ぶように消費者の手に渡っている。食料品の基本である米価の安値安定は、多くの人に笑顔を呼び戻した。
そもそも今回の備蓄米放出など一連の政府の施策の向こう側には「私は米を買ったことはありません、支援者が持ってきてくれる」という、アホじゃないのと思わせたあの大臣のあの発言が発端である。
即刻大臣の首のすげ替えによって、政府が大きく動き、30万トンとも40万トンともいえる備蓄米が、庶民の手の届く価格で放出された。もしあの大臣のあの失言がなかったら、今も米価高騰に悩まされ、挙句の果ては米離れ現象にまで発展していたのだろうか。
それを考えると、あの失言を発端に政治の動きが変わったとするなら『失言の功名』とでも言うのだろうか。
それでも失言や、不勉強による迂闊な発言は慎むべきである。
と思っているところに今度は、野党の議員さんが、「古いコメはニワトリのエサで、人間サマは食べない」と平然と言ってのける。
今回の備蓄古米の放出によって、国民に戻った笑顔を見ていないわけでもなかろうに、国会議員とは、選挙する国民の心理などお構いなしに、考えられないようなモノ言いをする。愚かなことである。
何とかして令和の米騒動が収まりかけたところだ、興ざめのする失言合戦など辞めて、国民のために何なすべきか考えて頂けると有難いのだが。