
読書感想85 1Q84<o:p></o:p>
著者 村上春樹<o:p></o:p>
生年 1949年<o:p></o:p>
出身地 京都府京都市<o:p></o:p>
出版年 2009年~2010年<o:p></o:p>
出版社 新潮社<o:p></o:p>
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感想<o:p></o:p>
「不思議な国のアリス」のように、ある入口から異次元の世界に紛れ込んでいく。主人公の一人の青豆は首都高速3号線の三軒茶屋と池尻大橋の間で車の渋滞から、タクシーを降り非常階段から高速道路を下りる。するとそこは異次元の世界で、夜空に月が二つ、通常の月ともう一つ緑色の月が輝いている。もう一人の主人公の天吾は不思議な読字障害の少女の書いた「空気さなぎ」というアイディアだけの小説のゴーストライターとして小説「空気さなぎ」を完成させると、月が二つある異次元の世界に引きずり込まれる。20年前の初恋の少年少女は現実世界で会うことはなかったが、1Q84の世界で再会し、そこからの脱出を試みる。主人公二人に限ると以上のような展開になる。山奥で集団生活をする奇妙な宗教団体「さきがけ」から脱出した少女「ふかえり」が「さきがけ」で体験した不思議な出来事を描いたのが小説「空気さなぎ」でベストセラーになると天吾にも「さきがけ」の魔の手が伸びてくる。青豆は「さきがけ」の教祖から殺してくれと頼まれて殺してしまう。あくまでも巧妙な針による殺しなので殺人という証拠は出ないが、「さきがけ」から追われる身の上になる。「さきがけ」から二人の調査を頼まれる牛河という元弁護士も二人を追っているうちに異次元の世界に迷い込む。<o:p></o:p>
異次元への入口が、つまり日常性と非日常性の境が首都高速の非常階段というのがわくわくする。村上春樹の小説は2冊目。1冊目の「海辺のカフカ」はついていけない感じがしたが、本書はファンタジーとして楽しむことができた。ただ宗教「さきがけ」そのものが異次元の世界ということなのだろうが、わかりにくい世界だった。贖罪の山羊とか犠牲にされる人間とか。<o:p></o:p>
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気ままな評価<o:p></o:p>
リアル感 ★★★<o:p></o:p>
幻想感 ★★★★<o:p></o:p>
生き生き人物感 ★★★★<o:p></o:p>
スリル感 ★★★★<o:p></o:p>
難解感 ★★★<o:p></o:p>
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