著者 : リチャード・ニーリイ<o:p></o:p>
生年 : 1920年代前半<o:p></o:p>
翻訳出版 : 2007年<o:p></o:p>
出版社 : (株)早川書房<o:p></o:p>
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感想<o:p></o:p>
ニューヨークの出版社の社長マイクル・コステインの下にサンフランシスコの消印のある郵便物が届いた。中身は殺人の予告だ。殺人を実行し、殺人の物語をマイクのもとに届ける。この計画に興味を持つなら、サンフランシスコに滞在し、9月8日の「サンフランシスコ・クロニクル」紙の個人消息欄に「P・Sへ、帰宅せよ。すべてを許す」という広告を出し、連絡先の電話番号も付記すること。そうすれば殺人予告者から連絡する。ベストセラーを渇望するマイクはこの奇妙な手紙の命じるままにサンフランシスコに愛人の編集部長ジーナをともなってやってきた。夕方ホテルに殺人予告者からの連絡が入った。待ち合わせ場所の下宿屋と7時半という時間が指定される。マイクは一人で出かけたが、ジーナも心配で待ち合わせの住所に行く。7時にその下宿屋の建物から出てきたのはマイクだった。ジーナが声をかけるとマイクらしい人影は建物の中にとってかえした。マイクを追ったジーナは建物の中で突き飛ばされ人影も消えた。ホテルに帰ったジーナは今度は浴室の中で何者かに襲われる。ちょうど来合わせたボーイによって襲撃者は諦めジーナは助かった。ジーナはマイクかもしれないという疑惑に陥る。そしてマイクが帰ってきた。マイクの話は恐るべきものだった。指定された住所の下宿屋にはベッドに絞殺された女の死体があった。ニューヨークに戻ったマイクを追ってサンフランシスコ警察のフレンドリー警部がやってきて、現場からみつかったというマイクのイニシャル入りのライターと被害者の血のついたハンカチを見せる。マイクは殺人事件の容疑者として逮捕されることになる。<o:p></o:p>
マイクの周辺にいる人は、娘のキャロルと副社長の娘婿ディヴィット、法律顧問のサム。キャロルが診療を受けている精神分析医のカール、ディヴィットの秘書のリタ。<o:p></o:p>
姿の見えない犯人の過去の回想が出てくる。子供時代の両親の性的な関係の目撃シーンとか、売春婦を殺す場面とか。<o:p></o:p>
姿なき犯人の行動や心理がないとなかなか犯人が分からない。しかしこうした狂った人間の行動は恐怖と驚愕を呼ぶが、まったく共感を生まない。ミステリーだからそれでもいいのかもしれないが、犯罪の原因を狂気に求めるなら、もっと納得させてほしい。<o:p></o:p>
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気ままに採点(5点満点)<o:p></o:p>
面白さ ★★★<o:p></o:p>
意外性 ★★★<o:p></o:p>
人物造型 ★★★<o:p></o:p>
長さ ★★★★<o:p></o:p>
教養 ★★<o:p></o:p>