『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

翻訳(韓国語→日本語)不便なコンビニ(クレーマーの中のクレーマー)2-7

2024-02-28 21:15:06 | 翻訳

韓国語学習のための翻訳です。営利目的はありません。

著者:キム・ホヨン

(7)

 「わかりました。それを一日で全部覚えたんですか?」

 「・・・夜中にすることもなく・・・眠くなっ・・・。」

 「ひょっとしたら愛煙家でしたか?」

 「わ、わからないです。」

 「わからないですか?タバコを吸った記憶がないですか?」

 「吸ったか吸わなかったか・・・わからないからです。」

 「記憶喪失症なんですか?」

 「酒のせいで・・・頭が・・・意識がなくなりました。」

 「じゃ、過去いつまで覚えていますか?」

 「わ、わかりません。」

 まあ・・・。シヒョンは会話を自制することにした、先ほどの誓いをまた忘れたことを後悔した。それでもクレーマーをあのように退治したのは本当に痛快でないはずがなかった。シヒョンはドッコさんがカヌブラックを飲んでもこれ以上憎まないことにした。

 退勤時間になっても社長さんは来なかった。シヒョンはメールを送った。どこですかと訊ねる質問に帰ってきた返信の内容は次のようだった。「水曜礼拝に行って家に戻った。今日からはドッコさん一人で働く。」シヒョンは「大丈夫ですか?」と再びメールを送ったら「あなたはどう思うか」という返事が戻ってきた。

 「あ、あのう・・・。」

 シヒョンはしばらく熱心にドッコさんを振り返った。彼は空いている陳列台に激辛鶏炒め焼きそばをそろえながら、超激辛鶏、チーズ激辛鶏、カルボ・・・ナラ激辛鶏をぶつぶつと独り言を言って覚えていた。お尻をぽこんと突き出して口を結びながら手でカップラーメンを線に合わせてまっすぐに整理しているドッコさんの姿を見ていて、シヒョンは賛成のメッセージを返送した。

 こうして一週間が過ぎた。決まって8時になれば同じ服装と同じく一歩ずつ及び腰で彼が出勤した。愚鈍な熊の「愚鈍」だけなくなったのが異なっていた。動作は依然として鈍くてもどもりはかなり良くなって、それだけでもはるかに良く見えた。更に機械のように繰りかえしていた出勤後教育事項を一つ一つ仕上げた。屋外のテーブルと室内のテーブルを掃除して、空いている陳列台に商品をそろえ、廃棄商品を整理して、させてもいないウォークイン冷蔵庫をふきんで磨いた。

 これ以上研修教育を受ける必要がないようだった。教えることがなかった。彼もシヒョンに訊ねず理解してよく働いた。そうすると、彼女が彼に訊ねたいことが出てきた。夕方の繁忙時でもお客が途絶えて、シヒョンとドッコさんはカウンターに立って一緒に海苔巻きと牛乳を摂った。

 「小父さんは昼どこで過ごしますか?」

 イチゴ牛乳を一つも残さず飲んだ後、シヒョンがドッコさんに訊ねた。ドッコさんは海苔巻きを慌てて咀嚼して丸のみして、彼女の方を向いた。

 「社長さんが・・・仮払いしてくれました・・・。それで・・・ソウル駅の向かい側・・・ドンチャ洞・・・狭い部屋・・・あります。」

 「それなら狭い部屋で昼寝て、夕方出てくるのですか?ご飯もそこで作って食べて?」

 「狭い部屋・・・棺のようです・・・。横たわれば終わり・・・。仕事終わって家に行って廃棄サンドウィッチ食べます・・・。寝てから出て・・・ソウル駅でTVを見て…来ます。」

 「ソウル駅に行かなければいいじゃないですか?そうしてホームレスの友達に会って連れていかれたらどうするんですか?」

 「そうじゃないです・・・。ソウル駅はTVを見なければなりません。人の見物もしなければならなくて・・・。」

 「小父さん、今上手に話します。今過去も思い出すことがありませんか?家や家族、職業何かそんなものを思い出しませんか?」

 ドッコさんはしばらくぐずぐずして首を振った。それから残った海苔巻き二つを口に投げ込んでストローを差し込んだ牛乳パックを摘まみ上げた。彼が力いっぱい牛乳を吸い込む姿が、まるで過去の記憶を思い浮かべようと努める姿に見えたのは何故だろうか?牛乳を飲んでからぺろぺろ舐めるドッコさんを見守ってシヒョンが訊ねた。

 「でもコンビニで働いて大丈夫ですね?」

 「すべて良いけれど・・・酒飲めなくて大変です。」

 「小父さん。仕事もできて寝る場所も食べるものもできたのに、酒が飲めないと不平を言うのはだめですよ。」

 「施設に行けば寝ることもでき・・・給食所を訪ねて行けば・・・食べることもできます・・・。仕事をすると酒を飲むことができません・・・。頭が痛いです。」

 「ああ。酒を飲めば頭が痛いのです。癖になって、飲まなくても痛いです。だからずっと飲まなければ頭がよくなるはずです。わかりますよね?」

 彼がシヒョンに向かって小さい目が見えないほど微笑して見せた。シヒョンは人生の先輩だった彼にコンビニの先輩として教えることをすべて教えたと思った。

 「今もう卒業です。小父さんが仕事を全部学んだようなら、8時に来ないで10時に出るようにと社長さんが言いました。だから、明日からは10時に来てください。」

 「ありがとうございます。おかげで・・・よく学びました。」

 「とんでもないです。」

 「本当です・・・。シヒョンさんは教える場合に・・・う、才能があるようです・・・。頭にまっすぐ入ってきました。」

 「この小父さんが世渡りが上手ですね。やはりホームレスになる前に羽振りが良かったようで・・・・、率直に私が何かをするときに変だと思ったことがありませんか?」

 「いいえ・・・。僕は・・・がらんと空っぽでした・・・。本当にがらんと空いている頭なのによく教えてくれました。信じられなければ・・・インターネットにあげてください。そのレジの使い方・・・本当によく教えてくれました。」

 「そんなものをインターネットのどこにアップしますか?」

 「ユ、ユーチューブに・・・。」

 「ユーチューブ?ユーチューブですか?それをどうしてアップしますか?」

「必要な人が・・・必要です・・・。」

「たくさんおっしゃるから、同じことをくりかえしますね、だからユーチューブにレジの使い方をアップするですって?」

 「た、助けになるでしょう。コンビニも多いし・・・アルバイトも多いじゃないですか・・・。僕に教えてくれた・・・ことだけでも知らせればー。」

 「小父さん。私は自分のことで精いっぱいで何故他人を助けようと苦労しますか?うちに帰れば授業の予習して寝るだけです。」

 「僕を助けてくれたじゃないですか。」

 「それは・・・社長さんの指示だから。」

 「社長さんの指示でも・・・よく教えてくれたじゃないですか。」

 その時シヒョンはぱっと我にかえった。いずれにしても自分がこの男を本当に助けてやったこと、自分はそれを自慢してもいいのだった。

 「それでユ・・・チューブそれ…お金になるんだそうです。TVで言っていました。」

 ドッコさんが目をパチパチさせてシヒョンに言った。いつもと同じなら、愛想笑いをしただろうが、彼女はすぐ考え込んだ。そして、しばらくログインしなかった自分のユーチューブIDと暗証番号を思い出そうと努めた。


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読書感想337  ①琥珀の夏 ②自白 ③磯田道史と日本史を語ろう ④黒幕の日本史

2024-02-24 00:00:58 | 小説(日本)

黒幕の日本史の画像磯田道史と日本史を語ろうの画像自白 刑事・土門功太朗の画像Amazon.co.jp: 琥珀の夏 (文春文庫 つ 18-7) : 辻村 深月: 本の画像

①琥珀の夏                

 面白さ:☆☆☆☆

 著者: 辻村深月   生年: 1980年   出身地: 山梨県  

   出版年: 2021年  出版社: (株)文藝春秋

 コメント:40歳になる弁護士の近藤法子は「ミライの学校」の跡地から発見された女児の白骨死体が自分の孫ではないかと心配する吉住夫妻の依頼をうけて、東京にある「ミライの学校」の事務所に安否確認に訪れる。「ミライの学校」は子供の自主性とコミュニケーション能力を育てることを目的にして、子供を親から離して集団で生活している施設だった。静岡県の山の中にあった「ミライの学校」は外部の小学生を夏休みの1週間だけ招待した。法子も4年生から6年生まで3年間参加し、そこで幼児の時から集団生活しているミカに会い、友達になった。法子とミカが1章ずつ交互に語って「ミライの学校」と事件の真相があかされていく展開になっている。理想を掲げながら子供の心を無視する異常な雰囲気が立ち込める「ミライの学校」、親はいなくても子供は育つということなのか。疑似宗教団体のような組織なので、現実の宗教団体の子供達を思い浮かべてしまう。

②自白 ー刑事・土門功太朗

 面白さ:☆☆☆☆

 著者: 乃南アサ     生年: 1960年  出身地: 東京都

 出版年: 2010年     出版社: (株)文藝春秋

 コメント:4つの短編からなっている。土門刑事が解決する事件。犯人の異常性が際立つのが「渋うちわ」。

 1.アメリカ淵

  桧原村の秋川渓谷で発見された女性の死体。横田基地の米軍の兵士もよくキャンプに来る所なので、アメリカ淵と呼ばれている。

 2.渋うちわ

  歌舞伎町で60歳ぐらいのちんちくりんの小母さんに儲け話を持ち掛けられた風俗店に勤める若い男。

 3.また逢う日まで

  窃盗容疑者の男女を追う警察。二人は子供を産んで連れて歩いていることがわかる。

 4.どんぶり捜査

  タクシー強盗が連続して起こる。

③磯田道史と日本史を語ろう

 面白さ: ☆☆☆☆

 著者: 磯田道史   生年: 1970年    出身地: 岡山県

 出版年: 2024年         出版社: (株)文藝春秋  文春新書

 コメント:様々なテーマについて14人との対談になっている。

 1.阿川佐和子   「磯田道史」ができるまで

 2.半藤一利    日本史のリーダーを採点する

 3.篠田謙一/斎藤成也  日本人の不思議な起源

 4.堺屋太一/小和田哲男/本郷和人 信長はなぜ時代を変えられたのか?

     5.  酒井シズ   戦国武将の養生訓

 6.徳川家広  徳川家康を暴く

 7.浅田次郎  幕末最強の刺客を語る

 8.杏  歴女もはまる! 幕末のヒーローたち

 9.中村彰彦  「竜馬斬殺」の謎を解く

 10.養老孟司  脳化社会は江戸から始まった

 11.出口治明  鎖国か開国か? グローバリズムと日本の選択

 12.半藤一利  幕末からたどる昭和史のすすめ

 どれも面白いが、「3.日本人の不思議な起源」の中で骨で徳川の正室、側室25人ぐらいを調べた時に、側室の骨格が頑丈ですごく立派なのに対して、正室は華奢で顎も細いという部分、美人かどうかではなく、丈夫さや健康かどうかを基準にして選ばれているとの記述だった。母系をたどることのできるミトコンドリア遺伝子は日本ではアジアにある20以上の系統が存在している。ヨーロッパでは10系統ぐらいなので、日本の多様性がわかるという。また男系の遺伝子をたどることのできるY染色体も多様に残っている。だから騎馬民族のような征服王朝は来なかったと結論付けている。チンギス・ハーン系のY染色体を持つ人が世界中に1600万人いるという研究や、南米ではスペインや西ユーラシア由来のY染色体がほとんどだという研究がある。このように征服者の遺伝子が浸透するのに対して、日本は純血主義で身内、いとこ結婚が多く多様性が保持されてきたそうだ。古代史は推測につぐ推測で科学的な推論がほとんどできない分野だが、ここでは遺伝子を使って科学的に解明されていく爽快さを感じる。

④黒幕の日本史

 面白さ: ☆☆☆☆

 著者: 本郷和人   生年: 1960年    出身地: 東京都

 出版年: 2023年     出版社: (株)文藝春秋  文春新書

 コメント:「ポスト(地位)と実権が必ずしも一致しない。」これは日本の歴史の大きな特徴で、地位と実権が別々である状態は黒幕的な存在を生みやすいと著者は述べている。ここでは「ウラの存在でありながらオモテを動かした人物」だけでなく、「地位と実権、実績に大きなズレのある人」、「重要な役割を果たしたが目立たない存在」を取り上げている。

1.宇多天皇  オモテがウラになる時代

2.信西  世襲の壁が生んだ黒幕

3.北条政子  女人入眼の日本国

4.中原親能  下級貴族、鎌倉へ行く

5.極楽寺重時  京都に学んだ幕府のご意見番

6.海住山長房  後鳥羽挙兵に反対した実務貴族

7.平頼綱  肥大化した側近エリートの末路

8.北畠親房  正統を追求した「黒幕」

9.三宝院賢俊  「錦の御旗」を持ち帰った尊氏の密使

10.細川頼之  室町王権の設計者

11.三宝院満済  将軍への意見を突き返した「黒衣の宰相」

12.黒田官兵衛  「軍師官兵衛」といわれるが・・・

13.千利休  茶の湯と政治

14.高山右近  前田家を救った「意外な黒幕」

15.伊奈忠次  家康から過小評価された民政家

終章。西郷隆盛  「維新の英雄」のウラの顔

知らなかったことが多く面白かった。「5.極楽寺重時」北条泰時の弟で7年間京都の六波羅探題を務めた重時は、法然の浄土宗に帰依し撫民の思想を持つに至った。東国の武士たちは在地地主であり、領民は視野に入っていなかった。もとより貴族たちにとっても地方は収奪の対象でしかなかった。承久の乱ののち朝廷は統治の基を「徳」、人々へのサービスに見出した。裁判を盛んにおこなって、人々のトラブルを解決することに努めた。その京都の影響を受け、撫民の思想を鎌倉幕府に持ち込んだのが重時だ。子供たちに残した家訓の一つ。「百姓をいたわれ。徳もあり、罪もあさし」「15.伊奈忠次」は家康の命で江戸湾に注いでいた利根川を鹿島灘に流れ込む大工事をした人。そして農民に対して様々な勧業政策を行った。蚕を飼うこと、炭を焼くこと、塩を作ることを奨励し、方法を教えた。麻、楮の種なども与えた。農民の暮らしを豊かに楽なものにしようとした。撫民の思想を実現した最初の民政家だという。


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翻訳(韓国語→日本語)不便なコンビニ(クレーマーの中のクレーマー)2-6

2024-02-15 18:46:46 | 翻訳

韓国語学習目的で営利目的はありません。

著者 : キム・ホヨン

(6)

 しかし、ドッコさんが一度にエッセチェンジ4ミリを摘まみ上げ、バーコードを写すではないか?クレーマーは勝負欲にかられるのか、今度はカードをぽんと投げた。ドッコさんはおとなしくカードを摘まみ上げ計算を進め、クレーマーにカードを渡した。

 「袋は?」

 奴が試験するように訊ねた。シヒョンは努めて我慢し何もしなかった。ドッコさんは商品と奴を交互に見てにやっと笑った。

 「そ・・・そのまま持って行って。袋・・・ビニールで・・・環境によくないので。」

 既に表情が固まったクレーマーがしてみようというように上体をドッコさんに突き出した。

 「俺のうち、ここから遠い。袋なしでどうやってこれを持って行けと言うのだ?」

 「で、でも・・・買う。」

 「あらかじめ言ってくれなきゃ。それどれぐらい買うとカードに入れろと言うのだ?ただで一つくれ。」

 「そ・・・それは・・・難しいから?」

 「なに、お客に面倒をかけたら、解決してやらなければならにんじゃないか?ここコンビニじゃないか?そうかそうじゃないのか?」

 クレーマーがくどくど言った。悪戯と脅迫が混じった口調に緊張感が漂った。ことが大きくなった。緊張したシヒョンが出ようとすると突然ドッコさんが手のひらを叩いた。

 奴とシヒョンが手持無沙汰の間に彼は倉庫へ行って自分のエコバッグを持ってきた。何かボランティア団体のロゴ描かれている、みすぼらしくすり切れたエコバッグを持って来てから、レジの横で中身を叩いた。ボールペンとノート、廃棄サンドウィッチが全部だった。ドッコさんは空のエコバッグにクレーマーの菓子を詰め始めた。奴は舌打ちしてそんなドッコさんを非常に珍しい動物を見るように観察した。

 「お前今何をしているのだ?」

 「ここに詰めて・・・行けと・・・。」

 「その汚いものに品物を詰めてどうする?」

 「汚いもの・・・洗って使えば・・・いい。」

 見るに堪えないシヒョンが乗り出した。

 「すみません。この人は初めてで・・・ビニール袋に詰めて差し上げます。」

 シヒョンが品物を詰めたドッコさんのエコバッグを掴んだ。しかし、ドッコさんは微動だにしなかった。慌てているシヒョンを後ろにして彼は手をさっと伸ばして奴の鼻先にエコバッグを突き付けた。クレーマーはドッコさんをしばらくにらみ、シヒョンは耐え難いままドッコさんを振り返った。

 ドッコさんの小さい目はほとんど瞑っているようだったが、それで一層恐ろしく見えた。じっと閉じた唇に続く広い顎は強力な武器のように飛び出ていた。ドッコさんは無言のままエコバッグを突き出して立っていた。シヒョンはどうするべきかわからず、もう一度クレーマーを振り返った。奴はぷくっと飛び出した目でドッコさんを殺すようににらんだが、微動だにしないドッコさんの態度に困惑したようだった。たちまち奴が苛立った表情でドッコさんからエコバッグをひったくった。秤の重りが傾くようにクレーマーはエコバッグをぶら下げたままコンビニを出て行った。

 瞬く間にがっちりした男の気力勝負にシヒョンはエビのように背と腰が曲がったようだった。今に何があったのかというようにドッコさんはノートにボールペンで「必ず袋を先に・・・」と記していた。シヒョンは戦雲が漂った彼の恐ろしい表情を努めて忘れようと声を整えた。

 「ドッコさん。いずれにしても袋を上げなかったのは良かったです。」

 「ご、ごめんなさい。僕が・・・忘れました。シヒョンさんが・・・はっきり教えてくれたのに・・・。」

 「謝ることではなく、次からは忘れないでください。そして・・・いくらクレーマーでもお客はお客なので喧嘩はだめです。」

 そうするとドッコさんがにやっと笑って見せた。

 「二人までは・・・びくともしません。」 

 二人と喧嘩できるのか、お客2名を一度に接客できるのかわからなかったが、彼の笑う顔に少し前の恐ろしき目つきは見つけられなかった。彼女は一息ついて直前の気がかりを思い浮かべた。

 「ところでタバコどうやってあのように簡単に見つけたのですか?」

 「ゆ、昨夜タバコのお客が多くて・・・ざっと覚えました。エッセはエッセウォン、エッセスペシャル、ゴールド、エッセスペシャルゴールド1ミリ、エッセスペシャルゴールド0.5、エッセクラシック、エッセス0.5、エッセス0.1、エッセゴールドリーフ、エッセゴールドリーフ1ミリ・・・。」


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