『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

四季折々593  南大沢の春爛漫2

2015-03-31 09:59:34 | まち歩き

小山内裏公園の向い側にある小さい内裏谷戸公園。樹木が大きく育っていて見ごたえがある。

木蓮。

「大空に木蓮の花のゆらぐかな」(虚子1874年~1959年))

椿。

「椿落ちて昨日の雨をこぼしけり」(蕪村1716年~1783年)

雪柳。

パンジー、アラカルト。

「雉子の尾のやさしくさはる菫かな」(秋色1669年~1725年) 

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読書感想170  極北ラプソディ

2015-03-26 18:24:59 | 小説(日本)

読書感想170  極北ラプソディ

著者      海堂尊

生年      1961年

出身地     千葉県

職業      外科医、作家

出版年月    2013年10月

出版社     朝日新聞出版

 

★感想☆☆☆☆

 財政破綻した極北市。今中良夫は母校極北大学の医局に戻るようにという要請に応じず、極北市民病院に残った。以前は時給のアルバイトの外科部長だったが、今は常勤の外科部長兼副院長に納まっている。新しく来た院長の世良雅志と医師二人体制である。極北市民病院の再建を図る世良院長は、病院に大鉈を振るった。1つ目は救急患者を受け付けず、隣にある雪見市の極北救急救命センターに全面委託すること。2つ目は入院病棟を閉鎖して常勤スタッフを削減すること。三つ目は出来るだけ投薬せずに薬剤費を徹底的に抑制すること。

4つ目は残っている看護師に訪問看護させること。5つ目は診療費をとること。

救急患者の診療をしないという方針に非難が集まる中、世良院長は今中良夫医師をドクターヘリを備えた極北救急救命センターに出向させることを決めた。

 前作「極北クレイマー」の続編が本書である。過疎の地域での広域医療について、ドクターヘリ運行上の問題など、啓発されることが多い。医療関係者が一癖も二癖もある変人ぞろいだが、医療については献身的で真面目だ。そしてここでは医者の恋愛する対象が看護師だ。医療に真面目に取り組んでいればそうした職場結婚が当然なのだろう。医者と看護師の身分違いの恋は出てこない。それが爽やかでもある。

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読書感想169  極北クレイマー

2015-03-22 16:33:58 | 小説(日本)

読書感想169  極北クレイマー

著者      海堂尊

生年      1961年

出身地     千葉県

出版年月    2011年3月

出版社     朝日新聞出版

 

★感想★★★

 教授に反論したことから極北大学の医局から出張を命じられた今中良夫は、時間給アルバイト待遇の外科部長として極北市民病院で働くことになる。北海道の極北市は人口10万で、広大な牧場だけで地場産業に乏しい。かつて無理して遊園地を造り、極北山にスキー場を建設し、豪華なホテルを誘致したが、観光客の足は遠のき失敗した。そうした出資が市の財政を圧迫し、財政破綻するかもと噂されている。極北市民病院も市の財政を圧迫し赤字の原因の一つになっている。患者は医療費を滞納し、入院患者も少ない。病院には医師が4人、室町院長、三枝産婦人科部長、後藤医長、そして今中外科部長。いつもテレビを見ている薬剤師、煎餅をいつもかじっている看護師、入院患者が褥瘡(重症の床ずれ)を起こしているのに薬がないといって放置する看護師。トイレは昔ながらの和式おとし便所。無気力な医療現場の雰囲気を変えるスノウ・エンジェル、桃色の眼鏡をかけた雪だるま、派遣の皮膚科の医師だと名乗る姫宮香織が現れる。

 コミカルに財政破綻していく市や病院の様子が描かれている。それでも一見無気力に見えながら、きっかけがあれば医療の原点にもどってしっかりやろうとする姿に、医療に携わる人間の良心を見る思いがする。究極のところでなぜ医者なのか、なぜ看護師なのかということが問われる環境なのだ。そのことを著者は描きたかったのかもしれない。

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