千切れ雲形を崩し飛んでいく<o:p></o:p>
静寂を破って一機空高く<o:p></o:p>
音もなくハイブリッドが近づいて<o:p></o:p>
雪の朝スコップ片手雪をかく<o:p></o:p>
陽だまりの林の中で雪落ちる<o:p></o:p>
ぼたぼたと枝を震わせ雪落下<o:p></o:p>
雪原が広がるここは分譲地<o:p></o:p>
チップスを食べて楽しい語らいよ<o:p></o:p>
カラメルの味がしみ込むポップコーン<o:p></o:p>
雪を踏み今年はじめてブーツ履く<o:p></o:p>
私が家だと記憶している家はほとんど風から自由ではなかった。そのせいか風の音が今も聞こえてこなければ、かえって眠れなかった。3年5か月前に大通りの端の10階建てのアパートの10階のこの家に引っ越しするようになったのは、ひょっとすると風の音に導かれてなのかもしれなかった。私は2年6か月間窓を開け、だいたい10分ぐらい日光に当たりながら耳を傾けてやっと風の音だと聞こえる、とても穏やかなアパートに住んでいた。フアンと6か月、彼なしで2年、その家に住んだ。風の音のない死のように穏やかな、その家に閉じこもって2年過ごしたのは、所々にフアンの息遣いがしみ込んでいたからだった。その家からせいぜい1ブロック離れた大通りの端の10階アパートの10階に引っ越ししながら私はフアンに一抹の罪責感を感じた。3年5か月をどうやってすごしたのかわからなかった。湿気とカビと亀裂が深刻だが、私は新しい家に愛着を持った。大通りの端の10階アパートの10階は死のように穏やかな時間がなかった。新村と光化門とソウル駅とヨドンポを行き来する、すべての種類のバスの音と近所の癌センターを出入りする緊急救急車の音、触れることもなく北から迫ってくる風の音、そこで日光が砕ける音まで。私はこの家で始めて、窓に降り注ぐ光がどれほどうるさいかがわかるようになった。招かざる客がやってきてから、私はしばしばこの都市を離れる夢を見たりした。私が家を離れなければ家が私から離れるという荒唐無稽な夢も見た。どうして家にしがみついて離れないようにしたのか、夢から覚めてみれば私の体はベッドの端に辛うじてかかっていて、ベッドの上は喧嘩の跡のようにすべてが荒々しくもつれていた。私は夜明けの薄暗い中で夢の現実を直視しようと目を見開いた。1万メートルの虚空の闇の中で広がる映像が、夢なのか見分けることができないほど、朦朧として回った。子供が長寿カナブンを飼って、ときおり光の中に姿が見えたフアンがヤドカリのように手を振る姿が消えた家は、この世界のどこにもなかった。<o:p></o:p>
夜になるとタンクが通り過ぎる音は静かになった。雹が落ちる音もぽとっと止んだけれど晴天に突然の雷が轟くように、突然頭の上を何度もたたくようだった。タンクが通り過ぎる音も雹が落ちる音も聞こえなくなるや、風の音が大通りの端に建っている10階アパートの10階の家の窓を時々揺すった。風を入れようと窓を開けて首を突き出していてアパートの外壁の亀裂が目についた。そうでなくても年が替わったら引っ越しするつもりだった。亀裂の問題だけではなかった。1年延びてきた売買が私が家を空けた間に成立したのだった。長い間進展せずに、よりによって私が東ヨーロッパから戻ってきた日に、休む暇もなく招かざる客が訪れた。屋根から出るうるさい音がタンクの通り過ぎる音なのか、雹の落ちる音なのか判断しようとトランクの横で静かに耳を傾けている時だった。ドアを開けるや40代の中年の男と彼より少し年下に見える中年の女性と6,7歳のちびっこが額縁の中の家族の肖像画のように固まって立っていた。彼らが誰か把握するのに少しも時間がかからなかった。彼らは私の子供の母方の祖母と父方の祖母のどちらかの強い反対によって、家の下見もできないまま大金のアパートを購入した鷹揚な人達だった。まだ残金を支払っていないので、完全な所有者ではなかったが、私は礼儀を尽くし、彼らの勇気ある購入に一層敬意を表してこの部屋あの部屋と折り目正しく案内した。第一にまず台所。女は台所の窓から見える低い丘とその下に広がる絵のような家並みを眺めてハアと言って、口をあけて閉じることができなかった。ハア、眺め一つで最高の気分にさせてくれる。男も女のそばに立って女と同じように口を開けて閉じなかった。私は彼らが感嘆するまで彼らの後ろで手を後ろに組んで行ったり来たりしながら、どうすればその幸福な家族に家の下見を十分にさせられるか苦心した。その次はトイレ。居間のトイレを経由して寝室トイレへ行った。私が指で天井を指すや男は生唾を飲み込み咳払いをするために、そのまま目を開けることができなかった。男でなければ女に黒く着色された天井の実態を正確に把握できるように長い間浴室を見せてやった。次は床が黒いしみのようにまっ黒くなっている3つの部屋とベランダの壁。私がベランダの窓を広々と開けるや男と女と子供はまぶしそうに顔をしかめ後ろに下がった。なぜ外を見ろというのかとまごついている女に、私はゆったりと腕組みをして頭を外に思い切って向けるように勧めた。女は若干怖いような表情を男に向けたが、今まで折り目正しく誠心誠意家を案内した私のことを思って実行するように消極的に頭をそっと窓の外に突き出した。私はのっしのっしと女に近寄って彼女の頭を外に十分突き出せるように後頭部を力一杯支えてやった。女はびっくり仰天して頭を中へ引っ込めた。私はおどおど震えている女を退かして、危険に見えるように窓の外に頭をにゅっと突き出してはあちらこちら素早く回して見せた。そうしてからもう一度女にしてみるように勧めた。女は3度そうしてみて外壁の亀裂状態を確認した。彼らは初め入ってきたときの少し上気していた表情を完全に変えておとなしく私の家から出て行った。私は1枚の家族の肖像画がエレベーターに乗せられて下りて行く光景を最後まで見届けた後ドアを閉めた。<o:p></o:p>
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