花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

頭光踏蓮│赤と緑・其一

2021-10-28 | アート・文化

芹沢銈介・型絵染/「民芸」第百号 四月号表紙
上人頭光踏蓮図 関白九条兼実感見/「極楽から来た」第三十三章 室津の旅びと(一)挿絵


「緑」と「赤」は切っても切れぬ濃い縁があるのではないでせうか。さうしてこの二色の調和が、美の国を彩ってゐる大事な要素になってゐるのを感じます。自然も亦この事実を示す為に、葉には緑を花には主に赤を与へてゐるのではないでせうか。「柳緑花紅」に真理の真理をみつめる禅意にも、微妙な趣きの漂ふのを切に感じないわけには参らないのであります。
(随想「朱と緑」│「民芸」第百号 四月号, p19)
(「赤と緑」│「柳宗悦随筆集」, p273)



「十月 山河の色どり」/「装幀図案集 第一集」

参考資料:
佐藤春夫著, 芹沢銈介挿絵:「新版 極楽から来た」, 浄土宗, 2011
「民芸」第百号 四月号, 日本民芸協会, 1961
水尾比呂志編:岩波文庫「柳宗悦随筆集」, 岩波書店、1996
水尾比呂志編, 柳宗悦著:岩波文庫「美の法門」, 岩波書店, 1995
芹沢銈介:「装幀図案集 第一集 表紙十二ヶ月」、吾八, 1981