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四 柚 く遅奈し│「四季の花」冬之部・壹, 芸艸堂, 明治41年
「山梔子」はアカネ科、クチナシ属の半常低木クチナシ(梔子、支子)、学名Gardenia jasminoides Ellis forma grandiflora (Lour.) Makinoなどの成熟果実から得られる生薬である。清熱薬に属し、薬性は苦、寒、帰経は心経、肺経、肝経、胃経、三焦経で、効能は清熱瀉火・除煩、清熱利湿、凉血止血(欝熱を冷まして除き、胸中の熱感・不快感や不眠を解消する。利尿作用により熱を尿から排泄する。血熱による吐血、鼻出血、血尿を改善する。)である。方剤例には、黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯、梔子柏皮湯、清上防風湯、茵蔯蒿湯などがある。
クチナシの花期は6~7月で芳香のある白色の花を咲かせ、10~11月に赤黄色に結実する。染料としても用いられ、染め上がった濃い黄色が「支子色・梔子色」(くちなしいろ)で、別名「不言色」(いわぬいろ)である。果実は成熟しても割れずに口を開かない(すなわち口無し)。「山吹のいはぬ色」は、山吹のくちなし色(いわぬ色)と、物言わぬ悶々の心中(口無し)の意をかけている。
御返し 円融院御歌
九重にあらで八重咲く山吹のいはぬ色をば知る人もなし
新古今和歌集・巻十六 雑歌上・1481
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山梔子│多紀元悳著「廣惠濟急方」中巻・卒暴諸證・外傷之類, 東都書肆, 寛政二