奈良華展の後期展示で竹の盛花作品に携わらせて頂いた。本年は自然災害が重なり、各地では竹の花が咲く現象が報告された。当初御手配下さった花材が入手困難となり、急遽、医院庭の隅に生えている金明竹に出場権を頂戴した。前日に切りそろえて水揚げをした竹を束ねて、明日待たるゝその宝船とばかりに生け込み当日、華展会場へ出陣した。
幸い三日間の展示期間中に竹葉が萎れることはなく、最終日は生け込んだ竹のみならず、お仲間の先生方より添え花にと頂戴した貴重な花材の残花の全てを持ち帰った。流派華展終了後、華展の興奮が冷めやらぬ内に、自宅の様々な花器に余すところなく生け込むのが毎年恒例のひとり華展である。出瓶作品の竹と花は、二回り小さな水盤に生け込むべく切り揃えて生け直した。
末尾ながら、令和になりはじめての秋の華展開催に際し、御多忙のお時間を割いて各地より御来場下さった皆々様に、流派の一員として心より御礼を申し上げます。