花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

第30回 大和未生流いけばな展 2018│やまとの秋

2018-09-13 | アート・文化


華道大和未生流、第三十回いけばな展が六日間の会期で開催された。華展最終日、後期展示で御指導のもとに担当させて頂いた盛花作品の花材を持ち帰り、茅(ちがや)と未草(ひつじくさ)のみ取り変えて水盤に生け直した。残花もまた一本も無駄にはせずに、家にある花器に様々に挿してみた。本年の日本列島は次から次へと台風、地震、洪水などの自然災害に見舞われた。寒の季節がようやく終焉と思いきや、次の萌えいずる春や薫風の首夏は短く、酷暑が始まるや何時終わるとも知れず、延々と全てを焼き尽くす炎熱の夏が続いた。季節の到来や移ろいをしみじみといとおしむ機会は失われ、この先、四季折々の風物に恵まれていた日本は、ひたすら暑い夏とただただ寒い冬の二つの季節だけの国になってゆくのだろうか。そうなれば、これまでの気候風土に育てられた、日本人のアナログ的な心情も様変わりしてゆくに違いない。

まさに激動の日本の只中、移りゆく季節の風趣を楽しむ気分にならない御方もおられるだろう。それにもかかわらず、今期のいけばな展は、昨年度の来場数をはるかに上回った沢山の御方をお迎えすることが出来たと伺っている。御多忙の中を華展会場にお越し下さり当流の花を愛でて下さった御方々に、末筆ながら流派の一員として心より御礼を申し上げたい。