ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

松竹座のヤマトタケル4

2005-05-22 21:51:30 | ヤマトタケル
・・・この週末、ファンもラストスパートに入ったのか
猿★征組&地元ファンからリアルタイム報告メールが携帯に入り
自分の猿★征の記憶が薄れかけています....
もちろん、印象が薄い舞台ということではなく、
あまりにも熱い報告を貰うので、
まるで自分がその場に居たかのような気分になり
自分のなのか他人の感想なのか、混在してしまうのでした。

地元関西の子が観ても舞台の濃厚さが増しているようで、
演舞場と比べ、また今月前半と比しても「濃い濃い」と感想が届きます。
(「来い来い」と読める空耳ならぬ空目アワー)
今週土日勤務の身には、こうしたプチ報告が労働の励みとなりましたが。

●5月6日昼の部

初日からの観劇で、中央ブロック前列と今回猿★征の中では一番の(?)良席。
まあ、“一番”というのは語弊があるかもしれませんね。
観劇のポイントによって、その時々「良い席」というのは変わってきますから。
猿之助さんのスーパー歌舞伎でのお勧めは、二階最前列なんですよねー。
(よく、トークショーなどで仰ってました。)

◇松竹座版たっぷり化へのコメント◇

【段ちゃんタケル】
初日は、今まで観た中では、手加減して樽を投げたり蹴ったりしてる?
と思いましたが、5日の段階ですでに、やっぱり、
ドッヂボール大会に戻ってました(^_^.)
熊襲の兵士が止められなかったら確実に客席に落ちる大直球。
皆、サッカーのゴールキーパーよろしく止めてましたね~。
二重の意味で迫力満点。
(片付けに入る民衆の皆さんもスピードアップ!)

二幕冒頭の焼津で、後を追ってきた弟姫に対し、タケヒコに促され
「ならば一緒にまいろう~」と弟姫を抱こうとする際の両腕の広げ方
そして彼女の背への手の廻し方も、
ちょっとウケに入ってます?というような大きな振り。
(ここは、右近タケルもかな)

また、時系列的には二十代前半だと思うのですが@三幕
自己主張するみやず姫を見る目が、かなり中年のおじさま仕様。
いや、ルックスは若いのだけれど、目じりの下がりっぷり度が・・・
(演舞場後半くらいから結構キテましたが↑(~o~))
でも、どちらかというと、全般的に苦衷が前面に出るタケルの芝居の中で、
この場の、ほ~っとみやずを眺めるタケルの明るく輝く笑顔を
(私たちが)眺めるのは嬉しいひとときですね。
婚礼ダンス(?)ののびやかさも、かなり好きです。
すぐに怪しい影が後景に控えるのですが・・・・

【右近さんタケヒコ】
タケルを追いかけてきた弟姫とタケルのやりとりを窺うところ、
それを受けてのリアクションが大きくなっています~。

【熊襲兄弟】 
捨て台詞っぽいやりとりのところが、微妙にバージョンアップ(?)

【兄姫】
序幕の柱からの出のコワモテ度も増してます。う~ん、確かに
そんなに怖いと、おぼこそうな妹に行ってしまうよ~
と、大碓に肩入れしてどうする、って感じですが(^_^.)
それから、演舞場からそうですが、藤娘・・・じゃなくて藤の衣装での
上手からの出のモデルウォーク&ポージング(なのか?・笑)が、
さらに堂に入ってます。ホント、この一瞬の為の豪華な衣装、嵩張る(!)
髪飾りですから。この第一弾スーパー歌舞伎創造の際、猿之助さんが
「衣装も、ファッションショーの要素があるくら豪奢に。」と
仰ったことがまさに具現されていますね~。

【みやず姫】
草薙の剣が更に?重くなったのか~。
重力は東京も大阪も不変だと思うのですが(笑)←正確には、笑也バースデーの
4月14日頃から加重された模様(観た人限定(~o~))
焼津でタケルに介添えする弟姫は、軽やかに扱っているんですけど。

【倭姫】
台詞が追加されたのは前述の通り。
作為的に台詞廻しを「濃く」されているという事ではなく
これは、観客の方がウケに入っている感じです。
台詞自体の面白さもあるかもしれませんが、
「間」の使い方の絶妙さが、大いに効果を上げています~。

【弟姫】
走水では、福助さん(当時:児太郎さん)の時もそうでしたが、
タケルに自分の想いを訴える弟姫の台詞廻しが、
当初は結構甲高くヒステリック(と言っては言い過ぎかな)に聞こえる時も
あったのですが、春猿さんも、前回上演時は、その福助さんのいき方を
なぞっているように見える事もありましたが、今回は、かなりトーンを
押さえているように思います。今回の猿★征中の観劇で、特にこの6日は、
非常に落ち着いた台詞廻しで、タケルに訴えるというよりは
諭すような雰囲気で、一言一言がじっくりと胸に響く感じで、
いよいよ入水の激しいシーンよりも、印象的でした。
タケルに手を差し出し対峙する刹那、まったくの無音の中(浪音はありますが)
そのあたりが「たっぷり」で、泣けました(/_;)

【ヘタルベ】
こちらも演舞場中盤から、かなり凄い事(~o~)になっていて、
陵前の芝居は明らかに延びてますよね~。ヘタルベって何歳くらいの
設定なんでしょう。「若者」なのか「少年」なのか・・・
この場の台詞は全部張りっぱなしなので、もう少し、言葉を大切にして
抑揚や感情の乗せ方にメリハリつけると、より伝わってくるものが
あると思うのですが。引っ込みのハチャメチャダッシュは大好きですけど!

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