第2部 ガガと幸之助
紘一郎雑記
昨日より続く
ドイツの格言に「苦さの味を知らぬ者は甘さも分からない」というのがあるが、きっと苦労や下積み時代があったからこそ、人の痛みが分かり、弱い人の立場が分かり、人に優しくなれ、天職ともいえる音楽やファッションを通じて人に喜びや感動や勇気を与えられることに、人一倍喜びも感じられるのであろう。これが何の苦労もなくスターになっていたらどうであろうか。すぐに天狗になりせっかくの才能も活かすことが出来なかったかもしれない。
宮大工の小川三夫(おがわみつお)は「石や岩の間から芽が出て、風雪に耐えて大きくなった木が、何百年ももつ頑丈な大木になる」という。温室で育ったような木はフニャフニャで、すぐに倒れたり腐ったりする。
このことは人間も同じであろう、風雪に耐えて苦しい中から芽を伸ばしていった人はまことに強いといえる。実際に昔の偉人となった人達は、苦境を活用し成功の糧としてきた人達ばかりである。
このようなことは「成功の法則」といわれるような本にもたいてい書かれていることである。
それでは失敗や挫折の経験がない人は大きな成功は得られないのか? ということになるが、そうではないと思う。そのことを私は松下幸之助が遺した言葉に触れた時になるほどと感じた。その言葉とはこちらである(ぜひご一読いただきたい)
松下幸之助は順境の時にはどう心掛ければいいかを教えてくれている。そして今まで順調であったとしてもこれから先もずっと順調で行く人はまずいない。生きている限り誰でも逆境に見舞われることは必ずある。その時は、今こそ本当に自分をきたえ、大きく成長させるチャンスだと思い頑張ればそれでよいのだと思う。
生きる指針を与えてくれる先人とは何とも有難い存在である。