野田総理、やっぱり人事オンチ!
防衛相本命は五百旗頭氏だった
紘一郎雑記張
防衛相に初の民間人を起用したことで注目された野田再改造内閣だが、野田佳彦首相が森本敏防衛相よりも先に、森本氏とは主義主張が異なる民間人に防衛相就任を打診していたことが分かった。「適材適所」を強調した野田首相だが、「民間人なら誰でもよかったのか」と言われかねない“人事オンチ”ぶりが露呈した。
防衛省関係者によると、打診を受けたのは五百旗頭(いおきべ)真・前防衛大学校長。「首相自ら説得したが断られた」(関係者)という。毎日新聞が報じた。
五百旗頭氏は講演で「日本は、前の戦争で中国を侵略し、多くの迷惑をかけた」と述べるなどリベラル色が濃い。自衛隊OBからも「防衛大学校長にふさわしくない」と声があがった人物だ。
これに対し、森本氏は日米同盟を基軸として北朝鮮や中国の軍事的脅威を警告する保守的立場。五百旗頭氏は菅内閣で復興構想会議の議長を務めたが、森本氏は会議の乱立を批判していた。
森本氏はこのほか、鳩山内閣による、海上自衛隊のインド洋での補給活動撤退や、菅内閣の尖閣沖中国漁船衝突事故対応も批判していた。
野田首相はこれまで、防衛相に一川保夫氏、田中直紀氏という素人を起用し、どちらも問責決議を受けた。今回のブレに関して「防衛・安保を理解していない」との批判が出る可能性はある。
民主党の小沢一郎元代表に近い川内博史衆院議員は「国際社会に誤ったメッセージを与える」と反発。
一方、森本氏と考え方が近いとされる自民党の石破茂元防衛相も「どんなに優秀であろうと、軍事的な出来事に責任を負えるのは選挙の洗礼を受けた政治家だけ。禁じ手だ」と批判している。
野田首相にとって、防衛相人事はすっかり鬼門になったようだ。