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最古の戸籍記す木簡出土・国分松本遺跡 紘一郎雑記張

2012-06-16 05:13:30 | Weblog

最古の戸籍記す木簡出土 太宰府・国分松本遺跡
紘一郎雑記張

 福岡県太宰府市教委は12日、同市国分の国分松本遺跡から、人名や身分など戸籍の内容を記した国内最古の木簡が出土した、と発表した。

  用いられた語句から、律令(りつりょう)国家体制を整える大宝律令(701年)以前に作成されたとみられ、7世紀代にさかのぼる戸籍関連史料は初めて。国家統治の基となる戸籍制度が、大宝律令以前から機能していたことを示す貴重な史料として注目される。

 国分松本遺跡は古代の大宰府政庁から北西に1・2キロ。今年3~6月の調査で河川跡から出土した木簡10点のうち、1点(長さ31センチ、幅8・2センチ、厚さ8ミリ)の両面に、地名や人名、続柄などが記されていた。

 地名の「嶋評(しまのこおり)」は現在の福岡県糸島市から福岡市西区にかけての地域。「評」は大宝律令以前の地方行政単位で、後の「郡」に当たる。

 人名は「建部身麻呂(たけるべのみまろ)」「白髪部伊止布(しらかべのいとふ)」など16人分が確認され、「兵士」などの身分、「母」や「子」など続柄が添えられたものや、「戸」(世帯)の増減を示す「附」「去」の文字もあった。天武天皇が685年に定めた冠位の一つ「進大弐(しんだいに)」の記述もあり、「評」の表記と合わせて685~701年の間に作成されたと推定される。

 坂上康俊・九州大大学院教授(日本古代史)によると、この木簡は住民の異動を記していることから、戸籍を基に毎年作成する「計帳」に関係する可能性が高いという。

 古代日本では、大宝律令以前の法制度として、持統天皇が689年に「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」を制定し、翌690年に全国で「庚寅年籍(こういんねんじゃく)」が作られた。しかし浄御原令の実態ははっきりせず、庚寅年籍も現存していない。坂上教授は木簡について「浄御原令での戸籍・計帳制度がシステマチックに運用されていたことを示す第一級史料」としている。

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