Winding Road

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第87回高校サッカー決勝 鹿児島城西×広島皆実

2009-01-13 | フットボール全般

決勝戦にしては珍しく点の取り合い。「個」の城西と「組織」の皆実の攻め合いは面白かったですが皆実は守備も良かったですし攻守のバランスが良かった。城西を2点に抑えれば実質完封みたいなもの。特に皆実はプレスなど活発な中盤が城西を自由にさせず、そこの勝負を制して試合の主導権を掌握。組織力と中盤の機動力の勝利と言えるでしょう。

城西は中盤が機能せず攻撃はFWへのロングパスばかりで大迫勇頼みになりました。後半は14番平原を入れてサイド攻撃が活性化し、中盤が落ち着いて繋げるようになって流れが良くなりペースを掴み始めた矢先の野村の同点弾。しかしその直後、それまで城西が得意としていた得点後に畳み掛ける展開に持ち込もうとしたところで逆に失点して流れを失いました。

中盤が機能しないなりに城西は5番成元を中心に最終ラインはよく持ちこたえていました。今まで見た中でディフェンスの不安定さを最も感じなかったです。それだけ守備に難のあるチームだという事は今更言うまでもない。ただサイドの主導権争いで皆実の右SB・村田のスピードが城西の左SB・松井の上がりを封じたのは両チームにとって大きな意味を持つ結果となりました。

何だかんだで皆実は今大会3試合目ですし06年(3回戦vs室蘭大谷)、07年(準々決勝 vs津工業)と3年連続見ていますが堅守貧打の印象は拭えませんでした。しかし決勝であれほど素晴らしい攻撃のパフォーマンスとは騙された。何せ過去2年間で皆実のゴールを一つしか見ていませんでしたから。

中国地区は高円宮杯での作陽のベスト4に続く皆実の選手権制覇。サンフレユースもいて地域全体のレベルが上がっている。プリンスリーグを中心とした育成が勢力図の地域格差を徐々に無くしていて、選手権のトーナメントだけを勝ち抜くフロックはもう存在しない。今年は小粒な印象の高校サッカーでしたがユース年代全体のレベルは向上していると感じた今大会でした。最後に自分が観た中での大会ベストゲームは大津×藤枝東。これを勝る試合は最後までありませんでした。