またや…。また大田区に自転車パクられた…。パンクした自転車パクられたがな…
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すべてのメニューが450円という定食屋が会社からの帰路にある。やけに古ぼけた感じの定食屋。この地に移り住み4年近くになるが、一度も入ったことがない。好奇心旺盛なB型の宿命として、その定食屋に足を踏み入れた。
「いらっしゃい…」
店の中には齢70歳になろうかというおばばがAM放送に耳を傾けていた。内装はまるで'70年代。すべてのメニューが短冊に書かれ、「スパゲチー」、「焼肉定食(オーストラリヤ)」などの文字が乱舞している。
「初めてですか…」
「はぁ…」
周りを見渡す僕に、上下段に貼られた短冊を指差しながらおばばが言った。
「上の段が肉で、下の段がそれ以外になってますよ…」
実は店の前で僕はすでにメニューを決めていた。
「鳥のから揚げとピーマンの肉詰め定食を下さい」
この二つがセットになっている定食を僕は見たことがない。恐らくから揚げとピーマンの肉詰めが一緒に出てくるだけだとは思うが僕の好奇心を刺激した一品だ。
注文後にメニューを見返すと一番端に「ごはん150円」、「みそ汁50円」と書かれていた。やはりそれは別なのか。いまどき450円で定食を食べられるわけはないのだ。
「おばちゃん、ごはんとみそ汁もつけてもらえますか?」
「ついてますよ…」
すごい。内装だけでなく値段まで'70年代。これで料理が旨ければサイコウだ。だがしかし、だがしかし…
「はい、お待たせしました…」
そう言って運ばれてきたのはメンチカツだった。というかメンチカツに見えるもの。どう頑張ってみてもピーマンには見えない。なんじゃぃこりゃー(優作)
「おばちゃん。これってピーマンの肉詰めですか?」
メンチカツをピーマンの肉詰めか確認する悲しさ。
「え!これはメンチカツだよ。あらーおばちゃん聞き間違えちゃった」
鳥のから揚げとピーマンの肉詰めをメンチカツに聞き間違えられる悲しさ…。しかしおばばに作り直しを命じるには非常に酷だ。
「あ、じゃあこれで良いですよ。また今度来た時に注文します」
「わるいねーごめんねー」
食べたいと思ったものを直前ですり返られた時の悲しさ。そしてメンチカツをひと口頬張ると、ぜんぜん美味しくない悔しさ。やっぱ450円に味を期待しちゃダメ。半分くらい食べ終わった時におばちゃんが近づいてきた。
「さっきはごめんね…。これサービスするからね」
そう言って持ってきてくれたのは小さな小さなから揚げ四切れだった。おばちゃな気を使ってくれたんだ。感謝感謝。
「さっきのお客さんが残したやつを暖めたから食べてね」
バ・ババァ!!!!違う客が残したやつを、別の客に食わすなよ!!!オンドリャー!!!!と、思った。もしコレが女子高生だったら、静かに「おまえバカ?客なめてんの?」と始まるところだが、ここは'70年代のジャパン。MOTTAINAIが身近にあったあの頃。僕は美味しく別の客が残したから揚げを頂きました。
この店にはぜひとももう一度来なくてはならない。この店には調理場がない。もしかしたら何を頼んでもメンチカツが出てくるのではなかろうか。それを確かめるために、僕はまた来る!!!!
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すべてのメニューが450円という定食屋が会社からの帰路にある。やけに古ぼけた感じの定食屋。この地に移り住み4年近くになるが、一度も入ったことがない。好奇心旺盛なB型の宿命として、その定食屋に足を踏み入れた。
「いらっしゃい…」
店の中には齢70歳になろうかというおばばがAM放送に耳を傾けていた。内装はまるで'70年代。すべてのメニューが短冊に書かれ、「スパゲチー」、「焼肉定食(オーストラリヤ)」などの文字が乱舞している。
「初めてですか…」
「はぁ…」
周りを見渡す僕に、上下段に貼られた短冊を指差しながらおばばが言った。
「上の段が肉で、下の段がそれ以外になってますよ…」
実は店の前で僕はすでにメニューを決めていた。
「鳥のから揚げとピーマンの肉詰め定食を下さい」
この二つがセットになっている定食を僕は見たことがない。恐らくから揚げとピーマンの肉詰めが一緒に出てくるだけだとは思うが僕の好奇心を刺激した一品だ。
注文後にメニューを見返すと一番端に「ごはん150円」、「みそ汁50円」と書かれていた。やはりそれは別なのか。いまどき450円で定食を食べられるわけはないのだ。
「おばちゃん、ごはんとみそ汁もつけてもらえますか?」
「ついてますよ…」
すごい。内装だけでなく値段まで'70年代。これで料理が旨ければサイコウだ。だがしかし、だがしかし…
「はい、お待たせしました…」
そう言って運ばれてきたのはメンチカツだった。というかメンチカツに見えるもの。どう頑張ってみてもピーマンには見えない。なんじゃぃこりゃー(優作)
「おばちゃん。これってピーマンの肉詰めですか?」
メンチカツをピーマンの肉詰めか確認する悲しさ。
「え!これはメンチカツだよ。あらーおばちゃん聞き間違えちゃった」
鳥のから揚げとピーマンの肉詰めをメンチカツに聞き間違えられる悲しさ…。しかしおばばに作り直しを命じるには非常に酷だ。
「あ、じゃあこれで良いですよ。また今度来た時に注文します」
「わるいねーごめんねー」
食べたいと思ったものを直前ですり返られた時の悲しさ。そしてメンチカツをひと口頬張ると、ぜんぜん美味しくない悔しさ。やっぱ450円に味を期待しちゃダメ。半分くらい食べ終わった時におばちゃんが近づいてきた。
「さっきはごめんね…。これサービスするからね」
そう言って持ってきてくれたのは小さな小さなから揚げ四切れだった。おばちゃな気を使ってくれたんだ。感謝感謝。
「さっきのお客さんが残したやつを暖めたから食べてね」
バ・ババァ!!!!違う客が残したやつを、別の客に食わすなよ!!!オンドリャー!!!!と、思った。もしコレが女子高生だったら、静かに「おまえバカ?客なめてんの?」と始まるところだが、ここは'70年代のジャパン。MOTTAINAIが身近にあったあの頃。僕は美味しく別の客が残したから揚げを頂きました。
この店にはぜひとももう一度来なくてはならない。この店には調理場がない。もしかしたら何を頼んでもメンチカツが出てくるのではなかろうか。それを確かめるために、僕はまた来る!!!!