朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

一筆書かせる医者

2015-03-14 15:45:40 | 21世紀
一筆書かせる医者
2015/03/15
 毎日新聞の記事です。ある公立病院で乳がんの告知を受けました。両側共に手術する必要がある。手術は〇月〇日に出来ます。ということでした。
 家に帰り家族と相談すると、夫は「手術はするな」という意見で街の信頼する開業医に受診させました。その医者は、「手術せず、薬剤で様子を見ましょう」と言い、それに従うことにしました。
 公立病院に、「手術は受けない」と言うと、主治医は「解りました」と言い「この書類にサインして下さい」と書類をくれました。
 その紙には「乳がんの手術は拒否します。以後乳がんが悪化しても当病院とは関係ありません」という意味の事が書かれてありました。
 毎日新聞は、医者が治療を拒否したことになる。こんな文章を患者に書かせてはいけない。という主張しています。
 医療事故で医者が訴えられ、巨額の賠償金を支払わされる話を聴きます。この場合も医者は、「最善の処置をしなかった」と訴訟されることを怖れて一筆書かせたのだろうと感じます。
 私の父は、小倉記念病院で心臓バイパス手術を受けました。20年前の事です。手術前に一筆書かされ、「この手術は危険な手術です。不測の事態が起こる事もあります。その際の生命の保証はありません」と言う意味の文章でした。
 手術が終わりICUに送られ安心しておりましたら、「心臓発作を起されました。家族の方も立ち会って下さい」と呼ばれました。
 見ていますと、心臓から手術後の廃液排出のビニールホースがつけられているのですが、心臓マッサージをしている医者の手もとから、血が噴きだしそのホースは真っ赤になりました。「金具が外れて心臓に刺さった」と医者は言い、私共は追い出されました。父親はそのまま亡くなり、長生きしようとして掛った手術は、徒になったのです。
 事故だから訴えようと言う意見もありましたが、「一筆書いているし、医者も殺そうとして処置したわけではない。全力を尽くしてくれた」と考え、何も言いませんでした。
 何かにサインすることはそれだけ重みがあります。医者がサインを要求するのは、それだけの意味があろうと考えます。その医者の進言を拒否するのなら、後は無関係と文書を作っても不具合は無いと思います。
 医者だって全能の神でない、人間なのですから、常識的に考えてやらないと可哀そうです。訴訟が多いから、産婦人科の医者の数・小児科医の数も足りなくなっています。医者を信頼しましょう。失敗も認めてやりましょう。