アーサー・ヘイリー著「自動車」
2013/10/15
1960年代のデトロイトの自動車産業に働く人達の群像・価値観が良く書かれている小説です。
GMが倒産した現在、この本を読み直し、倒産の暗因など説明する社会学者などが居ても良い気がします。
当時はGMの大株主がアメリカ政府の高官に抜擢され、議会で「所有する株式を処分しないと、GMの為に都合の良い政策をするのではないか?」と論議が起こりましたが、「GMの為に良い事は、アメリカの為に良い事だ」と言って承認されました。
「自動車」の中の経営者たちは、そんな自負と驕りで生活しているのが記憶に残っています。
特にいい話だなと、イメージが今でも浮かぶのは、下請け会社の社長のエピソードです。
朝鮮戦争から復員してきた彼は、自動車メーカーの外注課に日参し、係員から、簡単な部品を受注します。以後、段々難しい仕事を受注し、育てて貰ったと感謝しています。
彼は、工場の片隅で、手動の脱穀機を作っています。朝鮮戦争の時、朝鮮人農夫たちが、稲穂をシートの上に広げ、杵で叩いて脱穀するのですが中々時間が掛るのを見て、動力の無い所でスムースに脱穀出来る方法を考えて、世話になった朝鮮に恩返ししたいと考えています。
現在の生活は裕福で地元の名士にもなっています。
彼は、これだけ裕福になっているのに、最初に仕事を呉れた係員は、給料も昔の儘で貧相な生活をしています。雇用される立場と、自営の立場の違いはこんなにある。被雇用者はその立場を抜け出さないと満足な生活は営めない、と自立を促していました。
GMの倒産の原因は退職者の年金の会社負担の大きいことが一番だといわれています。固定費としての年金費用は増えるばかりで、自動車の販売量が減れば、負担に耐えられなくなり、倒産になりました。
日本の年金も同じような破綻が予想されます。現役社員の支払い保険料で退職者の年金を負担することは、現役社員数が減れば出来ません。
現在の方式で積立金の株式運用では、上手く行きません。
積立金の運用を、海洋温度差発電所を造り発電し、電力を国が買い取ることとすれば、破綻を免れるでしょう。利益の上がる国営事業運営でもいいです。
2013/10/15
1960年代のデトロイトの自動車産業に働く人達の群像・価値観が良く書かれている小説です。
GMが倒産した現在、この本を読み直し、倒産の暗因など説明する社会学者などが居ても良い気がします。
当時はGMの大株主がアメリカ政府の高官に抜擢され、議会で「所有する株式を処分しないと、GMの為に都合の良い政策をするのではないか?」と論議が起こりましたが、「GMの為に良い事は、アメリカの為に良い事だ」と言って承認されました。
「自動車」の中の経営者たちは、そんな自負と驕りで生活しているのが記憶に残っています。
特にいい話だなと、イメージが今でも浮かぶのは、下請け会社の社長のエピソードです。
朝鮮戦争から復員してきた彼は、自動車メーカーの外注課に日参し、係員から、簡単な部品を受注します。以後、段々難しい仕事を受注し、育てて貰ったと感謝しています。
彼は、工場の片隅で、手動の脱穀機を作っています。朝鮮戦争の時、朝鮮人農夫たちが、稲穂をシートの上に広げ、杵で叩いて脱穀するのですが中々時間が掛るのを見て、動力の無い所でスムースに脱穀出来る方法を考えて、世話になった朝鮮に恩返ししたいと考えています。
現在の生活は裕福で地元の名士にもなっています。
彼は、これだけ裕福になっているのに、最初に仕事を呉れた係員は、給料も昔の儘で貧相な生活をしています。雇用される立場と、自営の立場の違いはこんなにある。被雇用者はその立場を抜け出さないと満足な生活は営めない、と自立を促していました。
GMの倒産の原因は退職者の年金の会社負担の大きいことが一番だといわれています。固定費としての年金費用は増えるばかりで、自動車の販売量が減れば、負担に耐えられなくなり、倒産になりました。
日本の年金も同じような破綻が予想されます。現役社員の支払い保険料で退職者の年金を負担することは、現役社員数が減れば出来ません。
現在の方式で積立金の株式運用では、上手く行きません。
積立金の運用を、海洋温度差発電所を造り発電し、電力を国が買い取ることとすれば、破綻を免れるでしょう。利益の上がる国営事業運営でもいいです。