朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

細胞の幟(のぼり)

2006-10-27 15:34:21 | 健康
細胞の旗印 2006/10/27
 黒澤 明の時代映画「乱」などを見ると、戦場で敵味方が分かるように、幟を背中に着けています。西洋の時代戦争映画「トロイのヘレン」などの戦争場面に比べてもダイナミックで、きれいでカラフルな画面でした。

 地球上の生物は1個体毎に違う旗印をつけているそうです。
 あなたの細胞の旗印はあなた独自のもので、親・兄弟とも形が違うのです。
 その数は一つの細胞あたり、500~10万本にも上ります。

 免疫は、この旗印に白血球が触れて、自分の細胞であれば攻撃せず、自分以外の細胞・黴菌・ウィルス・がん細胞だったら総攻撃して殺してしまう仕組みです。

 血液型もこの旗印の形の違いで区別されます。
 A型の人は、A型の他人の血液が輸血されても不都合が起こりません。
 ところがB型の血液が輸血されると、旗印が違うのでお互い攻撃し合い、その旗印が絡み合い固まってしまうのです。

 黴菌細胞も独自の旗印がありますが、血液型の旗と似ているものが在って、人間の血液型によって罹りやすい病気があるそうです。

 アメリカインデアンはO型が多いそうです。コロンブスが持ち込んだ梅毒の細胞はA・Bの旗を持っているそうで、梅毒に感染したA型・B型・AB型の人は、自分以外の細胞が侵入したことに気付くのが遅れ、梅毒が進行し易く、死ぬ人が多かったのです。
 それに引きかえO型の人は梅毒の菌の侵入にすぐ気付き、白血球が攻撃を始める即ち免疫が働き、梅毒に罹ることが少なかったのです。
 このため、O型の人が生き残り、今になってもO型のインデアンが多いのです。(竹内久美子さんのお話)

 同じように、結核菌はB型の旗印を持っているので、B型の人は罹り易く、結核の多かった日本ではB型の人が少ないのです。

 ヨーロッパではペストが流行しました。ペストはO型の旗印を持ちO型の人はペストに罹り易かったそうです。

 この細胞の旗印は、【糖鎖】と呼ばれ、グルコースをはじめとする8種の単糖の複雑な組み合わせでできています。そして糖鎖はタンパク質と結合し細胞内部とつながっています。
 糖鎖とタンパク質の結合した全体を糖タンパク質(グライコプロテイン)と呼びます。

 この糖タンパク質の働きの研究は始まったばかりですが、隣同士の細胞同士をつなぎある種の情報をやり取りする・ホルモンや酵素の不足を伝え産生させるなどをしているとされています。
 ノーベル賞の田中耕一さんの質量分析計は、これらの微小複雑タンパク質の研究に欠かせないものであり、その重要性を認められ授賞となったそうです。

 人間の細胞が遺伝子の傷つき等の原因でがん細胞に変化した時、その変化には無数の種類がありよく認識できるものだと感心しますが、この糖鎖の先端が不規則に分岐して、正常な細胞と見なされず、免疫が働き異物として白血球が攻撃するのです。

 この糖鎖の旗が鮮明でなく汚れていて、日の丸が韓国の旗のように認識されると、免疫は自分の細胞を異物と見なし、自分の細胞を攻撃します。
 自分で自分を攻撃するオウンゴールのような病気を免疫疾患と呼びますが、これがアトピーであり、花粉症であり、アレルギーになり、リュウマチなのです。

 この糖鎖が完全に出来ていない人が、免疫疾患に罹りやすい訳ですが、この糖鎖の原料になる、8種類の単糖を栄養として摂ることで、治る可能性もあるという時代になっています。

 田中耕一さんに感謝し、自分の身体は自分で守りましょう!

 勉強すればするほど長生き出来る気がしてきました。
 まさに「知は力なり」です。