朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

地球生命は粘土から生まれた。

2006-10-13 15:07:55 | 21世紀
粘土→生命→人間 2006/10/13
 キリスト教の神話では、人間は粘土から作られたとしている。
 神は自分に似せてアダムを作り、一人では寂しかろうと、アダムの肋骨からイブを作って、アダムに与えた。

 私たちの受けた20世紀の学校教育では、原始地球の空気 CO2,NH3,SO2の混合物で雷の放電が起こり、アミノ酸が合成されたとされる。
そしてそれが海に溶け生命の元となるタンパク質に進化したと教えられた。

「地中生命の驚異」(デヴィド・W・ウォルフ 著 青土社 刊 @2400)では生命の起源は粘土としている。これならキリスト教にも受け入れられるだろう。

粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさで水に飽和されたカードハウス状構造をしている。
カオリナイト・モンモリロナイト・ハロイサイト・イライトなど種類があるが、水理学的な力・化学的・電気的力を借りて自己増殖し、現代の地層を作っている。
 その自己複製の仕組みはRNAが鋳型として分子を集めるのと同じである。
もともとの粘土鉱物の格子欠陥があったとすると、それは次々と遺伝のように踏襲されて、同じ欠陥を持った粘土鉱物の集合体となるそうだ。

生物細胞の化学作用は細胞膜の上で行われる。そこでDNA・RNAが遺伝子情報に書かれた通りにアミノ酸を並べてタンパク質を作る。
タンパク質が完成すると膜から離れ所定の位置に運ばれ、分担する仕事を始めるのです。

粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさの膜構造であり、電荷を持ちその表面が触媒作用も行い、原始生命を組み立てる能力もある。
その上、現在生命のエネルギーを運ぶATPは粘土鉱物と反応すると言います。

峡谷の巨大アーチ橋を見るとき、どんな方法でこの構造物が出来たのだろうと感心することがしばしばですが、仮設の足場や支保工を作り、支えながら端から組み立てていき、完成すれば仮設の構造物を撤去して開通になります。
そんな仮設足場の仕事を、粘土鉱物は生命の誕生に際し分担しているのではないか?

 生命が地下の粘土鉱物から生まれたと考えれば、地下3000メートルの岩石の割れ目に生きる生命があるのもうなずけるし、高温熱水の中にも生きる生物が原始生命であるとも思える。

 庭の表土一つまみ1gの中には、1万種類以上の微生物、10億個以上の微生物がいます。
 掌一杯の土を掬えば、そこには全地球上の人間・哺乳類の数より多い微生物が生きています。
 生命は海に生まれて陸上に上がったものではなくて、土中に生まれ、水中で進化したと考えるほうが、無理がないと著者は言っています。

 「人間は粘土から生まれた」が21世紀の常識になると面白いですね。

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 昔 土木現場で働いていた私は、粘土にも思い出があります。
 阿蘇山の噴火で出来た灰土(溶結凝灰岩)の盛り土工事を担当しました。
 地山で10有った灰土は盛土に持って行くと6になってしまうのです。
 ダンプトラックから降ろすとき土はお茶漬け状態でした。
 カード・ハウスのようなハロイサイトの間に含まれていた水が出てしまうのです。
 その時、熱雲式噴火の火山灰だと勉強しましたが、後に雲仙の火砕流で沢山の人が亡くなりましたが、あのような噴火で出来た土でした。

 シンガポールの造成工事では膨潤性モンモリロナイトと言う粘土でした。
 水を含んで膨張する圧力で、粘土は岩盤のように固く重たいのです。
 比重は3,0も有ってコンクリートの比重2,2と比べてもはるかに重いのです。
 そして砕いて盛り土現場に運び、雨に会うとドロドロになってしまうのです。泥濘という言葉がピッタリでした。

 あの現場の頃は若かったなぁ! みんな元気かなぁ!