今日の詩  “酔いなさい”

2010-03-30 | Weblog
(London) 





シャルル ボードレール(1821-1867)





酔いなさい



常によっていなければならぬ。

それがすべてだ、問題はそれしかない。

君の肩を押しひしぎ、君を地べたにかがませる「時間」の恐るべき重荷を感じ  

たくなかったら,休むひまもなく酔い続けなければならなぬ。

 しかし、何に?酒にでも、詩にでも美徳にでも、お好きなように。

だがとにかく酔いなさい。

 そしてもしも時たま、宮殿の石段の上で、堀割の緑の草の上で、君の部屋

の陰鬱な孤独の中で、君が目を覚まし、酔いがすでに薄れたり消えたりしてい

たら、尋ねるがいい,風に、波に、星に、鳥に、時計に、およそ移ろうもの、

およそうめくもの、およそめぐるもの、およそ歌うもの、およそ語るもののす

べてに、訊ねるがいい、今は何時かと。

すると、風も、波も、星も、鳥も、時計も、君に答えるだろう、

《いまは酔うべきとき ! 「時間」 の奴隷として虐げられたくなかったら、

酔いなさい、絶えず酔いなさい!  

酒にでも、詩にでも美徳にでも、お好きなように》と。


(安藤元雄 訳)








St-Felix -Lauragais

2010-03-29 | Weblog
トゥールーズから南東に40キロ程移動すると小高い丘の上にこの美しい村の教会の屋根が見えてくる。
12世紀には重要なCatharの拠点でもあった。

パイプオルガンの音につられ教会に入りしばらくするとフォーレのレクイエムがギーコギーコとぺタルのきしむ音と共に流れてくる。

この村の中心にあるスクエアは木組みの建物や石造りの建物が肩を寄せ合い
駐車している車さえなければ中世期となんら変わりのないたたずまい。

シャッターの色も程よく風化している。












































               

               







               


               







               


















もうすぐ花見か

2010-03-28 | Weblog







ロンドンに戻りさっそく公園に出向いてみると
一週間前につぼみだったスイセンがいっきに開花している。
とはいえいまだに冬のような低い温度と垂れこめた雲、
南フランスとの緯度の違いはあきらかだ。
ヨーロッパでは今日から夏時間となり日ごとに暖かくはなっていくのだろう。
来週あたりは桜が満開し見ごろになるのだろう。









パリを去るのはつまらない。友達と別れなければならないから。
といって田舎を去るのも辛い。自分と別れなければならないから。


(J.ジュベール)










納屋完成間近

2010-03-26 | Weblog
今年の1月から始まった納屋の改造は10週間から12週間という約束通りほぼ完成した。
ビルダーのリックは途中25年来の大雪に二度もみまわれ数日を無駄にしたのだが迅速な仕事ぶりでそれを取り戻していったに違いない。
そしてこの後にはスペイン国境に近い町での大きな仕事を手に入れさらには奥さんとの間に待望の赤ちゃんができたというおめでた続き。

完成した納屋は高い天井部分をのぞいてペンキ塗りは自分たちで少しずつやっていこうと考えているのでいまだにプラスターがむきだし状態なのだ。
これから壁の色を考えたり家具探しをしたり,いっぺんには揃わないだろうがとりあえず持ち前の肘掛け椅子を二つ置きこの数日を楽しんでみることにする。






















































































ラ・ロシュフコー箴言集

2010-03-26 | Weblog
フランスの詩集と平行に読み出したのがフランスで17世紀に活躍したラ・ロシュフコーという作家の箴言集(しんげん)。
たったの一行から数行の言葉で愛、友情、勇気などの美名の下にひそむ業をあばき考えさせられる本です。





ラ・ロシュフコー(仏 1613-1680)

人は決して自分で思うほど幸福でも不幸でもない。


            









            









            






(St-Felix-Lauragais)