クリスマスが終わり少し気温があがっただけでだいぶ過ごしやすくなってきた、そして大晦日も新年もそれほど特別な日ではないので仕事に専念する。
今作っているチュチュは形が変っているばかりでなくトランプのカードの形がオーケストラ席から見えなくてはならないという配慮でそこのところも変ったシェイプにしなくてはならずあまり手際よく事が進んでいかない。
振付家は前を下げて後ろを上げるという最もアグリーなシェイプにしたいらしくそれにしたがってエレガントではない出来損ないのチュチュを作っているようでなんとも気が乗らない。
この二つの面倒なところにあわせて三つ目の難問がある。
チュチュの上に１センチもの厚さのあるスタイロフォームをそれぞれの形に切り抜いた後生地でカヴァーをしてトップスカートにするというというなんとも結果が想像もつかない事が待ち構えている。憂鬱な年の暮れだ。
２０１０年のクリスマスはいつもと何ら変わりない時間と共に去っていった。
普段と変りのない朝食を終え曇りガラスの中からのぞき見ているようなどんよりとした空の下セントジェイムスズパークに出かけた。
普通の朝はそれなりに朝の早い観光客が出歩き始めにぎわっているバッキンガムパレス界隈だが人は数えるほどしかいない。
いつもすれ違うドッグヲーカーと手短な会話をかわし公園を一周りして雲の垂れ込めたクリスマスの街の朝を後にした。
我が家のクリスマスランチは１１時頃から始まりオムレツにスモークドサーモンを加えたものと一本のシャンペンをオレンジジュースにまぜていただく。
これが以外と気分をしゃきっりとさせられる特攻薬でもある。
そしてディナーが始まる６時頃までおなかをこなしまたもやフィーストが始まり食べ続けるのである。
とはいえリッチなクリスマスフードはたいした量を食べられるわけでもなく先に作ったクリスマスプディングとスイートワインで締めくくられた。
ボクシングデイの翌日は前日とはうってかわった青空に誘われハムステッドヒースに出かけてみた。
ほんの少し小高い場所とは言え全面いまだに雪で被われているのにはビックリする。
日中の気温があがらないせいもあるのだろうか池も凍りつきオープンスペイスはさながらスキー場のようだ。
日本の大晦日と同じようにクリスマスの前はどこもかしこもあわただしさがただよっている。
１月用のオデットとオディールが仕上がりクリスマスが明けるまで一時の静けさがやって来そうだ。
そしてまたゆっくりアリスに専念することにする。
びっくりするほどヒートテックのアンダーウエアーは軽くて本当に暖かい、レジで数人がこの包みを抱えているところを見ると多くの人がこの事実を知っているようだ。
肌触りも苦にならず九分袖等という日本的心使いでシャツからはみ出すこともなく虜になってしまいそう。
となりにあったタイツには目もくれなかったけれどこれから寒さがますます厳しくなるおり考え直すかもしれない。
靴下も色の選択は無いけれど試してみる価値は十分にありそうだ。
クリスマスケーキにはたっぷりブランデイがしみこみ香りが良くなってきた。
大雪で道路は凍りついたとはいえクリスマスが近づいて来るとわわくするものだ。
今はバレエ 「アリス」
に出て来るキャラクターの一つトランプの形をしたチュチュを作り忙しくしているがクリスマスデイとボクシングデイはゆっくり休むことができるだろう。
トランプには四つの違った形があるがそれぞれの形のチュチュを作るには普通の円形のチュチュを作るのに比べると３倍は時間がかかり
朝から夕方まで机とミシンの間を行き来していると一日の終わりには肩や背中が張り疲れ果ててしまうが後少しの辛抱というところ。
明日は息抜きに何年ぶりかのハロッズに出かけてクリスマスショッピングをすることしよう。
