八月下旬のロンドン

2009-08-27 | Weblog
八月初旬にロンドンに戻ってきて以来またもや更新がとどまりさぼり気味です。

七月いっぱい野良仕事や大工仕事でなまっていた手も作り始めるとすぐにカンが戻り始め秋にロイヤルオペラで初演されるオペラのバレエシーンのチュチュを作リあげていたのです。
The Tsarina's Slippers という題名のチャイコフスキーのオペラはどうやらコメディー、フェアリーテールオペラのようです。
歌手はほとんどがロシア人だということですがダンサーはロイヤルバレエ御用達、プリンシパルからアーティストランクまで男女十数名が出演するそうです。
デザイン画から想像すると華やかで色鮮やかなロシアの香りがプンプンとする舞台になるのではないでしょうか。


" Organics '' Francesco Ruspoli

2009-08-05 | Weblog
ジャンクショップ巡りに興味がなくなってから数年経つ。
一番の理由は家の中がジャンクだらけになってきたからだ。

ロンドンの家の近くには毎週日曜日開かれるストリートジャンクマーケットがある。
買い手があるのだろうかと思うような履き古したスニーカーから使い古した食器までここに来れば一通り生きていくために必要なものはそろう。
ほかには明らかに一人住まいの老人が亡くなった後のハウスクリアリングの品物や盗品と判る品物まですべてがそろっている。

そして近くにアートスクールがあるためか卒業時期には若いアーティスト達の意欲的な作品が業者に二束三文で売られたのだろう,
そんな品物がところせましと道を埋めつくす。
数年前までは毎週欠かさず通い詰め何か一品は持ち帰ったものだ。

そんなある日の日曜日カラフルでアブストラクトな額入りの油絵に目が留まった、
値段を聞くと1ポンド50ペンスだと言う、
そこにあった5枚すべてを7ポンドに値切り重たい絵を持ち帰った。
ロンドンの家にはすでに飾る壁がなくしばらくはアティックで眠っていた。

フランスの家に移ってからも5枚一緒に立てかけられ見放されていたが新しく塗り替えられたキッチンの壁に二枚すんなりと収まった。

イタリア人名らしきサインが入っていることに気ずいてはいたものの
今の今まで調べることもせずほって置いたところコンピューターに入力してみると以外なことに商業的に活躍しているフランス人アーティストであることがわかった。

作者の母国に帰ってきた絵
どんな成り行きでジャンクストリートマーケットにたどり着いたのだろうか。

Poetry

2009-08-04 | Weblog
僕にとって読書はあまり好んでするほうではないが
今回は5冊と現在の1冊読みかけという
以外に面白い本を注文してくれた相棒に感謝。

一冊目はダーク ボガード の手紙 から始まり
これは後半になるにしたがって多くの友人が死んでいき本人も最後の二年間は書くこともできず暗い終結になっていく。


そしてイギリス人ゲイ作家 Patrick Gale の The Whole Day Through
以前に読んだ Friendly Fire と比べると平凡な出来だった。

三冊目はアメリカ人料理家 Julia Child  の回顧記 My Life In France

第二次大戦直後夫のアメリカ大使館仕事の関係でパリ、マルセイユ
に滞在中フランス料理に興味をもち始めたジュリアの料理本出版の回顧録。
最近 Julie and Julia  という題でメリル ストリープ主演の映画が作られたそうだ。 


アメリカ人作家 Paul Auster の奇妙な探偵小説 New York Trilogy 
これは一気に読み上げられかなり引き込まれる三作ミステリーストーリー
二作目は訳が分からなくなり断念。


そしてイギリス在住日本人作家 Kazuo Ishiguro の A pale view of Hills

あまりの登場人物の多さに誰が誰だか分からなくなりこれも途中放棄してしまう。
  
そして6冊目は今読んでいるアメリカ人作家 Sherill Tippins のFebruary House
第二次大戦が始まる中イギリス人の W. H .Auden 、Benjamin Britten, アメリカ人のPaul+Jane Bowles, Carson McCllers, Gypsy Rose Lee がブルックリンにあるヴィクトリアンハウスを借り暮らし始めた。
二年ほどの短い間だったが当時の芸術、文学界の著名人が入り浸り
混沌としたボヘミアン生活を描いている。

そんな詩人 W.H. Auden に感化されたというわけではないのだろうが
まったく文才のない僕が 詩 というものを書くことが出来たら
どんなにか感情を表現することができるだろうと思い
何か 詩 らしきものを書いてみようと思っている今日この頃。   


best show on earth

2009-08-03 | Weblog
日課になっている夕方のドリンクのひと時
東の空はいまだに強烈な真夏のブルースカイ
陽の傾きかけた西の空の片隅にかすかなグレイスカイ
そこからスペクタキュラーなネイチャーショーの始まり

西の空の灰色がぐんぐん広がってくる
鳥は鳴きやみ
大気は微動だにせず
不思議な時間帯
小さな人間と犬はただ天空をみつめるだけ

灰色が真上に来た
柳の枝が一揺れする
濁った灰色に変わった
柳の枝がとどろきわたる大きな音と共に大揺れする

ワイングラスをつかみ
クッションを抱えこみ家の中へ駆け込む

丘の下方からかけあがってきた横殴りの雨がすべてを取り囲む
雨と風

呆然と見守る中
西の空が明るくなりだす

風が止み
雨が上がり
ドアの隙間から大地の臭いが漂い始める