縮緬

2018-05-16 | Something Old

  

 

30数年前に買った古いちりめんの端切れは上下に丸木の重みを入れてそのまま壁に二十数年間かけられていた。
青目さんのブログで紹介された表装に思いつき額装のようなもので横幅を出してみた。

20数年間何の疑問も持たず「勧進帳」という字が上から下になるよう上の写真の様にかけられていた、
「背負い篭」のようなものが逆さまになっているのも気がつかなかったわけではないが
試しに下の写真のように逆さまに吊るし写真で見ると
これの方がどうもしっくりくるようです。

 

 


重たい家具

2017-11-24 | Something Old

 

 

引越しで折れてしまった椅子の修理に近くの家具職人を訪ねたのは春だった、

椅子の修理は見えないところに鉄の補強を入れるしかないという
それなら自分でやってしまえとお断りしたが
工房の片隅にはどっしりとしたリネン フォールドのパターンのカボードがあった、
頼まれ物かなと聞くとどうやら売り物らしい、
値段を尋ねると驚くほどの安値であった、
虫食いも無く秋まで預かってもらえるかと交渉すると
黒く薄汚れたニスも剥がしておいてくれるというのでデポジットを置いて帰り
キッチンの改装も終わる頃運んでもらうことにした。
この家具はどうやら近くのシャトーからタペストリーと一緒に買ったものだという。

 

Linen Fold Paneling という古くからある彫り方で
回りにはワインの葉やドングリも彫られている、
これはもっと大きな家具の一部でこの下には奥行きのあるカボードが付いていたらしく、
足元に空間のあるのもおかしいしこれだけでは少しプロポーションが悪い気がする。
未だ車輪の上に乗っているが台座を作ってもらうことにした。

 

 


1995 ー 2016

2017-02-11 | Something Old


ロンドンの家の買い手がみつかったのは数年前のような気がするが ちょうど1年前のことだった。
ビューイングの時は犬はいない方がいいだろうと寒さの中公園を 歩き回ったものだ。
今はきっと家具も入れ替わりすっかり変わってしまったことだろう。
記念に撮っておいた写真を載せてみる。

テレビが邪魔だけれどここはいわゆる応接室、
二階にありバス通りに面しているため騒音は激しい、
前のオーナーがブライトンのパビリオンの内装を参考に装飾した部屋で
壁のペンキを同じ色に塗り替えただけでほとんど当時とは変わってない。
暖炉の周りとシャンデリアは陶芸家の奥方の作品である、
シャンデリアだけは外して持ってきた、
これは家を買う時に余分に払ったものだから当然だ、
さすがに暖炉は剥がすことはできなくそのまま置いてきた。

新しいオーナーはその世界では名の知られた若いモダン アーティスト、
裏庭から続く大きな使われていない建物をスタジオとして購入したくてどうやらこの家を買ったようだ、
才能のある画家だからきっとこの家でいい作品を描いていくことにちがいない。







御面

2017-02-08 | Something Old




なぜこんなピンボケを載せたかというとロンドンに住む友人からこれは何に使うもので裏に書いてある漢字の意味が知りたいというメールがきたのです。

ぼくが想像するところでは能か狂言に使われるお面だろう としか思いつかず
この漢字の意味を知るにはあの方に尋ねるしかないと思い
写真とともにメールをfranさんに送るとすぐさま明解な返事が返ってきました。

国宝 行道面 追儺面 こくほう ぎょうどうめん ついなめん

国宝という字以外 行道面も追儺面も初めて知る言葉でした、
簡単に言うと行道面は寺院で供養に使われ
追儺面はいわゆる節分の時に使われる。

仏教と神道と両方で使われるというのも何か疑問が残るし
国宝のようなオブジェに国宝と書くのもかいささか疑いがありますが、

とにかくこのことを早速友人に知らせると国宝 (ナショナル トゥレジャー )という
ことで非常に喜び早速 V&A ミュージアムに鑑定を依頼する予定だそうです。





これは松本の牛伏寺「ごふくじ」に保管されている市の重要文化財の赤鬼、
制作年代は永禄年間(1558~70)安土・桃山時代。




青鬼はまた違った表情でおもしろいです、
このメールが来たのがちょうど節分の時でこれもまた興味深い事でした。







Vent = Wind = 風

2016-05-09 | Something Old

 昨日で止むかもと思った甘い考えは通用しませんでした、

今日で五日間のあいだとにかく吹く、吹く、吹く、、、

 

古本の村を後にし途中で寄ったブロカントでは何か見つかるだろうか。

布物があるとつい広げてみたくなります。

必要のないものは買う必要はないといった主旨は持ち合わせているのだが

広げてみるとなんとも縦に長いタペストリーで心がゆらぎました。

ブロカントの中を全部見回し出てくる時にはこれを持ち帰ったのでした。

レシートを見ると階段用と書いてあります。

これは3mもの長さです、ごくありきたりの生地でさえ24ユーロはくだらないでしょう。

ましてこれは古き良き生活風景が描写され無駄な物とはいえません。