夏が過ぎていく

2011-08-31 | Weblog















時が経つのは遅いのか早いのか、 まるで六ヶ月位は住んでいるのかと思える程フランス生活がなじんできた。
ところがどっこいまだ二ヶ月と少ししかたっていない。
夏の初めに刈られた麦畑からは飛び種したひまわりの種が二週間の留守の間に芽をだし成長し開花した。
朝晩凉しくなったとはいえいまだに夏陽気が続いている、いつ秋の陽気にとってかわられてもおかしくない夜空を見あげる。
ひまわりの刈り入れが涼しくなった真夜中迄続いている。



































ティーポット

2011-08-29 | Weblog





少し変わったティーポットがブロカントの棚で光っていました。
家には現在一個のティーポットはあるものの、 もし割れてしまった時のことを考えて、 というより5ユーロだったから買ってしまったのです。
ステインレスのティーコージーが付いた陶器製であまり使われたあとがなく内側も綺麗だったし、とにかく光っているところが50年代くらいの大型アメリカ車のように堂々とした風采、持ち帰らないわけにはいかなかったのです。
家庭用というよりホテルで使われていたのかもしれません、フランス製 そして Salam-The  という刻印がおされていました。
日本で作られるティーポットには注ぎ口の内部に茶こし用の穴があいている物がほとんどですが
どうもこちらではそういった物を作るのは難しいかそれとも手間がかかりすぎて作られていないようです。
このティーポットにも茶こしの穴は付いていません、お茶はたれることなく十分その用途を満たしてくれ再び使い手にめぐりあえたラッキーなティーポットです。










指の付いたソックス

2011-08-26 | Weblog





真夏の東京からロンドンに帰ってくると9月を飛び越して一挙に10月になったかのような気候でした。
そんな極端な気候と同じように公共サーヴィスもひどくかけ離れた日本とイギリスです。
家に向かうバスは途中のバス停で止ったまま一言のアナウンスもなく労働時間切れで発車せず、
スタンステッド空港に向かう電車は全面運休でこれまた一言のアナウンスもなくバスに切り替えになっていたり、
腹はたってもそんな状況を受け入れるしかてだてがないのです。
そんな気温差と長旅で鼻風邪とジェットラグが混じりあい体長不良でしたがようやく回復し普段の生活に戻りはじめました。

プレゼントにもらった五本指が付いた靴下を試してみるとあまりの快適さにさらに五足程買って帰りました。
店の売り場や温泉の脱衣場で見て知ってはいたもののその奇妙さと醜さで買ってみようなどとは思ってもみませんでしたが履いてみてその良さがよくわかりました。
いまはパリやロンドンにも進出しているそうです。








ヴィシニョーワのジゼルと東京バレエ

2011-08-24 | Weblog





80年代にはよく東京バレエの公演を観にいったものです。
つらつら思いだすだけでもポントワとデレヴィヤンコの眠り、ギエムとヌレエフの白鳥湖(確か東京バレエとの競演だったと思う)、それからドン・ジョヴァンニ、カードゲイムやタムタムなんてのもあったかな、カブキや月にかかる七つの俳句(確かこんな題名だったような)の初演なども観ました、世界バレエフェスも三回程観ていたような記憶があります。
東京での一夜はその東京バレエのジゼルを観に行ってきました。

主役のヴィシィニョワとチュージンはもとより回りを囲むダンサーは木村君を除いてはすべてはじめて見るメンバーです。
ヴィシニョワのジゼルにはどんなものが見られるのだろうかと期待していました。
彼女のジゼルはジゼルの少女年齢設定より年上の女性ダンサーがジゼルの若く可憐さをそこここに表現するのとはちがい
今のヴィシニョワ自身を演じているような生身なバレエ表現が今まで見てきたジゼルとは違った新鮮なジゼルを感じました。
所詮高度のバレエテクニックを習得したダンサーは舞台で一人になった時何をするかといったら情感表現をすることに重きをおくのではないのかな。
彼女の大きな特徴は奇妙ともいえる首の使い方なのだろう。
ある時は可憐に見えたりまたある時は強い意志の表現だったり、実際彼女の首から肩にかけては引き締まった筋肉が張りめぐらされているのかもしれない。
舞台の天井を見るかのように首を大きく曲げた仕ぐさはそれだけで物語を語りこれから続く結末に憂いさえかもしだしていた。
技術的にもマリンスキーのプリンシパルとして妥当な安定した踊りで安心して見ていられるけれどシューズの音がかなり大きかった。
僕はポワントシューズのかもしだす音が好きなのです、特にシューズの先端がカタンと音を立てるのに続きポクンとした乾いた音、
踵が床に着いて響く音はバタンドスンでない限りとても好きです、さらには靴底の皮が摩擦するキュッキュとした音も好きです。別にポワントシューズ フェティッシュではないけれどそれほど好きです。彼女程のダンサーがバタンドスンをするのには少々驚いた。
チュージンはルグリさんが推薦しただけあって彼の好みのダンサーなのでしょう、つま先も長い足のラインも綺麗でクラシクのテクニックもみごとに習得されたノーブルダンサーです、
まだ若そうだからヨーロッパ辺りのカンパニーに出て幅を広げればもっといいダンサーになるにちがいありません。

ジゼルの一幕には二人の主役のほかにヒラリオン、お母さん、バチルドといった重要な役が芝居を進行させていきます。
今回は二階の一番前の席で見たにもかかわらずヒラリオンの目の輝きがどうにも見えない、これは二幕のミルタにも言えました。
客席との距離からだったのか日本人の顔立ちからだったのか表情に目が放つするどさが感じられなかったのがもの足りないところでした。
そしてバチルドの髪型、左目が隠れる程に前髪がたれていたのはいったいどのような設定だったのかよくわかりません。

ジゼルの一幕では主役の他に踊りのある場面はペザントのパ・ド・ドウ、東京バレエの場合は男女4人ずつのパ・ド・ユイットですね。
この場面は物語をいったん止めて踊りを堪能してもらいましょうといったもくろみがオリジナルバレエにもあったのかそれはよくは知りません。
8人のこのペザントの人数編成は少し多すぎかなと思います6人までが限度ではないかな、音楽の構成もみなれているものと少し違ったからか物語が完全に止ってしまった感があり、8人のフォーメイションがジゼルとは違った感のバレエになってしまった雰囲気がありました。
ここから一気にドラマを盛り上げていかなければいけないところが踊りが終り一安心、これからまた物語が始まりますとドラマがブツ切れになってしまった感がありいつもは涙が出てくるこの一幕後半は涙腺を刺激されず幕がおりてしまった。
男性のペザント衣装がディズニーアニメ白雪姫の森の木こりさんのような凄まじい色を放っていたのにも助けられなかったのかな。

二幕は説得力に欠けていた一幕とはがらりと変わって日本人ダンサー特有の一体感のある清冽ともいえるコールドバレエだった。
あえて難点をあげるとしたらアルブレヒトの紫色のタイツが目立ちすぎたこと、そしてジゼルの出があたかも出ミスをしたかのように小走りで墓石の上に飛び乗ったとでも言える
演出が気になりました。
ヴィシニョワのジゼルはヴァリエイションが終るごとに拍手に応えて再び出てくる、そんなジゼルのアンコールはじめて見たような気がする、そのときミルタは何をするのだろうとわくわくしながら拍手をしていたが、もう一度拒否のポーズをしてくれたら、などと軽薄な考えをしていたのは僕だけだったのかな。
女性ダンサーのプロポーションが見違える程よくなりみごとなアーチを描く足の甲の持ち主も見られ時の移り変わりを感じました、願わくば男性の上背がそれにともなって伸びてくれたら申し分ないでしょう。
外国人スターダンサーを迎えて全幕を上演するということは大きな観客動員につながるが回りの日本人ダンサーにとってはいかにスターダンサーと太刀打ちするかが大きな課題であるかもしれません。

しょせんしろうと、文才のない感想文です、少し辛辣だったかな、ごめんなさい。

今月号のダンスマガジンに6月に作ったオデットの衣装の写真が大きく載っています、興味のある方は見てください。







東京の夏

2011-08-23 | Weblog






ロンドンに帰る前日の18日は今年の夏最高の気温だったようです。
朝の早いうちでさえ15分くらい外を歩いているとどこかのビルに入って涼をとらないと具合が悪くなりそうな暑さでした、
そしてその涼しいビルから出る時はまるでサウナのドアをあけたかのような湿気の多い熱風に襲われ旅行者には厳しい夏です。
日本の夏の高温多湿も二週間という短い滞在だとまだ我慢はできるものですがこれからまだ残暑につながっていくとはかなりの健康管理が必要になるのですね。









僕の東京メモリーは80年代後半で止ったままになっています。
新しいランドマークへ行くにはガイドブックを見なければたどり着くことができません。
特にこの暑さでは避難場所を知りつくして目的地に向かわないと哀れなことになっていたに違いありません。
そのガイドブックを見るのが嫌いなため今回も目新しいところには出かけず、出かけることができずいつものごとく
馬喰町の問屋街に行き(少し仕入ものをし) 秋葉のYドバシカメラを上から下まで見物し(購買欲と戦いながら何も買わずに一階まで下り) 東急ハンZを上から下まで覗き(ここでは日本特有なすぐれ物小物を土産に買い求め) 新宿E勢丹に出かけ(ここは昔から好きなデパートで今もなかなかいいデパートで好きです、ここにもすぐれ物がたくさんありました)
それから三井Cンタービル53階にものぼりまるっきりお上りさんをしてきたのです。
街中では以前にくらべると外国人と行き交うことが少なくなったように感じられました、これもすべてあのいまわしい原発と異常な円高の影響でしょうか。
ブログ人口が多いというのにカメラをぶら下げてブログ用の写真を撮っている人も見あたらなかったのはやはりこの暑さからだったのかな。