日々是雑感

アニメや映画の感想を中心に雑多に述べていきます

過去の自分と向き合って

2006-12-02 01:20:05 | TRPG
 故あって、過去に自分が作ったシナリオを再構築するという事をやっている。無期限休止の看板を掲げてから10年以上経っているので、その当時の資料も散逸してしまっており、記憶を頼りにやるしかない。もし、残っていたとしてもアイディアの断片くらいしかないのでほとんど使い物にはなるまい。

 そうやって過去の自分と向き合ってみると、ともかくアイディアだけが先にあってその肉付けも練りこみも行わずにプレイしていた姿が浮かび上がってくる。私のプレイ環境がそういった姿を余儀無くしていた所が多分に有るのだろう。

 わが兄、十字路に誘われるままに始めたTRPGだが、「クトゥルフの呼び声」をやるようになったのは中学時代に当時の友人と始めたのがきっかけだった。既製品をやることも多かったが(それら既製品に私なりの肉付けを行うことはよくやった)、それらのストックが尽きると自作シナリオということになる。その時の集まりでは必然的に最も経験がある(と思われていた)私がキーパーをやることがほとんどで、しかも集まりがほぼ週1回だったので週1本のシナリオを作らなければならないという羽目に陥ったことも1度や2度ではなかった。

 そうなってくるとアイディアを肉付けしたり精査したりする暇など無かった。その頃に培ったシナリオ作成の癖は十字路に言われてコンベンションのキーパーをするようになってからも残っていた。いや、コンベンションというよそ行きであるが故にその癖は悪い方向に出ていた感じがする。

 生のままのアイディアしかないままにやるもんだから、どっかここかで詰まってしまったり、全体との整合性を持たない羅列に陥ってしまったりする。そんな時はその場で思いついたようなアイディアでお茶を濁したり、元ネタがある場合などはその元ネタをそのまま引っ張ってきたりするしかない。それが尽きると幕ということになるのだが、どうしても早く終りすぎてしまう。

 そんな時間調整や練り込みはテストプレイで何とかなるだろうとおっしゃる方もいるかもしれない。だが、私には内輪でテストプレイが出来る環境など無かったのだ。中学時代の友人とは高校に入ってからほとんどプレイすることが無くなり、高校卒業と共に彼らとの縁も完全に切れてしまっていた。もともと口下手で仲間を作ったりするのが苦手な私は大学に入ってからもそういった仲間を作ることもせず、サークル活動などにも無関心。ほとんど無趣味無気力に日々を暮らしていた(本項の趣旨とは全く関係ないが、そういった性格的な部分が現在に至るまで私の就職活動などに暗い影を落としているのは否定できない)。そしてもうひとつ、私自身が内輪向きと外行きとを明確に切り分けていたという側面がある。だからもし中学、高校時代の友人とプレイできる環境が残っていたとしても彼ら相手にテストプレイをするということは無かったろう。

 だからやる時は常に一発勝負でやるしかなかったのだ。そんな一発勝負に付き合わせてしまった方々にはいまさらながらお詫びするしかない。そして十字路も本州へ行ってしまったとき、私のTRPG活動は無期限休止と相成った。

 その状況は十字路がこっちに戻ってきてもあまり変わってはいない。ただ、十字路の足としていろんなところに付き合うことで少しずつ動き始めてはいる。そんな中で過去の自分のシナリオというかアイディアと向き合ってみると、そのアイディア自体は今でも決して色褪せてはいない。しかし、「整合性」や「過不足の無い設定量」という部分は全く作りこんでいない。「こうすることで整合性保てるのではないか」、「その当時アイディアだけに頼って不足した設定はこう補えばよいのではないか」などと考えると当時のシナリオがいかにいい加減な物かと苦笑いするしかない。

 そこまでやってキーパーをやる機会が有るかどうかは分からない。シナリオ製作も今もって私の中に根付く無気力、TRPGに対する情熱の欠如などを理由に放り投げてしまうかもしれない。シナリオが完成したとしても10年以上キーパーはおろかプレイヤーすらやっていないのでコンベンションでキーパーをちゃんとできる自信は無い。しかしながら過去の自分と向き合うことは決して無意味なことではなかった。少なくとも過去の自分に不足していた物、それを今の自分ならどう補っていけば良いのかそれを見つけ出せただけでも収穫はあったのだと思いたい。

2 コメント

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Unknown (十字路)
2006-12-03 14:25:51
 いつも兄の我侭に付き合ってもらい、ありがたいと感じている。
 過去を振り返りつつ未来を見る事は大切な事。
 ただ、その未来が続けていく事では無く断念する事もあると思う。
 俺なんかはゲーム馬鹿だから過去の事を振り返りつつ、自分の本分はかえずに、今の状況に合わせて変化させるようにして今までやってきた。
 ゲームなんかはやりたくなった時にやれば良い、まぁ身内で行っているトラベラーのキャンペーン等あったときに久々にやるかぁ!位の気持ちでやってくれれば十分だ。
 今のコンヴェンションのプレイヤースタイルは古くからやっていたゲーム主体のプレイングスタイルでは上手くいかない事が多いし、楽しめない(それ以外のスタイルが悪いのではなく趣味趣向の違いと言う意味で)。
 ただ、君の脳味噌の中にある「クトゥルフ知識」が必要な時、ロートルだが現役最前線のコンヴェンションマスターである兄から相談が合った時は快く相談に乗っていただけると幸い。
Unknown (uzi)
2006-12-04 12:58:10
for 十字路

 わがままはほどほどにしてくれ(苦笑)

 そんなことを言いつつ、これからもそれなりにはつきあって行こうと思っている。確かに苦労を背負い込むことも多かったが、それで得ることも多かったのだから。

 だからなんかの時は気軽に声をかけてくれ。できる範囲で手助けをして行こうと思っている。

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