日々是雑感

アニメや映画の感想を中心に雑多に述べていきます

大室家 dear sistersとそこから派生する話

2024-02-02 18:13:26 | 映画

というわけで今年の映画第一弾として暇があったので見てきました。映画の感想としてはそれほど書く事はないかな。だから原作の感想としてここに書いた事の補足をしていこうかな、と。

「みなみけ」と「大室家」。似ているようでもこの二作には大きな差があるのだと思う。今回アニメとして「大室家」を見て確かにそう感じた。

「みなみけ」には「多様性」という言葉がしっくりくる。三姉妹を軸にもう一つの南家、それぞれのクラスメイト、親戚のおじさんにお隣さん、きもちわるい保坂といろいろな人たちがそれぞれに関係性を作り上げている。そこから生まれてくる日常をたんたんと描いていくわけだ。

みなみけに通うためにマコトはマコちゃんになり、女の子であるトウマは藤岡に男の子であると思われているが、関係性を壊したくないトウマはそれを言えないでいるといったジェンダーギャップを取り上げる事ができるのも「みなみけ」ならではだ。

 

それに対して「ゆるゆり」のスピンオフである「大室家」はやはり「百合」が軸になる。だからそれぞれの世代における関係性が重要となり、世代間交流は限定的になる。櫻子の関係性は「ゆるゆり」本編が担い、他の二人の関係性及び三姉妹としての絆を「大室家」は描いていく。そして「百合」であるが故に「男性」の存在は徹底的に排除される。ジェンダーという面からすれば弱いかもしれないが、より純化した関係性を見ることができる。

 

似ている部分があるがゆえにこの二作の方針の差は際立つ。この二作の在り様のどちらが正しいのかという事ではない。それぞれにふさわしい在り様を選んだだけだ。今この「多様性」と「百合」という対立が現在プリキュアを中心とした女児アニメ論議の軸となっている。果たしてどちらが未来を担うのだろうか?

 

 

余談

新年のあいさつで「年5回以上劇場で映画を見る」という目標を述べたけど、これに関しては次の「dear friends」との合わせて一本という事にしたい。


コメントを投稿