うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の日記を読む その225

2009-03-17 04:09:52 | 日記

草津雑詠<o:p></o:p>

もめやうたへや湯けむり湯けむり<o:p></o:p>

ふいてあふれて湯烟の青さ澄む<o:p></o:p>

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五月二十五日 万座温泉に向います。行程四里、上り三里下り一里。からりと晴れてまさに日本晴れ、身心あらたに出立とあります。<o:p></o:p>

白根山が噴煙を噴き上げ、荒涼として人生の寂寞を感じています。涙のない人生、茫漠たる自然と俳人は言葉を繋ぎます。<o:p></o:p>

着いたのは三時、とり付きの宿に泊まります。一泊二食で一円、自分には良すぎるとぼやいておりますが、すべてが古風なのをうれしがりますがお膳の貧弱さにはがっかりといったところです。しかし山頭火、熱い湯の湧出量には文句なしに感動しております。豊富な熱湯、閑静な空気がなによりと温泉評論家であります。<o:p></o:p>

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山をうたふ<o:p></o:p>

春の鳥とんできてとんでいつた(白根越え)<o:p></o:p>

ひとりで越える残雪をたべては<o:p></o:p>

山ふところ咲いてゐる花は白くて<o:p></o:p>

山路たまたまゆきあへばしたしい挨拶<o:p></o:p>

残雪をふんできてあふれる湯の中<o:p></o:p>

万座温泉<o:p></o:p>

水音がねむらせないおもひでがそれからそれへ<o:p></o:p>

万座峠<o:p></o:p>

山路なつかしくバツトのカラも<o:p></o:p>

あんなところに家がある子供がゐる犬がほえる<o:p></o:p>

内山へ<o:p></o:p>

けふは街へ下る山は雨<o:p></o:p>

こゝろおちつかない麦の穂のそよぐや<o:p></o:p>

ちよいちよい富士がのぞいてまつしろ<o:p></o:p>

つかれもなやみもあつい湯にずんぶり