草津雑詠<o:p></o:p>
もめやうたへや湯けむり湯けむり<o:p></o:p>
ふいてあふれて湯烟の青さ澄む<o:p></o:p>
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五月二十五日 万座温泉に向います。行程四里、上り三里下り一里。からりと晴れてまさに日本晴れ、身心あらたに出立とあります。<o:p></o:p>
白根山が噴煙を噴き上げ、荒涼として人生の寂寞を感じています。涙のない人生、茫漠たる自然と俳人は言葉を繋ぎます。<o:p></o:p>
着いたのは三時、とり付きの宿に泊まります。一泊二食で一円、自分には良すぎるとぼやいておりますが、すべてが古風なのをうれしがりますがお膳の貧弱さにはがっかりといったところです。しかし山頭火、熱い湯の湧出量には文句なしに感動しております。豊富な熱湯、閑静な空気がなによりと温泉評論家であります。<o:p></o:p>
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山をうたふ<o:p></o:p>
春の鳥とんできてとんでいつた(白根越え)<o:p></o:p>
ひとりで越える残雪をたべては<o:p></o:p>
山ふところ咲いてゐる花は白くて<o:p></o:p>
山路たまたまゆきあへばしたしい挨拶<o:p></o:p>
残雪をふんできてあふれる湯の中<o:p></o:p>
万座温泉<o:p></o:p>
水音がねむらせないおもひでがそれからそれへ<o:p></o:p>
万座峠<o:p></o:p>
山路なつかしくバツトのカラも<o:p></o:p>
あんなところに家がある子供がゐる犬がほえる<o:p></o:p>
内山へ<o:p></o:p>
けふは街へ下る山は雨<o:p></o:p>
こゝろおちつかない麦の穂のそよぐや<o:p></o:p>
ちよいちよい富士がのぞいてまつしろ<o:p></o:p>
つかれもなやみもあつい湯にずんぶり
こんな歌ありましたが 温泉は良いですね。今では湯畑なんかもあり 一度は行ってもいいです。
山頭火も一度は行ったようですね。
今朝ふと庭の目をやると、普段いないが、去年もとんできた変わった鳥がいました。
なにやら庭の枯葉などをつついていましたが、またどこかへ飛んで行きました。何日遊びに来るか、それとももう来ないのか。あちこち歩く山頭火のようですね。
お早うございます。
♪お湯の中にも こうりゃ花が咲くよ チョイナチョイナ ですか。これは一説にデキモノに当てた脱脂綿がはがれて、湯に浮ぶ様を唄ったと言われています。あまり気持のいいものではありませんね。
お早うございます。
山頭火を飛ぶ鳥に見立てましたか、確かにそんな山頭火ですね。お見事です。