うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 和歌山の山と海 3

2007-05-11 06:05:47 | 旅行記
       白浜温泉郷へ カラオケ三昧の夜でした

 
道成寺をあとにしてバスは一路、今夜の宿、白浜温泉へと向かいました。海岸線から左に折れたそこは温泉郷、道路がやたらと狭く鄙びた感じが第一印象でした。添乗員さんからの今夜の宿について説明が始まりました。一言も聞き漏らすまいと耳をかたむけます。どうやら二つの宿に分かれるらしいのです。連休明けというのに部屋が一箇所にまとめて取れなかったのかと、一瞬そう思いましたがさうではなく、オプションで一人5千円の追加料金で、眺望の良い部屋の宿に泊まれることが、チラシに書いてあったのを思い出しました。なるほどと納得しましたが、考えたら当然片方は眺望が悪いのかと釈然としませんでした。チラシを見たときは何も意識はしなかったのですが、格差社会がこんなとこまで、浸透してきたのかと唖然とした一幕でした。
 オプションの宿に6人降ろして残りはすぐそばの本丸、鯛鼓判と判じもんみたいな名の旅館に到着しました。三階の部屋に入り、誰でも最初にするようにカーテンを開き、窓外の景色を確かめます。「わあ、スゴーイ」といった歓声は出ませんが、遠くに水平線が見え、まあまあといったところでしょう。世の中何事も妥協するといった気持を持つことが大事です。さて次にすることといったら温泉に浸かることしかありません。夕食の時間も迫っているので、かみさんと手早く荷物を整理して浴場に向かいました。あたしのが風呂は早いので、鍵はあたしが持ち先に部屋へ戻るといった算段でした。ところがです、部屋に戻って待てど暮らせどかみさん帰ってこないのです。いらいら感が募ってきます。優に40分は経っています。夕食の案内のアナウンスがあっても帰ってこないのです。事故の二文字が頭を掠めます、真逆と思ったとき電話のベルが鳴りました。添乗員さんからで、かみさんが食事所で待っているというのです。
 夕食は会食でして急いで行くと、既に皆さん席について食事を始めています。かみさん悠然と座って、鍋に具なんか入れながら少しも悪びれず、部屋番号を勘違いしていて、思い当たる番号の部屋を探し歩いたがたどり着けなかったのと言います。そして食事の知らせがあったので来てみれば、あんたなかなか来ないから添乗員さんに事情を話し、呼んでもらったのとよどみない。「あのな…」と言いかけましたが、あとの言葉は飲み込みました。何もここまで来て言い合いすることはない、「妻宝浄土」というありがたい説教を聴いたばかりなのですから。
 レモン杯を注文しお替りして飲みました。料理は定番で可も無く不可も無しといったところでしょう。食事を終えて部屋に戻ってもなにもすることはありません。テレビで巨人戦をやっていますが、それこそここまで来て野球もないもんです。ではとやおら腰を上げ売店へ足を運びました。かみさんがいろいろあれこれ品定めしている間に、あたしは一人館内の探検と参りました。カラオケスナックが目に入ります。飲み鯛食べ鯛踊り鯛と旅館の名前からとったらしい、三拍子揃った看板の文句が気に入りました。即座に売店に戻りかみさんに同行を促しましたが断られ、それでは一人でもと行きましたが、客は一人も居らず一人で唄っても詮方なしと、又戻ってかみさんに懇願して同行。
 かみさんとホステスならぬ従業員といった表現がぴったりのオバサン相手に唄いました。看板まで歌い放題飲み放題食べ放題が売りのお店です。だからってそう飲めるものではなし、また食後の直後のこと、食べられはしません。ただ唄いました。♪「さざんかの宿」に始まってラストの「大阪しぐれ」まで全7曲。
 レモン杯を二杯飲みました。出されたスナック菓子とチョコレートを包んでくれたので、それを持って帰りました。なにしろ明日は数百段の階段を昇らねばなりません。飲んだりしている場合ではないのです。