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観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

ロシアのウクライナ侵攻情勢

2022-07-13 19:02:51 | 外交安全保障
今は少しロシアが押しているようですが、消耗戦になっているようにも思えます。ロシアは動員をかけるか、停戦するしかないのでは?動員をかけてロシア世論が持つか分かりませんし、現在見せている余裕が何時まで持つか分からないところです。ウクライナは戦況に関して言えば、好転を信じて戦えばいい局面に見えます。

問題は欧州のエネルギー不足、世界の食糧不足でしょうか。ロシアも苦しいだろうとは思いますが、現状では何とも言えないところです。

国際社会は無法が通っていいのか

2022-07-12 23:30:33 | 外交安全保障
仲裁裁否定6年、日フィリピン外相電話会談で中国牽制(産経ニュース 2022/7/12 22:24)

>仲裁裁判所はフィリピン側の提訴を受け、2016年7月に南シナ海の全域に主権や権益が及ぶとの中国の主張を否定し、南シナ海を覆う中国独自の境界線「九段線」には「法的根拠がない」と結論付けた

国際法は意図的に無視する国に効きにくいですね。国際社会を半ば無法地帯にして「得をする」のは一部の無法国家だけだと思います。世界の大半の国は国際法が機能していた方が過ごしやすいのでは?無法者は無法を見逃してくれるかもしれませんが、世界の大半の国民は無法者ではないと思われ、見逃してくれて得をする人は多くないでしょう。


日本の防衛力整備の方向性

2022-02-05 23:27:45 | 外交安全保障
これまで総花的だった日本の防衛体制ですが、もっと優先事項特化型にすべきという村野将氏(ハドソン研究所)の提案があります(外交 Vol.71 Jan./Feb. 2022 「日本が直面する安全保障環境と戦略見直しの諸課題」)

>日本には残存性に優れ、相手の防空網を確実に突破できる地上発射型の中距離弾道ミサイルが必要となる。

抑止力の維持のためには、残存性(抗たん性)が重要になりますね。網羅的に防衛力を整備したところで、抑止力が維持されなければ(相手の第一撃で潰れてしまえば)意味がありません。ただし、これは対中国戦略で必要になるということでしょう(詳しくありませんが、(通常戦力ででも)敵航空基地を叩ければ、尖閣侵略や台湾侵略を防ぎやすくなるということでしょうか)。対北朝鮮戦略では別の戦略が必要になりそうです(対ロシア戦略で言えば、F-35の三沢基地への配備等、既存の戦略を維持できれば大きな問題はないかもしれません)。

北朝鮮はなぜ今、こんなにミサイルを発射しているのか?(2022年1月の事情:リアル編)(黒井文太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

>いわゆる敵基地攻撃能力では、北朝鮮のリアルな脅威である「米軍の核戦力による報復を覚悟で核ミサイルを撃ってくる時」の抑止力にはなりません。
>日本がやるべきことはミサイル防衛の向上です。すでに既存のミサイル防衛では撃ち落とせない極超音速滑空ミサイルを迎撃する新しいミサイル防衛システムの開発が米国で始まっており、そのプロジェクトへの協力と、将来完成したときに備えての運用の準備がたいへん重要です。

北朝鮮は核開発・ミサイル開発を着実に進めており、対米攻撃能力を高めることを目的としているようです。北朝鮮は対韓国で危ない橋を渡ってもおり(延坪島砲撃事件/天安沈没事件)、何をするか分からないところがあるのは皆承知していると思います。矛が抑止力になるのは当然ですが、究極的には米国の核戦力があるので、日本を守るためには盾が必要だと理解しています。これまでの既存のミサイル防衛システムが不要になったとは思いませんが(気になる人は専門家にでも聞いてください、新しいミサイルに対して防御が必要になってきたことは確かなようです。


ロシア正面での「ディール」の東アジア情勢への影響

2022-01-28 12:10:18 | 外交安全保障
<社説>ウクライナ緊迫 キューバ危機回避に学べ(琉球新報 2022年1月27日)
>ケネディ大統領は強硬一辺倒ではなく、トルコに配備してソ連を射程に入れていた米ミサイルの撤去も密かに提案している。その結果、ソ連のフルシチョフ首相はソ連の体面を保ちつつ、キューバからのミサイル撤去に応じることができた。

米、ロシアにミサイル配備制限提案 ウクライナ緊張緩和へ戦略対話( 毎日新聞)
>米側はロシア側に2019年に失効した米露の中距離核戦力(INF)全廃条約を基にミサイルを管理することや、東欧での軍事演習の規模や範囲の制限などを議論することを提案した。

ロシア正面での「ディール」に関しては、筆者は心情は親欧米路線的に感知しませんが、米ロのINF全廃条約復活は中国を有利にするものと指摘されており、看過できませんね。琉球新報や毎日新聞は日米の軍縮と中国(露)の軍拡を狙っているのかと邪推してしまいます。日本には日本の国益があります。ロシア正面に端を発した「ディール」で東アジア情勢に大きな影響がでないか注視するべきでしょう。また、対中国で欧米の協力を得たいなら、対露で欧米に協力することも必要になってきます。東アジアに位置する日本の戦略とは日米同盟を基軸に出来るだけ大勢の協力を得て中国の拡大に対処することだと思われ、ウクライナ情勢も無関係ではありません。

参考
INF条約失効 中国は軍縮交渉に応じよ(産経 2019/8/18)
>中国は、条約で米国が持てない中距離ミサイルを多数配備している。

相手が武器を持ったら、こちらも武器を持つのが、戦争を抑止する道だと筆者は思います。ロシアがこういう行動に出た以上、中国の侵攻が無いと高を括るべきでもないでしょう。

歴史を辿ってみても

2021-12-10 20:36:20 | 外交安全保障
長崎 対馬の寺 盗まれた仏像の返還求め韓国の裁判に参加意向(NHK 2021年11月23日 10時19分)

>プソク(浮石)寺が「中世の時代に倭寇によって略奪されたものだ」として、みずからに所有権があると主張しています。

「歴史観」が法律に優先される国、韓国。法治国家なら、立証責任は韓国にあるでしょうし、失礼ながら仮に倭寇が奪ったとしても、既に時効でしょう。

蛇足ですが、対馬の観音寺は臨済宗南禅寺派になります(南禅寺派の寺院 南禅寺・・・対馬の寺は南禅寺派が多いようです)。南禅寺は京都五山の別格になる等、日本の全ての禅寺の中で最も高い格式を持ち、朝鮮と交流があった琉球王国の外交僧芥隠承琥(首里に第二尚氏の菩提寺の円覚寺(円覚寺跡 文化遺産オンライン)を開山)は南禅寺の僧でした。仏教弾圧で仏像が日本へ難を逃れたは有り得る話です。日本で禅僧は外交貿易を担っていました。

足利義満は明と貿易をするため、倭寇を取り締まったのは有名な話です。倭寇は公式には活動できなかったはずで、簡単に浮石寺の仏像を持ち帰ることが出来たと思えません。

李氏朝鮮時代の仏教弾圧で浮石寺は廃寺になっていたようです。その時、仏像は何処へ行ったんでしょうね。

抗堪性の強化と反撃力の整備

2021-03-16 03:13:16 | 外交安全保障

トマホーク(ブロック IV)

 4月の中央公論の北岡伸一氏と森聡氏の『ミサイル防衛から反撃力へ』を評価する(細野豪志 ツイッター)があるようです。筆者も同感なのですが、日本を取り巻く外交安全保障環境が悪化する情勢の中、これからの日本の安全保障戦略で最も重要なのが反撃力の整備ではないでしょうか。抗堪性の強化と反撃力の整備は安倍政権が打ち出せなかったテーマだと思いますが、これからの自民党政権では看板になる政策になると思います。

抗堪性(Weblio辞書)
>航空基地やレーダーサイトなどの軍事施設が、敵の攻撃に耐えてその機能を維持する能力。抗堪力。「抗堪性を高める」
つまり第一撃をくらっても反撃できる能力のことです。これが日本の抑止力を高めることは自明ですが、敵の攻撃を察知して先制攻撃をする敵基地攻撃能力の陰に隠れて目立ちません。敵基地攻撃能力はできればいいのでしょうが、技術的に難しく、日本は経済成長していませんし、効率よく抑止力を高めていく必要があって、全てにお金をかける訳にはいきません。そんな中、お金をかけるべき重要なところが①抗堪性を高めること、②反撃力を整備することではないかと思う訳です。

 日本は米軍との盾(日本)と矛(アメリカ)の役割分担で専守防衛を掲げ、反撃力は整備されていません。能力がない訳ではないでしょうが、少なくとも表立って戦略的に整備されてきた訳ではない訳です。しかし外交安全保障環境が悪化する中、何時までも反撃力を整備しないままでいいのでしょうか?繰り返しになりますが、これは外交安全保障に弱い(?)とも言われる菅政権の看板政策にもなると思います。ただこれまでこの辺は議論がなかった訳ではありません(「日本が盾、米が矛という環境でない」 茂木外相 NHK政治マガジン2020年6月23日 >官房長官「与党の議論受け止める」)。

 反撃力にもいろいろあると思いますが、中央公論の記事では反撃力の標的を軍事目標とし、政治中枢、政治要人、ダム発電所等は攻撃対象に含めないとします。筆者は反撃力を幅広く考えてもいいのではないかと思いますが(サイバー攻撃と憲法解釈、抗たん性 拙稿 2018-04-04)、軍事目標に限ったとしても、反撃力がないよりあった方がいいことは自明です。とにかく反撃力について議論されることが重要です。そうでないとこのまま日中の戦力差が開くと、中国の先制攻撃を誘いかねません。中国だって馬鹿ではありません。安全保障にお金をかけているのは、それなりに理由があってのことに決まっています。まさか日本の盾で殴られることを恐れて安全保障にお金をかけている訳ではありますまい。そろそろ日本は戦後レジームの眠りから覚める時です。勿論、反対はあるでしょう。議論を深めることも大事です。しかし外交安全保障環境が待ってくれる訳ではありません。この問題は急ぐことも重要だと思います。

「友達が慰安婦」

2020-05-27 12:37:08 | 外交安全保障
 久々に慰安婦問題。少しネタ(尹美香「イ・ヨンス氏”慰安婦被害者は私ではなく友達…”と電話」2020.05.08|9:20|朝鮮日報)は古いのですが、面白いネタだと思ったので。
 李容洙(イ・ヨンス)が慰安婦でないと仄めかした尹美香(ユン・ミヒャン)が、尹美香に腰砕け的に謝っているようであり、韓国は李容洙が慰安婦で知らぬ存ぜぬで押し通すみたいですね。日本は李容洙が尹美香に申告の電話で「私ではなく友達が」と言ったとする尹美香の発言を殊更取り上げるべきだろうと思います。韓国の右派左派どうでもいいことです。日本は韓国側の描く韓国が正義を追及しているのに日本が逃げているとするストーリーを壊して、手打ちは韓国にとっても良かったと持っていかねば、何時までも有りもしない「罪」を追及されることになってしまいます。韓国の歴史観は韓国のものだとして、元になる歴史的事実は厳密に追及しなければ、日本の弁護になりません。勿論終わった話に付き合わないのが前提ではありますが、執拗に継続される運動にダメージを与えるチャンスを逃すべきではないと考えます。李容洙の日本でのイメージは例えば「尹美香に私ではなく友達が慰安婦と電話で申告してきた自称慰安婦」です。元々証言の矛盾をつかれてきた人のようですが、申告の時に慰安婦じゃないと言ったのは致命的だと思います。尹美香も自分が攻撃されてボロッと本当のことを言ってしまったものと考えられます。韓国は偽証罪大国と言い、まさに悪い面が出たと言わざるを得ません。日本がここで追及すべきは尹美香氏の証言であり、左派を攻撃する右派の構造に乗っかるべきではありませんが、尹美香氏が証言を翻す可能性も勿論あると思います。ただ吐いた唾は飲めません。慰安婦問題の有名人であるところの李容洙が出てくる度に「友達が慰安婦」ぐらいは言うべきでしょう。韓国は激しく反発するかもしれませんが、被害者と主張すれば証言の信ぴょう性が問われない裁判なんてものはありません。李容洙とは韓国のマスメディアによって創られた虚像なのでしょう。韓国のマスメディアとしたのは他に責任が無いと主張しているのではなく、イメージを広げているのが主にマスメディアと指摘したまでです。韓国マスメディアが韓国政府の御用メディアか知りませんが、あくまで建前を攻撃するのが重要だと考えます。
※筆者のツイッターからの再録。

日本の危機管理の問題の本質

2020-02-20 13:40:30 | 外交安全保障
正論 新型肺炎、憲法レベルで論議を 駒沢大学名誉教授・西修(産経ニュース 2020.2.19)

 西修教授の指摘によると、GHQは憲法に明示されていなくても行政府にはエマージェンシー・パワー(緊急権)が認められるので、国会が召集できない場合の緊急措置条項を拒否したのだそうです。エマージェンシー・パワーとは緊急事態が発生すれば、行政府は既存の法に反しない限り、必要なあらゆる措置を講じることができるという英米法に基礎を置く考え方なのだそうですが、明治憲法以来の日本の法体系とは異なっており、戦後の日本ではエマージェンシー・パワーに基づく政策は採ってこなかったことは明白だろうと思います。この辺が日本の危機管理政策・安全保障政策の本質的な問題のように見えます。
 今回の新型コロナウイルスの一件でも法務省は人権を盾に特定地域への滞在を理由にした一連の入国拒否をしたようです(政府、水際対策で異例の措置 入国拒否、厳格化要求も―新型肺炎 時事 2020年02月13日)。アメリカは日本を英米法のように何となく思っているかもしれませんが、日本国憲法は大日本帝国憲法の改正によって成立しており、日本は今でも明治以来の大陸法の国な訳です。つまりは緊急時には法に反しない限り何でも出来るとならず、一々出来ることは書かれていないとならない訳です。大陸法と英米法の優劣を論じてもしょうがなく、これまで明治以来の積み重ねた大陸法のルールの下、最善を尽くすにはやはり緊急時と言えども出来ることは書いておく必要があります。>根拠としたのが出入国管理法5条1項14号だ。5条1項は外国人の入国を拒否できるケースを列挙し、14号は「日本国の利益または公安を害する行為を行う恐れがある」場合を規定する。本来はテロリストなどへの対応を想定したもので、感染症が疑われる外国人への適用はいわば「禁じ手」(政府関係者)だ。・・・そうでなくては禁じ手解釈を政府は一々しなければならなくなるんですね。筆者は禁じ手解釈をしてでも必要な措置をとった安倍政権の判断は寧ろ妥当なものだと思いますが、こと日本においては緊急時に何が出来るか議論しておくことも必要なことであり、これまでなされていなかったことは明白だろうと思います。この議論を促すのに緊急事態条項の条文を設けることは極めて有効に違いありません。英米法風味の大陸法憲法をそのままにしておけば、同種の問題が何遍でも起こるに違いありません(筆者は保守派であって革命を志向しないので、大陸法から英米法に変えろと主張しません)。

 9条自衛隊の問題も同じように思われ、自衛隊明記論は自衛隊を明記するだけでなく、緊急権がない日本国憲法下で自衛隊の危機管理体制を高める効果があると考えます。自衛隊はダイヤモンドプリンセス号での活動で厚労省に準じた活動を行ったようですが、日本の法体系で緊急時に何でもの発想で自衛隊が活動するのは難しく、平時からこういう時はこうと準備訓練しておく必要があるんじゃないでしょうか?もしその体制が整っていれば、厚労省に沿ったレギュレーションでの自衛隊の活動を見ることなく、ダイヤモンドプリンセス号で帽子を被った自衛隊員や防護服を着た自衛隊員の写真を見ることが出来たかもしれません。自衛隊が明記されることは憲法上の規定に沿った自衛隊を最大限認めることになり、警察の延長線上にある自衛隊から自立的に活動できる自衛隊へ脱皮への第一歩なのかもしれません。少なくとも現状のままでは緊急時でも自衛隊は書いてないことをするのに制約があることは明白ではないでしょうか?緊急事態条項で明らかになったように、明治以来の日本では書いていないことをやるのに制約がある訳ですから、法に反しない限り、必要なことは何でも出来る組織に自衛隊をしていくためには、最低限憲法上認められた組織にする必要があると思えます。そうでない場合は、禁じ手解釈をするしかなく、無理な解釈であれば、訴訟で日本の安全保障政策が低レベルであってほしい日本に敵対的な勢力に訴訟で負ける可能性が十分あると思えます。

 GHQがこのような問題に気付いていたと思えず、何となく大日本帝国憲法の形を残したまま、英米法の考え方を持ち込んだに違いありません。これをそのままにしていたのは戦後日本政治の蹉跌でしたが、そもそも話し合わないという戦法を取るのは野党であっても与党であっても許されないというのも強調しておかねばならないことです。これは法に反しない限り何をやってもいいという英米法風味の戦術かもしれませんが、国民の多くが望んでいない不当な戦術に違いなく、憲法議論を国民が判断するという正常なプロセスが機能していないことは明白です。憲法問題は議会で議論して国民が判断すればいいだけの話で、国民の少数にしか支持されていない野党が国民の多数に支持されている政権下での議論を拒否すること等、本来的に出来ようはずもありません。あれが単なる日本に対する重箱嫌がらせ戦術以外の何だというのでしょうか?法治国家で民主主義国家である日本において、憲法問題・法の問題で最大の問題は野党の審議拒否カードの濫用問題だと確信しています。拉致問題なんかも北朝鮮が天国のような呆けた空気に対する異論がまともに議論されていれば、もっと早くに対処できたはずです。日本人の悪癖は議論しない戦術で臭いものに蓋をする癖があることなのでしょう。ただ裏を返せば議論しなくていい問題を議論する悪癖があるとも言えるのかもしれません。例えば、法的に問題がない問題を延々と議論して政権の印象操作をしようとする野党がいます。これらに効く薬が素直にやるべきことをやるという当たり前のことなのかもしれません。政界はとにかくひねくれ過ぎているようであり、やることが酷過ぎます。

日本の安全保障政策小考、メモ

2019-12-11 11:46:56 | 外交安全保障
①日本海方面→日韓漁業協定の再設定と遵守を求めるのはどうだろうかと思います。日本海は北朝鮮が不法操業を繰り返し、拉致問題の部隊となった日本の海の守りが求められる重要海域の一つです。今は何だかんだで交渉が決裂し、双方EEZ内での操業が禁止となっているそうですが、これが守られているか不信感しかありません。何故なら双方どちらも損より妥協した方がマシであるにも関わらず、そのまま放置されているからで、事実上操業しているのではないでしょうか。これでは永遠に信頼関係の醸成は行われません。また北朝鮮が操業したらどうなるというのでしょうか。何事もまずシッカリ取り決めることだと思います(竹島抜きの中間線が妥当と思います)。日韓の間の境界が定まり互いに遵守する姿勢を見せれば、日本海は自ずと定まります。

②南西諸島方面→北朝鮮というより中国を念頭においた潜水艦、島嶼作戦、抗堪性。北朝鮮有事は米軍が矛でひとまず抑止力は十分と言われていますが、島嶼作戦や台湾有事、南シナ海での有事を念頭に対中リスクを踏まえた抑止力向上策が重要と思われます。潜水艦は海の忍者ですが、陸で狙われる隙があると冒険を誘発するリスクがあって、忍者屋敷の警備がシッカリしていることが大切と思われます。島嶼作戦は佐世保で米軍に擬態しているようにも見えますが、距離的に佐世保からで抑止力がどれだけ保てるかは十分考えられていいところです。攻撃されて壊れてしまうようでは、先制攻撃を誘発する危険性があって、抗堪性や反撃力があることが敵の攻撃を自制させます。

③東南アジア。地震津波と都市防災。自衛隊。※ある程度予測可能な水害等は銀行による。あるいはベトナム・フィリピンのサイバー防衛、インフラ防衛。

④ロシアは極東投資を進める余裕があるようで、北からの牽制に引き続き警戒は必要です。逆に東欧・ウクライナ方面で思うように行かないと極東に資源を振り分ける余裕が無くなるとも考えられます。英仏など欧州諸国が中国に関心を持つように、日本も欧州正面でロシアに関心を持つとロシアという国の全体像が見え、北からの牽制に対応しやすくなると考えられます。東欧諸国は可能性に満ちた国ですが、投資する国があってのことであり、東欧にはその条件があります。

北方領土問題は進展前提か凍結前提か

2019-05-03 00:04:57 | 外交安全保障
北方領土「日本人が知らない」真実、占領の黒幕・返還交渉の矛盾(2019.4.26 DIAMOND online)

>2017年12月30日の北海道新聞に「歴史の常識を覆す」報道があった。タイトルは「ソ連の北方四島占領、米が援助、極秘に艦船貸与、訓練も」というものだ。

ヤルタ会談の直後に米ソが協力して、「千島列島」の占領作戦を行ったということですが、個人的には有り得る話だと思っています(筆者は赤いと言われる北海道新聞を支持するものでは全くありませんが(赤ければ赤いほど戦後レジー左派的で(社説など)問題と思うことがしばしばありますが)、政権に忖度しない新聞があってもいいという考え方です。ただこのニュースは先ほど検索して始めて知りました)。北方領土問題を調べれば調べるほど、固有の領土や千島列島の定義などいろいろ考えさせられるところがあるんですよね。後にスターリンは、釧路と留萌を結ぶライン以北の北海道の北半分までも要求し、米国(GHQ)が拒否したようですが、これは当然と言えるでしょう。

なお、1956年に、共和党アイゼンハワー政権は「(ソ連による北方領土占有を含む)ヤルタ協定はルーズベルト個人の文書であり、アメリカ合衆国連邦政府の公式文書ではなく無効である」とのアメリカ合衆国国務省が公式声明を発出しており、また、アメリカ合衆国上院は、1951年のサンフランシスコ講和条約批准を承認する際、決議において「この承認は、合衆国としてヤルタ協定に含まれている、ソ連に有利な規定の承認を意味しない」との宣言を行っています(ウィキペディア「ヤルタ協定」(2019/5/1)参照)。

>1951年、米国との単独講和だったサンフランシスコ平和条約で、日本は「クリルアイランズ(千島列島)」を放棄した。実はこのときに、現在に至るまで禍根を残す失態が生じる。批准国会で野党議員に「放棄した千島に国後や択捉を含むのか」と訊かれた西村熊雄条約局長が、「含む」と答えてしまったのだ。

ヤルタ会談の当事者フランクリン・ルーズベルト大統領は1945年4月12日に死去します。サンフランシスコ講和条約の時は副大統領から昇格したトルーマン大統領の再選後2期目であり、時は冷戦時代に突入していました。有名な鉄のカテーン演説は、イギリスのウィンストン・チャーチルが第61代首相を退任後の1946年3月、アメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンに招かれて訪米し、ミズーリ州フルトンのウェストミンスター大学で行った演説にちなみます。日米で北方領土問題に関してどういうやり取りがあったのか詳細を知りませんが、こうした文脈を踏まえて、外務省の「失態」は理解されるべきだろうと思います。解釈の余地があれば、後々どうなるか分からないのが国際政治でもあるんでしょう。

続く共和党のアイゼンハワー政権でヤルタ協定は個人的なメモと一蹴しており、1953年から1959年までドワイト・D・アイゼンハワー大統領の下で第52代国務長官を務めた強い反共主義者のジョン・フォスター・ダレス国務長官は、1956年8月19日に日本の重光葵外相とロンドンで会談を行い、重光に対して北方領土の択捉島、国後島の領有権をソ連に対し主張するよう強く要求し、「もし日本が国後、択捉をソ連に帰属せしめたなら、沖縄をアメリカの領土とする」と指摘して日本側の対ソ和平工作に圧力を加えたとされます(ウィキペディア「ジョン・フォスター・ダレス」(2019/5/1)参照)。その後の交渉を規定する日ソ共同宣言が署名されたのが1956年10月19日で効力が発生したのが1956年12月12日です。日ソ共同宣言には「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する」とあります。時は1953年のスターリン死去後、雪どけ(1955年-1958年)の小康状態にあり、それが日ソ共同宣言に至った要因でしょうが、米国としては軍事的な要衝(海峡)を含む国後・択捉をソ連だと認める訳にはいかなかったのかもしれません。

筆者は、戦後の交渉の経緯を踏まえて日露の領土交渉を進めるべきという立場ですが(拙稿:戦後の日露平和条約交渉に基づく新しいアプローチの検討)、今の国際情勢は既に冷戦は終わって久しく、中国の台頭という新しい情勢に対応するトランプ政権に変わっていると認識しています(米中冷戦が始まるとか、トランプ大統領がロシアと通じているとか、中露が仲たがいするとかそういう話ではありません)。領土問題を解決して平和条約を結ぶことを筆者は支持しますが、結果がどうなるかは分からないというのが正直なところでしょう。ひとつだけ言えるのは四島一括返還はおろか、色丹の引渡しさえ厳しい状況に現在あるということです。日露の隔たりは大きく中々難しい交渉とは思いますが、日露のチャンネルも重要であり、現在の枠組みで何が出来るか、機会があれば今後も考えていくつもりはあります。

>北方領土史で忘れられがちなのは、「本当の先住民は誰だったのか」だ。筆者は1980年代、北海道で知り合いのソ連担当の公安関係者から、「ソ連の学者たちが北海道のアイヌ民族の存在を口実に、北方領土が古来、自分たちの領土だったことにしようとしている」と聞いた経験がある。アイヌはロシア側にも居ることをテコに、「日本人より先にロシアのアイヌが千島にいた」として、日本が主張する「固有の領土」を否定しようとし、「AS協会」という組織を立ち上げたと、といった話だった。

これは学問的に完全に無理だと思いますね。千島のアイヌの源流は明らかに北海道にあり、更には北東北まで遡る日本の長年の隣人の先住民族です。千島のアイヌはロシアの支配でロシア化したという話もあるようですが、「アイヌ民族」が歴史的に日本と関係が深い関係にあって、現在も日本は先住民族として認める立場を揺るがしたことはありません(アイヌ新法は国会で全会一致で採択されたようです)。日本から見てロシアの極東進出は歴史的に遅すぎで「アイヌ民族」の歴史は日本の歴史と密接に関係します。ずっと隣り合っていた以上、これは当たり前なんですね。ただ、アイヌが国家を成立させたことはありませんでした。民族の分断は歴史上有り得ることではありますが、いずれにせよ、もはやアイヌ民族はロシア領にいないと認識しています。アイヌの進出は千島方面ではカムチャッカ半島まで及んだようです(カムチャッカのアイヌが北海道まで降りてくるのようなことは有り得ず、日本との関係を通じて発展したアイヌがカムチャッカまで至ったとみるしかありません。また、言語学的観点から千島のアイヌが太古の昔から千島に居住していたということも有り得ず、分化の状態からそれほど古くない時代に北海道から移住したようです)。

遺伝子を理由にアイヌの源流を沿海州に求める主張が一部で散見されますが、ロシアの工作に引っかかっているようにも見えます。少なくともアイヌ南下説は(千島においては)ロシアの主張そのものではないでしょうか?ヨーロッパでは一部極右政党にロシアが浸透したと言われることがあります。樺太方面においてもこれは逆で、どうも余市あたりのアイヌが樺太に進出したと考えられるようですが、日本ーアイヌ交渉史の中で日本が北上し、アイヌと交易した話は幾らでもありますが、沿海州の民族が突然現れたのような話は、わずかに消えた謎のオホーツク人に見られるのみで、それも直接交渉はほとんどありません。お隣の異民族が別の民族に変わるようなことがあったら一大事ですが、そんな記録は全くないと考えます。遺伝子がアイヌと沿海州で似ているとしても、日本人(和人)の北海道進出はそれほど大昔に遡る訳ではなく、それも当初は渡島半島南部までであり、ようやく江戸時代に本格的に進出が始まることになります。日本語とアイヌ語は元々系統が異なり、アイヌはその意味で北周りの民族としたら遺伝子が沿海州とベースが同じとして不思議は無く、お隣の北方民族として遺伝子のやり取りがあっても不思議はありませんし、オホーツク人の南下ファクターもあります(アイヌに吸収され消えたようで、熊送りがオホーツク人由来という説があります)。また、遺伝子で民族を規定するのが必ずしも妥当ではなく、日本人に隣接して住むアイヌほど遺伝子が混じることも当然あったようで、その辺も踏まえなければなりません(日本人と混じったアイヌを排除して沿海州と混じったアイヌを残した検証ならば意味がありません)。結局、アイヌは独立するべき国を持ったことがない先住民族(言葉ですらどの方言を中心にすべきか本来的に決めようがなく、人工的に後付けの理由で決めるしかありません)ですが、日本との関係が深く、ロシアにせよ中国にせよ関係が浅いことは明らかです(モンゴルならまだしも漢民族など北方で見たことありませんし、ツングース(満州/清)もより北方にそれほど関心がなく(ロシアに敗れています)、アイヌはおろか樺太の在来民族と考えられるウイルタもツングースと関係ないことが言語学的に分かっています)。アイヌ語のカムイは日本語の神と同様の言葉で高位の霊的存在を表し、これは文化の伝播や言葉の借用が考えられるようです。アイヌと宗教の伝播に関して言えば、熊送りも考古学的遺物の出土の関係で外国の影響があるのではないかという示唆もありますが、詳細はつまびらかではなく、いずれにせよ、北海道のアイヌと日本の関係性を否定できるものではなく、北海道に外国の権利も及びませんし、千島においては北上の歴史が揺らぐこともないだろうと思います。

さて、ロシア(プーチン政権)ではスターリンの再評価が行われているようです。これはソ連を超大国に押し上げた実績から来るもののようです(これは国際情勢の常識の範疇と思いますが、「いまさらですがソ連邦」(三才ブックス 2018)なんかが、そのあたりを踏まえてソ連の歴史が面白くまとまっているような気がします)。だとしたら、北方領土交渉に影響しないはずがありません。「ルーズベルトに個人的に合意させた」スターリンの実績を削る訳にはいかないということになりかねないからです。プーチン大統領も認めた戦後の交渉の積み重ねを譲る訳にはいきませんが、この「スターリンの実績」という体面を交渉で守れるかどうかが成否を決めている可能性があるのかもしれません(そんなことには関係なく無理なのかもしれません)。具体的には「固有の領土論」をどう扱うかになるんでしょう。戦争で固有の領土が奪われることは厳しい国際社会で当然有り得る事態ですが、個人的には第二次大戦のソ連の侵攻に関して、北方領土への進出に限って不法と認めさせることは交渉しないと言っているに等しいと考えます。そうだとすると、論理的には約束している日露交渉を前に進めるためには千島の範囲に関する定義の(一部?)譲歩が必要でしょう。そもそも日本から見て(国際的に見ても)ソ連の侵攻は不法なものですが(日ソ中立条約を明らかに侵犯しています)、一方でサンフランシスコ講和条約で放棄した領土の問題もあります。戦争に負けると不法も何もないところはあるんですよね(解釈の余地がない訳ではありませんが、既に放棄した領土は明け渡したも同然の形になっています)。これは条約の形で認めてしまっており、ソ連と結んでいないと言っても、それほど大きな意味がある訳ではありません(破棄しない限り、新しい主張は出来ず、それをするだけの価値もなく労多く益少なしでしょう)(一方戦後のどさくさに紛れて韓国が占領した竹島に関して日本が何ら譲歩した訳ではありません)。ロシアから見てサンフランシスコ講和条約を素直に読んだラインの決着は有利な決着だと思いますが、戦後の交渉を踏まえると(必ず踏まえられるべきですが)、そのままという訳にはいかないだろうというのが筆者の考え方です。日本側も主権の問題で譲歩がないにも関わらず(筆者は自分の考え方に主権の譲歩を見ていません。「誤解」は何時でもある話でしょう)、1ミリも譲らないのような考え方であってはならないと思いますが。筆者の主張を最大限踏まえたと仮定しても、(交渉担当者では全くありませんし)まとまるかどうかに関して筆者はよく分からいものがあります。

ついでまとまったとして何ができるかについて考察して終わりにします。これは個人的にはエネルギー問題が気になります。具体的にはサハリンのガスをパイプラインで引いてくるというような話です。LNG船は高コストでパイプラインを引いた方が確実に安いでしょう。これは(ロシアが安定供給するならですが)北海道経済にとって大きなプラスとなると思います。ヨーロッパで経済で一番勢いがあるドイツがこれをやっています(ただし、トランプ政権はドイツをガスの輸入で批判しており、動かない問題の可能性があります。米中貿易戦争といったところで、貿易しており(鉄のカーテンがあると言えず)、トランプ大統領は習近平を一定の評価していますから、貿易すること自体に問題はないんだろうと思いますが。また日本は安全保障費に関してトランプ政権の評価はあるようです。今のところガスで自動車が動くわけではありませんから、自動車産業には関係なく、天然ガスの用途に詳しくありませんが(エネルギー目的なんでしょう)、日米貿易摩擦に直接は関係なさそうです。ただ、アメリカの資源輸出政策に関係しないとも言えないかもしれません)。ドイツもコスト面もありますし、一度引いたパイプラインをどうこうする訳にはいかないという理由もあるかもしれませんが、資源エネルギー戦略を長期的視点で考えると、埋蔵量が莫大なロシアの天然ガスを買うことが必ずしもマイナスとは言えず、寧ろプラスになると考えることも出来そうです。資源は掘れば採掘コストが上がってきますし、終わりが見えてくると、値段が急激に高くなると考えられます(何らかの理由で供給が絞られると確実に価格は高騰します)。ドイツは浮かせたお金か知りませんが、再生可能エネルギーをやっており、これも環境も意識しているでしょうが、資源が有限であることを意識した長期的戦略と見ることも出来そうです。アメリカ的な任期中の成果の発想で何処まで評価されるかは分かりませんが。LNG船に関して言えば、オーストラリアのプロジェクトもありますし、シェールガスも運べますから、需給はよく分かりませんが、日本にとって未だ必要な船ではあるんでしょう。島国は日本だけではなく、安定的な発展のため、必要とする国もありそうです。こう考えると、シェールガスもパイプラインで利用できる範囲が有利でしょうから、資源国・大陸国の優位性を感じるものがあります。

当面の話題の北方領土に関して言えば、領土問題が進むか進まないかによりますが、進まないこと前提で考えると、地元の要望を活かした利用・活用の道はないかと考えます。特別な外交安全保障上の理由があれば話は勿論別でしょうが、基本的には地元経済の発展が国の都合で阻害されてはならないはずです。現時点で北海道が行き止まりになっているとしたら、経済にマイナスは明らかです。安全保障の観点で言えば、防備はシッカリしているとも言えるはずでしょう。「サハリン」経由で黙認の類なんかは地元にプラスになりません。サハリンはサハリンで用があるというのが本来的な形でしょう。結局幾ら考えたところで、平和条約の締結が前提でない限り、壁があるということですから、限界があるような気もします。

暗黙の了解というものはありますが、北方領土問題は進展前提か凍結前提かが重要だと思います。進まないものを前に進めようとすることほど無駄なものはなく、そんな時間があったら別のことが出来るという話ですが、前回の記事でやや書き残したこともあり、自分の中で見通しが必要だと思った次第です。